覇気 | 謎のこうのとり 

今日も謎の団体の会議があった。

月初めの会議はいつもノンアルコールワインワインが出る。


ワインをまとめてグラスに注ぎ、各テーブルに運ぶと

実際の出席人数が少なければ、いくつか無駄になってしまう。

そこで、カラのグラスを各テーブルに置き

その席に人が座ったら、ワインワインを注ぎに行ってほしいと

ゆうれいTさんに頼んだ。

  Sホテルの宴会係りのTさんは「幽霊」のような

  覇気のない、か弱く見える男性。

  私は秘かに「ゆうれいTさん」と呼んでいる。

  しかし、見た目とは違い、

  よく気がつくし、力持ちだし、

  子煩悩(?)だし・・・・いい人なのだ。

  職業柄、見た目で損をしている人

  ワースト10に確実に入るであろう。


しかーし、ゆうれいTさん曰く

  「できません」 

私  「なんで?ホテルSはやってるよ、あっちにできて

    なぜSホテルはできないの?」

Tさん「手が震える、白いテーブルクロスが真っ赤になる}

私  「じゃぁ、震えない若い子にやらせば?」

Tさん「ホテルSはホテル、こっちは旅館」


えっーパンチ!そんなの理由にならないずら。

そんなのかんけーにゃーずらむかっ


私  「もぉーいいよ。できないならむかっ

Tさん「・・・・・・・。」


納得できない憤怒をぐっと抑えつつ立ち去る私。


謎の団体の会議が終わったあと、ゆうれいTさんがやってきて

  「こんど、やってみる」

な・に・をー? とギロリと見る私。


「ワインワイン グラス、テーブルで注ぐのを」と、うなだれるTさんガーン


これでは、まるで鬼おばさんが、か弱き男性をいじめている図に

見えるではないかっ!?

もっとハキハキ、しゃべれないのかーDASH!

覇気なしTさんよ。