親愛なるドラキュラさま | 謎のこうのとり 
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Mysteriouskonobird   謎のこうのとり    ヒストリアン  
  エリザベス・コストヴァー著


16歳の少女が、父の書斎で一冊の古書を見つけた。
それは、娘が生まれる前に父の運命を決定づけた本だった。そして、それはまもなく少女の人生にも影響を及ぼしはじめた。
死して語らぬ歴史上の人物の真実の姿を知るために、歴史家たちはときに命を賭けてまで謎の解明にあたる。
しかし、この世にいないはずの人物に出遭ったとき、歴史家たちは何を見るのか?
真実を知る手がかりは、ヨーロッパ各地の史跡、修道院、そして伝説……。


この本はベストセラーとなった本である。

2年前、これを読んだ。

本の中には私が望むすべての要素が凝縮されていて

読後、濃厚なスープをのんだような気持ちになった。


ヨーロッパの中世の街並みには、美しいものとは別に過去に起こった

様々な歴史の生き証人として漂う妖しげなオーラを強く感じる。

それは、どちらかと言えば暗く、冷たく、背筋が凍るような不吉なもの。

暗黒の時代、中世に流された人々の血がそうさせているのかもしれない。



  親愛なる

  そして不運なるわが後継者へ

  きみが誰なのかは知らないが

  私がここに書き記す話を

  読んでいるかと思うと

  私は残念でならない


これを読んで、不安になり急いで本を閉じるのか、それとも

何故残念なのかが知りたくて、読み続けるのか?

私は、もちろん読み続ける。

先が気になって、他のことが手に付かなくなるからだ。


この本には実在の人物が登場する。

15世紀半ばワラキア(ルーマニア)君主ヴラドⅢ世、

ブラム・ストーカー「吸血鬼ドラキュラ」のモデルとなった人。

実際のヴラドⅢ世は吸血鬼ではなかったが、「串刺し公ヴラド・ツェペシュ」と

して世に知られている。


この本を読んだ後、ドラキュラの魅力に、すっかりはまった私は

関係する本やDVDでドラキュラの世界に浸ったのであった。


  
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