「パリで夭折した天才画家の道」と題されたこの美術展はすばらしかった。
いつもおじゃましているtaraさんのブログで拝見したこともあり、
とても楽しみにしていた展覧会であった。
これらの絵の前に立たないと、この絵から発せられる気迫は伝わって
こない。暗い色調の絵だが、どこか私の好きなジョルジュ・ルオーの絵と同じ
においがする。敬虔な祈りにも似た心の声が聞こえる気がして、安心するのだ。
これらの絵には30才という若さで夭折した佐伯祐三の命の断片が塗りこまれている。短いゆえに凝縮された濃厚な人生だったのかもしれない。
芸術の天才というのは、孤独なのかもしれないと凡人の私は思った。
次々に浮かんでくる形のないものを一枚のカンヴァスに描く。
疲れ果てるまで、常に自分自身と葛藤しなければならない。
時を越えた命を削る終わりのない旅・・・そんな言葉が浮かんできた。