各社のHPに行くと、「軽い」「最速」「強固」などと書き並べてありますね。
じゃぁ実際にキョーソーさせてみたらどうなのよ?
というのが今回のテーマです。
【テスト環境】
CPU PhenomⅡ X4 965BE (C3) 3.4GHz固定
RAM DDR3-1600(PC3-12800) 8GB(2GBx4 DualChannel⇒3.2GB認識)
HDD WesternDigital WD5000AAKS-00V1A0
(7200rpm 500GBプラッタ 16MBキャッシュ 500GB)x2台RAID0
OS WindowsXP Pro sp3 (x86)
【テストファイル】
c:\test\Windows
c:\test\Program Files
c:\Game
(合計約20GB・ファイル数57,460個・フォルダ数10,641個)
※全部のファイルをスキャン対象にする様に各ソフトのオプションで設定済み。
【注意】
ファイルスキャン速度とCPU使用率のみの比較です。
検出率やその他の機能の比較ではありません。
なお、今回の比較検証は、シェル拡張の右クリック検索で比較していますので、
各ソフトメイン窓からカスタム検索(フォルダ指定)だと結果が変わってくる可能性があります。
IntelのCPUを使っている環境の場合、結果が違う可能性があります。
ご容赦ください。
とりあえず50音順(ローマ字順)で紹介します。
AVG Internet Security 9.0


メイン窓。 スキャン中。


CPU使用率:1回目⇒14分10秒 2回目⇒4分38秒
(このグラフは、上からコア1~4。以下同様。)
無料アンチウイルスソフトの有料セキュリティ版。
CPU使用率はかなり控えめだが、その分スキャン速度が遅い様だ。
しかもスキャンの進捗情報が出てこないので、いつ終わるか分かりにくいが、このCPU使用率からすると効率は良い様に思われる。フルスキャンをかけながらでも、色々なソフトが普通に使えそうだ。
アンチスパム機能は、各種メールソフトに対応している様だ。(Becky!で動作確認済み)
それに関連する機能のうち一部(SPAM学習など)は、マイクロソフト系、Thunderbird、TheBat!にのみ対応。
インストール後の再起動直後、「AVG最適化スキャン」を推奨する窓が現れる。
これを行っておくと、安全と分かっているファイルにスキャンを省略する機能が備わる。
実際には、おそらく、メイン窓から実行するスキャンのみに有効で、C:\Windows C:\Program Files この2つのフォルダがターゲットと思われる。シェル拡張右クリックスキャンでは全く効果がなかった。
Avira Premium Security Suite


メイン窓。 スキャン中。


CPU使用率:1回目⇒6分14秒 2回目⇒6分12秒
かつては無料で最高峰の検出率を誇ったアンチウイルスソフトの有料セキュリティ版。
.zipや.cabなどの圧縮ファイルをスキャンする時のみCPU使用率が跳ね上がるが、使用コアは1つのみの様だ。
このため、マルチコアであればバックグラウンドでスキャニングしてもPCが余裕のパフォーマンスが出せるかと思われる。
進捗状況は%表示のみ。しかし正確なのでおおよそいつ終了するかは分かる。
どういう訳か、設定メニューなどを操作しているとウインドウが不安定になり固まってしまうところがある。残念な事だ。
ESET Smart Security V4.2


メイン窓。 スキャン中。


CPU使用率:1回目⇒8分25秒 2回目⇒8分18秒
アンチスパム機能は、標準だとマイクロソフト系、及び、Thunderbirdに対応。
メールソフトの実行ファイルを直接指定することにより、様々なメールソフトにも柔軟に対応してくれる様である。
添付ファイルのウイルス駆除に関しては、特に設定しなくてもBecky!で動作してくれた。
F-Secure Internet Security 2011


