モローの寝室の窓から優しい光が・・・・・。
最近、さぶいおばちゃんダジャレを言いたくてたまらない私。
ついにおばちゃん末期症状の表れなのか
2階、モローが生活していた部屋をあとにして、三階に向かう。
ここはモローが晩年建て増ししたアトリエの2階部分にあたるそうだ。
壁にはモローの大作が隙間もないほど展示していて、そのすばらしさに
圧倒され、モーローとなった私。
フランス象徴主義の先駆的画家・ギュスターヴ・モローのファンは私の周りにも
結構いるのだ。パリに行ったら、あの美術館に行きたいという人は大抵絵画に
造詣が深く、独特の世界を持っている人が多いような気がする。
私はと言えば・・・・・実はモローの世界がよくわからなかった。
色彩が鮮やかだけど、なんとなく奥深い底から湧いてくる悲哀を感じる、
キラキラと輝く繊細な線描だけど、それはとても傷つきやすくて、もろいもの。
一瞬にして、すべて消えてしまうような幻想ゆえに
貴重なものなのだと思わずにはいられない世界。
椅子に座ったムッシュ、ずっとこの席でモローの絵を見つめていた。
らせん階段を上がって、4階に行くと、ここにもモローの独特な世界がある。
モローの絵画に囲まれていると、とても穏やかな気持ちになる私がいた。
この美術館に来るまで、こんな気持ちになろうとは予測すらできなかった。
モローの絵が持つ魅力とは、人の心の奥にある琴線にふれ、優しい音楽を
奏でるようなそんな境地に導いてくれる、少なくとも私はモローの絵に
癒しを感じたのだ。