決め台詞 | 謎のこうのとり 

息子が小学校4年生の頃なので、もう10年前のこと。

12月に2人で北海道を旅行した。

内田康夫氏の小説に出てきたホテルに泊まって

うきうき気分の母。

息子は「なんで、こんな寒い時期に北海道なんだ」と

機嫌が悪かった。

札幌に来たら、ラーメンかお寿司と決めていた私。

機嫌取りにちょっと高そうな寿司屋に入った。

息子はいきなりカウンターに陣取り

「おやじ、いつもの頼むよ」

カウンターの向こうにいた寿司職人はびっくら叫び

私もびっくら叫び


その4年後、ベルギーのブリュッセルでのこと。

ホテルの近くの「竹寿司」という日本料理屋に入った。

店内に入ると、カウンター席があった。

客は私達だけだというのに

息子はすたこらさっさっとそこに向かっている。

「ちょっと待て、こっちに座る」と

広々したテーブルに無理やり息子を連れて行く私。

「ひょっとして、例のセリフ言うつもりだったんじゃないの?」

チェッと舌打ちしながら、残念がる息子。

おみゃあのすることぐらい、この母はお見通しずら。

しかし、ここはフランス語圏通じるはずもないのだ。

くくっくくにひひ