試合結果
1 Ilia MALININ USA 24 208.15 (116.91 91.24)
Ilia Malinin - "I'm Not A Vampire" free skate - 2025 World Championships
— Ilia Malinin Daily (@TheIliaSociety) March 30, 2025
4F, 4Aq, 4Lz, 4Lo, 2Lz, 4Tq+1Eu+3S, 4S+3A+SEQ
TES: 116.91
PCS: 91.24 (CO: 9.07, PR: 9.29, SK: 9.04)
TSS: 208.15
Total event: 318.56 🥇 pic.twitter.com/9MzM8wZcV3
4F, 4A(q), 4Lz, 4Lo, 2Lz, 4T(q)1Eu3F, 4S3A
あいかわらずなんですか、これ、というジャンプ構成です。さすがに4Aはqがでてますし、5個目のジャンプで3連の予定だったと思われる4Lzは2Lzに抜けました。かわりに三連とした最後から二つ目のジャンプ 4T+1Eu+3Sは最初の4Tがqとなっています。だけど転倒なしで続けるだけで巨大な点がでます。ミスが3つあってもTESは2位より5点以上、上回っています。
今回、PCSが3項目とも9点台。これはどうかなあ、という気はしないでもないです。たとえばSKがジェイソンの9.07につぐ9.04といわれて、すんなり納得するのはむずかしいかな。だけど、全項目、つまらないとか、物足りないところとかはないのでは。氷面を十分に使ってないという気はしません。エッジにしてもスプレッドイーグルなどなかなかだし。曲表現は複雑なものは感じないとはいえ、それなりに形になっていて悪いとはいえますまい。転倒がないと言うことを考えても、8点台の後半は少なくともつくというレベルじゃないでしょうか。
PCSを得点操作に使っているのじゃないか、と思えることは多いのですが、このマリニンについては、関係ないです。
マリニンの3項目は8.5以上はでる演技だと思います。8.5だったとして計算してみましょう。
男子FSの場合、PCSは3項目の合計に3.33かけます。PCSは84.915となり、合計201.825になります。小数点以下3桁の処理方法が覚えていないので、3桁になってしまってますが、許してください。いずれにせよ200点超えるのはまちがいありません。そして200点超えている選手はマリニン以外はいません。
2 Mikhail SHAIDOROV KAZ 22 192.70 (110.17 82.53)
mikhail shaidorov's fs to "moonlight sonata/take on me" at the 2025 world championships
— ☁️ (@moozuru) March 30, 2025
3A+1Eu+4S, 4Lz, 4T, 3Lo, 4T+3T, 3Lz+2A+SEQ, 3Lz
sp: 94.73
fs: 192.70 (110.17+82.53)
total: 287.47 pic.twitter.com/mcyph52IMt
3A+1Eu+4S, 4Lz, 4T, 3Lo, 4T+3T, 3Lz+2A+SEQ, 3Lz
GPSでは今シーズンは中国杯2位、フランス杯4位、さらには4CCで優勝と今年、飛躍をとげた選手がWCでも飛躍し、2位で表彰台にあがりました。おととし、昨年の14位から大きくあがったことになります。冒頭の3A+1Eu+4Sをはじめとして、ジャンプがばんばん決まっていき、爽快なFSだったでしょうか。高さがあって、幅があって、見応えのあるジャンプでした。しかも危なげがまるでありません。一方、すべりと表現はこれからといったところです。切り替えで意識しているのはわかるし、アピールしようとしているのもわかります。だけど、今はまだジャンプ中心です。CO,PRで9点台をつけたジャッジもいますけど、その評価はどうかなあ。CO,SSで7.75をつけたジャッジが2人ずつ、PRは1人が7.75をつけています。
3 Adam SIAO HIM FA FRA 16 188.26 101.72 87.54 -1.00
adam siao him fa's fs to the "dune" soundtrack at the 2025 world championships
— ☁️ (@moozuru) March 30, 2025
4Lz(hd), 4T+3T, 3F, 3A+2A+SEQ, 4T, 4S+1Eu+2S, 3A(F)
sp: 87.22
fs: 188.26 (101.72+87.54)
total: 275.48 pic.twitter.com/JBz1D1W70t
4Lz(hd), 4T+3T, 3F, 3A+2A+SEQ, 4T, 4S+1Eu+2S, 3A(F)
冒頭の4Lzで手をついてしまったものの、転倒はなく、まわりきっていますので、減点は最小限ですんでます。3Aで転倒するまでは高いジャンプをきめていきました。前半はジャンプ専心みたいなところあります。高いジャンプだなあ、でもすべりはどうよ、みたいな反応してます。
だけど、寝転がったあとはバックフリップを含めたアクロバティックな動きがたくさんふくまれた振り付けがとても面白いです。さすがリショーというか。ここまで前衛的というか、実験要素と攻撃的な側面にみちた振り付けをするのは他にいないかなあ。とはいえ、去年までは減点対象だったバックフリップを平気でいれたりしますけど。今シーズンもバックフリップははいっていますが、今シーズンから減点ではなくなっています。
4 Jason BROWN USA 13 180.68 88.37 92.31
Jason Brown at Worlds 2025
— figure skating archive (@skatingarchive) March 27, 2025
SP 84.72#JasonBrown #WorldFigure pic.twitter.com/ojH12vCxGP
3A, 3A(q)2T, 3Lz, 3S, 3F2A2A, 3F3T, 3Lo
引退宣言は見ていませんでしたが、GPSもチャレンジャーもでていませんでしたので、試合でみることはないのだろうと思っていました。今年の全米選手権は見逃してしまったのですが、出場してないんですよね?以下にはNational Championships 2025の記述はありません。ということは出場していないということなんでしょう。過去の実績をくんでWCに送り込んだわけ?