メイン窓。 スキャン中。


CPU使用率:1回目⇒13分28秒 2回目⇒12分50秒
ペアレンタルコントロール機能付きなので、子供がインターネットを使う家庭なら嬉しい。
ファイルスキャン中は、CPU使用率が全コア平均50%以上で推移する。決して軽い訳ではないが、マルチコア対応なのでCPUパワーを生かすことが出来る。。。と考えた方がイイのだろうか?
どういう訳か「閉じる」ボタンが効かない事がある。その場合、各設定窓は[x]ボタンで消すしかない。
アンインストールしても、レジストリやProgramFilesフォルダにゴミを残すらしく、普通にアンインストールしても他のセキュリティソフトがインストールできない原因になる事があるので注意したい。
G Data インターネットセキュリティ 2011


メイン窓。 スキャン中。


CPU使用率:1回目⇒6分10秒 2回目⇒0分43秒
「方式の違うダブルスキャンエンジン搭載で検出率ナンバーワン」と謳うソフト。
マルチコアCPUにネイティブ対応、広く世に知れているソフトなどはホワイトリストにより高速処理が可能。
という、処理の軽さや効率をウリにしている様だ。
が、実際には、ファイルスキャン中はCPU使用率が全コアフルロードに近い。
スキャン中は軽いとは思えないが、処理時間は非常に短い。(画面ショット参照)
つまり、処理時間が短くて済む ⇒ 軽くて快適 という理屈なのだろうか?まぁ悪いことではない。
進捗状況、処理終了予想時間の目安が割と正確なので、いつ終わるか見当がつく。
アンチスパム機能は、特に何も設定しなくてもBecky!でも反応してくれた。添付ウイルスファイルの駆除も確認。様々なメールソフトに対応してくれそうだ。
G Data フィルタリング というペアレンタルコントロール機能がついている。有害サイトから子供を守る必要がある家庭には嬉しい。
Kaspersky Internet Security 2011


メイン窓。 スキャン中。


CPU使用率:1回目⇒5分57秒 2回目⇒0分57秒
一度も触ったことのないアプリやファイルを開こうとする度に、勝手にスキャン(ルートキットスキャン?)が走る様で、何かとレスポンスが悪くなるため、できれば最初に全ドライブフルスキャンをかけておいた方がいい。
Kasperskyインストール後、PCが全体的に重たい事があるのはこのためだと思われる。
パターンファイルアップデートサーバーが比較的重たい。更新に時間がかかりがち。
ファイルスキャン時、終了見込み時間を表示してくれるが、あまり当てにならない。
アンチスパムがマイクロソフト標準ソフトにしか対応していない。
McAfee Internet Security 2011


メイン窓。 スキャン中。


CPU使用率:1回目⇒15分28秒 2回目⇒15分16秒
インストーラのダウンロードは1分程度で完了するが、
実際のインストールには、ネットから本体をダウンロードするため、インストール完了まで3~4分ほどかかる。
しかし、それと同時に最新状態になるため、パターンファイル更新の手間は無い。
インストール時、SpyBotなどがインストールされている場合は削除しないと先に進まない。
アンチスパム機能が、いろいろなメールソフトに対応していて安心。
Norton Internet Security 2011


メイン窓。 スキャン中。


CPU使用率:1回目⇒6分40秒 2回目⇒0分58秒
ダウンロードは数分以内(光回線)、インストール・アンインストールともに1~2分ほどで完了する。殆ど時間がかからない。
インストール完了後、パターンファイルの更新に数分必要。
マルチスレッド対応らしく、手動スキャンに使われるスレッドの数を自動/指定ができる。
ファイルスキャン中に進行状況の分かる情報無し。残り何分くらいで終わるかの目安が全く分からない。
アンチスパムがマイクロソフト系にしか対応していない。
メイン窓は小さい文字のリンク型ボタンが並ぶ。読みづらく感じる人も少なくない・・・かも。
保護者機能(ペアレンタルコントロール)「Norton Online Family」は別コンポーネントのため標準ではインストールされないが、無料でインストール、使用可能・・・かもしれない。未確認。
Spy Sweeper with AntiVirus


