夕日を眺めながら | 謎のこうのとり 






学生の頃、仲良しだった友達が
ある日突然
 「好きな人がいる」と打ち明けてくれた。

その頃、住んでいた下宿のすぐ近くには琵琶湖があり、
夕方になると、その子と2人で散歩に出かけた。

茜色に染まった湖を2人で眺めていると
その子は必ずこの「愛の唄」を歌ってくれた。
だけど、「なきぬれて、ただひとり♪」の部分で
いつも声を詰まらせた。

この曲を聴くたび、その子を思い出す。

その子は「好きな人」とは結ばれなかったけれど
今は素敵な旦那様と子供三人とともに古都に住んでいる。