先日、今年初めてのtheSoulのライブに行ってきました。一曲目が本当に久しぶりの「ユズリハ」でした。(カッコよかった
)
![音譜](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/038.gif)
ユズリハという木は新しい葉が育ってから落葉する、正月飾りにも使われる葉だそうで。
説明を聞きながら、ある方の事を思い出していました。
阪神大震災をきっかけに被災者支援を始め、各方面のボランティアで活躍され、昨年9月に逝った黒田裕子さんの事です。
「ゆずりは」という名の付く会の代表でもありました。
「死ぬのは怖くないけれど、1月17日を迎えられないのが悔しい」という言葉を遺したそうですが、偶然にもこれを書き始めたのは震災から20年を迎えた昨日の事でした。
黒田さんの事はインターネットを通じてお顔は拝見はしていましたが、昨年の5月、私が会員にもなっている会の総会で初めてお会いしました。
「がん患者だけでなく、遺族に対するサポートも」と訴えた私の言葉を覚えていてくださり、帰り際に「あなたがやったらいいじゃない!」と声をかけてくださいました。
「私にはとてもそんな力はありません…」とお答えしたのですが、強烈な印象で、この言葉がグリーフ・ケアを学び始める大きなきっかけにもなりました。
お元気そうだったので、まさかその4ヶ月後になんて思いもしませんでしたが…。
自分の事は後回しで活動されていて、気がついたら余命1ヶ月の状態でがんが見つかったそうです。
病床を見舞った柳田邦男さんの新聞記事の中で、「人の精神性のいのちは死後も後を生きる人々の心の中で生き続け、それぞれの人生を膨らませる」という意味の「死後生」という言葉を「いい言葉だ」とおっしゃっていたというのが印象的でした。
若い頃に病気されたので、結婚はしなかったと聞きました。
私自身がれんちゃんがいたことで救われ、生きる意味や幸せを見出すことができたという事もあり、「病気などで子供が持てなかった人の生きる意味とは?」と考えていた私に、そのユズリハの様な生き方が答えを与えてくれました。
黒田さんについては、16日にNHKで放送があったそうです。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/207451.html
それぞれ与えられている役割は違うけれど、人はやはり何かを他の人の心に遺すために生きている、そんな気がしました。
黒田さんの様な生き方はとても真似できるものではないし、カウンセラーになろうとか、自分で会を作ろうとか、そんな事も考えてはいませんが、あの一言が遺言の様な気がして、譲ってもらった葉っぱを枯らさない様に育てていかなければならないと思ったのでした。