お世辞 | 謎のこうのとり 

2月、ウィーン1人旅でのこと。



その日の午後は「ウィーンの森半日観光」を申し込んでいた。

集合時間の30分前にMインフォメーションに到着。

外は嵐のような天気なので、事務所に入る。



チケット売りのおばちゃんが

「ここにはMの受付はないから、近くのコーヒーショップで

 待ちなさい」と・・・・。

中途半端な時間だし、かと言って外で待つのもなんだしなぁ

英語がわからないふりして、ちょこっと待たせてもらおうと

決め込んでいたら、かなり年配の日本人3人が入ってきた。



その3人は私のことを添乗員かガイドだと勘違いして

トイレはどこ? バスはどこ? 質問攻め。

仕様がないから、その3人と外に出る。

そこへ聡明そうなガイドがやってきた。

やれやれ・・・。



バスはウィーンの郊外にある「ウィーンの森」へ

緑の木立の中、中世の時代にタイムスリップしたかの

ような風情ある風景を堪能。

途中、シューベルトゆかりの建物に立ち寄る



このあと、ハイリゲンクロイツの修道院へ行き

見学した。

修道院の持つ厳かな張りつめた空気

芸術性あふれるステンドグラスの美しさ

神に仕える人々の敬虔な想いが伝わる

すばらしいところだった。


ツアーの人達とお茶とケーキも戴いた。



同席したご夫婦は私と同じ年代。

中欧3カ国のツアーに参加し、今日は半日フリーなので

これに参加したらしい。

もう1人の30代後半の女性は私と同じひとり旅。

ドイツ経由でブタペストからウィーンへ昨日来たそうだ。

たわいもない話で盛り上がっていた。

私に大学生の息子がいることにびっくりしたご夫婦曰く

「えっーあなたが大学生かと思ったわー」


なんですと、アラフィフの私が大学生。

もしかして・・・老人大学のことずらか?

(確かにおかっぱの髪型・雨風ではがれた素顔・

   肉で伸びきった顔には皺が目立たない)

しかし・・・・

あまりにも度の過ぎたお世辞に傷ついた私。


時として・・・度の過ぎたお世辞は辛い真実を告げるよりも

相手を傷つけるものだ。

教訓のひとつとしてトドメおくこととした。