まさかWCでお目にかかるとは思っていなかったので、出場選手をみたときにはびっくりしました。
とびだしたのは、4回転こそないとはいえ、実にクリーンでジェイソンらしい表現に満ちたプログラムでした。ただ1人、ちがう土俵にいるというか(笑)見ることができて実に幸せです。テレビ放送なかったですよね?ぜひごらんください。
5 Junhwan CHA KOR 15 179.33 (93.22 86.11)
junhwan cha's fs to "balada para un loco" at the 2025 world championships
— ☁️ (@moozuru) March 30, 2025
4S, 2T, 3Lz+3Lo, 3A, 3F+1Eu+3S, 3A+2A+SEQ, 3F
sp: 86.41
fs: 179.33 (93.22+86.11)
total: 265.74#차준환 pic.twitter.com/jY6ZX1n9RH
4S, 2T, 3Lz+3Lo, 3A, 3F+1Eu+3S, 3A+2A+SEQ, 3F
テレビのアナウンサーがいうことってテキトーに聞き流すことが多いですが、ジュンファンの演技が終わったときに「技術と音楽の融合、これぞチャ・ジュンファンです」という言葉には全面的に賛成します!音楽が大きく聞こえたような、動きが音にのっているとみえる演技をするスケーターの1人だと思っています。
4Tが2Tに抜けるというミスがありました。だけどそれ以外は大きなミスがなく、なかなかよい演技でした。
ジュンファンの3Lz3Loコンボはもはや代名詞ですし、表現としても面白いものがあります。テンポや角度が明らかに3Tつけたジャンプとちがいます。セカンド3Loはまわりきらず回転不足をとられることが多いです。でも、ジュンファンの場合はセカンドもしっかりまわりきります。
だけど点数を考えるなら4Tか4Sに3Tをつけるほうがいいですねえ...3Lz3Loの基礎点は10.80、4T3Tは13.70、4S3Tは13.90です。3点前後基礎点がちがうのは大きいです。4回転コンボが苦手なのでこの構成にしているんでしょう。
6 Shun SATO JPN 20 179.30 98.39 81.91 -1.00
shun sato's fs to "nostos/la pieta" at the 2025 world championships
— ☁️ (@moozuru) March 30, 2025
4Lz, 4F, 4T+3T, 4T(so,hd), 3A+1Eu+3S, 3A+2A+SEQ, 3Lo
sp: 91.26
fs: 179.30 (98.39+81.91)
total: 270.56#佐藤駿 pic.twitter.com/sC0Pv2TyBx
4Lz, 4F, 4T+3T, 4T(so,hd), 3A+1Eu+3S, 3A+2A+SEQ, 3Lo
緊張してたんでしょうねえ...それでなくても力をいれてみますから、緊張して画面に向かうことになるんですが、駿君の顔をみてよけいこわばってしまったかも(笑)
緊張感たっぷりでありながら、攻めたFSでした。冒頭の4Lzはいいできでした。4Fはeがつきマイナス。LzとFをそろえるのはやはりむずかしいということでしょう。4T3Tはしっかりとびました。なんとかジャンプはそろえるのか?と思ったとたんに、4Tで転倒がありました。あああ。
だけどしっかりたちなおり、3A+1Eu+3S、3A+2A+SEQ、最後の3LoとしっかりとGOEでプラスをもらいました。
FCSp、CCoSpのスピン、ステップシーケンスのレベルを3におとしたのがもったいなかったです。だけどすべてが気迫をかんじるものでしたし、コレオもなかなかよかったですよね?
