女優の吉岡里帆さんに招待していただき、吉岡さん主演の舞台『まつとおね』を観に行ってきました!
戦国時代がテーマの作品と聞いていたので、「謀略!裏切り!首を取った取られた!」みたいな物騒な展開を思い浮かべていた僕ではありましたが、この作品に出てくるのは、剣や血も飛び交わない、でも、ふたりの女性が織りなす心をえぐるような熱い戦いでした。
戦国の出世レースを駆け抜けた二人の男たちを支えた二人の妻、それが前田利家の妻「まつ」(吉岡里帆さん)と豊臣秀吉の妻「おね」(蓮佛美沙子さん)。
もともとは同じ織田家の家臣だった夫たちの関係性が変わっていく中で、彼女たちの友情も変化していく。
笑い合い、助け合っていたはずなのに、環境の変化が二人を容赦無くすれ違わせていく。その姿に、「戦国時代の女性って、こんなにドラマチックな人生を送ってたのか…!」と驚かされました。
吉岡さんとは日頃から仲良くさせてもらっているのですが、彼女はテレビで見たままの可愛らしさと真面目さを持っているだけではなく、それ以上に、芝居に熱い、人生に熱い、とにかく熱い人です。
「可愛い人だな~」なんて呑気に思っていると、次の瞬間には芝居や生き方についての哲学をものすごい熱量で語り始めるので油断できません笑
僕も何度、彼女の情熱に圧倒されたことか...。
そして、この舞台。
吉岡里帆さん演じる「まつ」は、強くて明るくて、でもどこか不器用。その生き様が、彼女自身とどこか重なって見えました。
特に、あるシーンで彼女が「◯◯」と呟いた瞬間。
「あ、これはもうただのセリフじゃないな」と。
そこには、戦国時代のまつの心情だけじゃなくて、現代を生きる僕たちの胸にも刺さる何かが込められてるのを感じました。
まつとおねの関係性が変化していくにつれて、セリフの間合い、仕草、視線の交わし方がどんどん繊細になっていく。
もう、目が離せない。
途中から「これは演劇ではなく、実際に400年前の部屋を覗いているのでは?」という錯覚に陥りました。
あまり詳しく書くとネタバレになってしまうので、内容についてはここまでにしますが、帰り道、あまりにも余韻がすごすぎて、「もし自分が戦国時代に生まれていたら、こんな熱い友情を育めただろうか…?」なんて柄にもなく考え込んでしまいました笑
改めて思ったことは、吉岡里帆さんは芝居に本気な人であり、それ以上に人生に本気な人だ、ということ。
一つひとつの作品に全力でぶつかり、その中で得たものを大切に抱えて、また次の役に挑む。そんな彼女の姿勢が、この舞台にはぎっしりと詰まっていました。
最後にひと言。
『まつとおね』、めちゃくちゃ良いです。
とにかく観てください。
戦国の世を生きた女性たちのリアルを感じたい人、そして 「熱い芝居を観て、ついでに自分の人生についてもちょっと考えたい人」 に、全力でおすすめします!