ジョン・エヴァレット・ミレイとジャン・フランソワ・ミレー
ふたりのミレーは私の大好きな画家である。
ジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア」を初めて見たのは
1998年兵庫県立美術館で開催された「テート・ギャラリー展」だった。
ハムレットのオフィーリアの入水自殺シーン。
これは水死体の絵なのに、その場を去りがたいほどの
神秘的な美しさだった。
ミレイはラファエル前派を代表するイギリスの画家で
歴史的、文学的主題を写実、細密な手法で描いている。
この絵の中に描かれている花の意味
柳・・・・・・・・・・・・・・見捨てられた恋
イラクサ・・・・・・・・・苦悩
パンジー・・・・・・・・・愛の虚しさ
首飾りのスミレ・・・・誠実・純潔・夭折
ケシの花/・・・・・・・死
モデルを務めたエリザベス・シッダルは湯の張ったバスタブでポーズを
とり続け、ひどい風邪にかかってしまったそうだ。
それほどまでに徹底的に写実にこだわったミレイの絵。
2006年1月、ロンドンに到着したその日、テートブリテンは午後9時まで。
時差ボケも気にせずブラックキャブに乗り、訪れた。
エントランスでは、バイオリンの演奏会にたくさんの人が集まっていたが
ミレイが展示している部屋には私1人。
広い展示室でミレイの絵を独り占めできる至福の時
遠くからはバイオリンの優しい音色が聞こえ、ここまで来てよかったと
心から思った。
「オフィーリア」が再び日本に来た。
8月30日~10月26日 東京Bunkamura