メイン窓。 スキャン中。


CPU使用率:1回目⇒12分40秒 2回目⇒10分46秒
試用期間は14日と短め。
ヤマダ電機でPCを買うと、セットアップ有料サービスを希望すると、大抵このソフトをいっしょにオススメされるので、初心者にも安心という事・・・か?
どちらかというとスパイウェア駆除の方に定評があるようで、他のセキュリティソフトとは少々毛色が違う。
マウスで複数のファイルやフォルダを選んで右クリックスキャンが出来ない。(単独フォルダ・ファイルは出来る)
スキャンは若干時間がかかるが、スパイウェア検索も同時に行ってる事を考慮すれば平均的な速度か。
「電子メール添付ファイル」シールド機能を外さないと、添付メールが送受信できない事があるらしいので注意されたし。
ウイルスバスター 2011 クラウド


メイン窓。 スキャン中。


CPU使用率:1回目⇒6分40秒 2回目⇒8分50秒
インストール時、IEのバージョンが古いなどと警告される事があるが、そのままインストールは出来る。
ファイルスキャン時、プログレスバーの進捗%表示が参考にならない。
(15%前後から突然100%となる。)
ファイアウォール機能は、Windows標準のものを独自にチューニングする仕組みらしい。(詳細は分からない(^^;)ルータがある環境なら、この程度のファイアウォール強度でも充分・・・かも? 初期段階ではその機能が有効になっていないため、念のためONにした方が良いと思われる。
クラウド型でありながらも、パターンファイルの更新は行う必要がある様だ。
【まとめ】
ファイルスキャンの1回目と2回目にかかった合計時間で並べ替えました。

【横凡例】 (分かりにくいもののみ)
・VBc:ウイルスバスター2011 クラウド
・SSAV:Spy Sweeper with AntiVirus
【縦凡例】
・1回目:ファイルスキャン1回目を実行したときの所要時間。
・2回目:↑の後、PCを再起動してから同じスキャンを再度実行した時の所要時間。
・PaperMan:オンラインゲーム PaperManの起動。
・パンヤ:オンラインゲーム パンヤの起動。
・ECO:オンラインゲーム エミル・クロニクル・オンラインの起動。
◎ 普通に起動する。設定要らず。
○ 起動時に警告窓が出るが、「許可」又は「信頼」といったボタンを選べば問題なく起動する。
△1 そのままでは起動できない。許可・例外設定で起動可能になる。
△2 そのままでは起動できない。ゲームモードを有効にする必要がある。
△3 そのままでは起動できない。ディープガードを無効にする必要がある。
× 起動できない。全ての機能を切っても改善されない。
【感想】
意外に軽くて速かったのはNortonですね。近年発売されたNorton360の辺りから軽さもウリにしています。過去の実績からしても注目して良いと思います。
Kasperskyは、セキュリティが強すぎる為か、一部のオンラインゲームが全く起動できなくなるという不具合に見舞われる可能性が高いのがとても残念。オンラインゲーマー向けのセキュリティソフトではありません。
ウイルスバスターは、セキュリティソフトの中では先進のクラウド技術を搭載しています。重たさの原因だったシグネチャの殆どをサーバーに置いて集中管理するという仕組みでPCが軽くなるという事なので、こちらも注目ですね。
なお、クラウド技術を搭載しているものは、Kaspersky、Norton360、McAfee、AVG など、いくつかあるようです。軽さに直結しているかどうかは分かりませんでした。
その他にクラウド技術を搭載しているセキュリティソフトは、「KINGSOFT InternetSecurity 2011」もある様です。しかも無料とか。こちらは今回の記事には載せていませんが。。。気になりますね。
最後に。
「速い・軽い」⇒「優秀」とは限りません。
ご承知おきを。
【オマケ】
問題:以下は某セキュリティソフトのインストール中に出てくる窓の一部である。
気になる部分を述べよ。
