県庁前から職場に向かう道にはクスノキの大木が並んでいる。
この季節、風に舞って落葉が道路の隅で小山になる。
大木を見上げると、こんなにも落葉しているのに、
新緑が青々としていて、決して裸木になることはない。
ギリギリまで枝にしがみついて生きた葉は、新しい命を確かめながら
安心して舞い落ちていくのだろうか。
先日、訪ねた京都、青蓮院の門前にもクスノキの大木がある。
応仁の乱の戦火を耐え、歴史を見続けてきたそのクスノキの根は
盛り上がり、力を見せ付けるかのように張りめぐっている。
ここには何度か訪れたことがあるが、毎回このクスノキを
見上げるたびに畏敬の念を抱くのだ。
好文亭では、特別拝観を実施していた。
せっかくの機会だからと、妹とともに茶室でお抹茶をいただく。
今日、初めて紋付袴を身につけ、お手前を披露した若い男性は
落ち着いた丁寧な所作で、今日の天気にふさわしい風情であった。