こちらのつづき。
ヘアセットが終わり、ご一緒する同門のお姉さんと待ち合わせ、イノダコーヒー本店へ。
はじめて本店に伺いました!
お庭もあってゆったりしていていいですね。
ハムサンドとコーヒーをいただきました。
また写真撮り忘れてる😭
そこからタクシーで弧篷庵へ。
初めての弧篷庵。
この入口の風景、なんども本で見ました。
今日は遠州忌なので家紋の入った幕がかかっています。
写真も撮っていただき…
あまりに着崩れててあちゃちゃーというかんじなのですが自戒をこめて😹
切石と自然石が端正に配置された敷石。
ここを歩けるなんて!
ここから先の茶室は写真撮影ができないので、ネットにあったものを拝借します🙏
荷物を預け、まず目に入るのは南庭。
本堂を舟になぞらえ、お庭は故郷の琵琶湖を表しているそうです。石や砂など何もない、波のような砂紋のある赤土が広がり、奥には琵琶湖の波に見える高さの違う二段の生垣。
そして続くのは、かの有名な忘筌。
忘筌という名は荘子から来ています。
筌は魚に在る所以なるも、魚を得て筌を忘る
蹄は兎に在る所以なるも、兎を得て蹄を忘る
言は意に在る所以なるも、意を得て言を忘る
魚を取れば、その道具である筌(魚籠)を忘れる、という意味で続く2文も同様の意味です。
手段を忘れるな、というのではなく、その逆で、重要なのは目的であり、手段はこだわらず、目的が達成されたら忘れてしまって良い、と解釈するのだそうです。
これを改めて聞いて思い出したのが書き捨ての文。
遠州公の遺訓で、お茶の心得が記されたものなのですが、これも「分かったら捨ててしまいなさい」、ということでこのような名前だそうです。
有名なのがこの景色。(こちらよりお借りしました
)
障子の下半分が吹き抜けていて、景色が見えます。
庵号の弧篷、そして忘筌という名からもうかがえるように、この茶室が琵琶湖に浮かぶ一隻の苫船のようになっています。
この景色のなんと美しいこと。
石から反射した光は、胡粉が塗られた杉板に反射し、それがまたゆらゆらと光り波のようです。
手前に見える手水鉢は露結という姪で、ウサギの耳のことだそう。
そして手前座は普段お稽古させて頂いている宗家道場の向栄亭と同じつくり!
お席が終わってお道具を拝見した際、手前座に座って見る景色はなんとも言えず…遠州公も不昧公もこの景色を見ていたんだなあと思うと、言葉にできない感動がありました。
その後に続くのは直入軒、山雲床。
狩野探幽をはじめ、狩野派の襖絵も本当に見事でした。
通路の天井が低いところがあるのですが、ふと目を上げると「看路」という看板が。「見ろ!」だそうです😹こちらは不昧公の書かれたもの。
それ以外にも一般開放では見られない場所までたっぷりと堪能させていただきました。
お道具も遠州公が所持されていたものや、由縁のある素晴らしいお道具組でした。
お席をご一緒した先輩方やお道具屋さんにご説明いただいて楽しく拝見しました。
お道具の見どころや素晴らしさはまだまだ不勉強で分からないことも多いですが、
入門するきっかけになった方に「審美眼を養うにはまず一番いいものを見ること、上から下にはいけるが、下から上にはいけない」と教えていただいたのを思い出します。
素晴らしいお道具を拝見できること、本当にありがたいことだなあと思います。