終了時点でガッツポーズでましたけど、そりゃそうでしょう。いい演技でした。
今後はPCSをあげていくことが課題なのはまちがいありますまい。
それにしてもステップとスピンのレベルの勉強せねば...何が問題だったのかわかるようになりたいものです。解説動画もあるんですけど、毎年、微妙に変わっているような気がします。でも、これを基本に覚えたらいいのかしら。
解説動画 フィギュアスケート スピンでレベル4を取るには
これを知っていればフィギュアスケートが100倍楽しくなる!織田信成のスピンレベル解説
解説】コンビネーションスピンレベル解説#フィギュアスケート #解説 #figureskating #shorts
7 Kevin AYMOZ FRA 21 178.89 88.51 90.38
Kevin Aymoz at Worlds 2025
— figure skating archive (@skatingarchive) March 27, 2025
SP 93.63#KevinAymoz #WorldFigure pic.twitter.com/JXO886LASx
冒頭の4Tがかたむいてひやっとしましたがこらえてなんとかコンボをつけました。次のジャンプにはいるまでの動きに目が吸い寄せられます。そう、ミスはあるのです。だけどそのミスを帳消しにしたくなるような魅力的な要素がたくさんあります。プロトコル面白いですよ。ジャンプ項目などマイナスになってるものが3つあります。だけど、PCSでCOとPRが9点台です。SSにしたって8.89だから、いつオール9点台になっても不思議はありますまい。いえ、確認しないと断言できませんが、もうだしているのかも。ステップシーケンスはレベルは落としている一方で高いGOEがついてます。
8 Nika EGADZE GEO 19 172.64 94.62 78.02
Nika Egadze at Worlds 2025
— figure skating archive (@skatingarchive) March 27, 2025
SP 90.39#NikaEgadze #WorldFigure pic.twitter.com/niBcpowybf
4T(耐), 4S3T, 4S, 3A2A, 3A(ターン), 3F1Eu3S, 3Lz
合計点、FSでPBでました!2023年のWCの29位、2024年の13位から大きく順位をあげ、9位となりました。欧州選手権でも2年続いた7位から今シーズンは4位になったことからもわかる通り、飛躍の年だったわけですね。GPSでもスケアメ、中国杯ともに4位でもう少しで表彰台でした。来シーズンはもう一歩伸びてくるかもしれません。まだまだこぎが多いとかジャンプが流れないとか問題はあるものの、要注目選手の1人です。エテリの生徒なんですねえ。
9 Deniss VASILJEVS LAT 9 172.27 86.29 85.98
deniss vasiljevs — la bayadere
— @xiangyism (@rikakihiramedia) March 29, 2025
world championships 2025 pic.twitter.com/lk1K9hymp6
4S<, 4Lz3T, 3A2A, 3F, 3A<, 3Lz1Eu3S, 3Lo
おお、ラトデニ君、合計点、FSともにSBでました!とはいえ、3年前に欧州選手権でPBは272.08、FSは181.84だしているんです。4S、3Aと回転不足はあったものの、転倒がなかったのがよかったんでしょう。回転不足はあっても、マイナスをつけなかったジャッジもいます。
だけどラトデニ君でみたいのはジャンプよりもスピンとかステップですよね!ある程度ジャンプが終わってスピンがはじまると身をのりだしてみてしまいます(笑)今回もスピンはすべてすてきでした。ステップシーケンスはレベル2です。つまり、レベル4(複雑)とみなされるには11個以上、難しいターンやステップの数が必要ですが、レベル2(やや多様)だとその数は7個以上、9個未満になります。振り付けの段階では11個以上にしているはずですから、認定されなかったステップがあったということです。だけど、GOEは2人が5、2人が4をつけています。残り5人はすべて3。レベルは2なんだけど、半分近くのジャッジが5や4とみなしているというのは面白い結果かもしれません。コレオは問題なく高い評価といってよく、5が4名、4が2名、3が3名の5,07となっています。ジェイソン(5.95)、マリニン(5.50)、エイモズ(5.36)につぎ、シャオヒムファとは5.07で同点です。
10 Yuma KAGIYAMA JPN 23 171.10 (84.45 87.65 -1.00)
Yuma Kagiyama at Worlds 2025
— figure skating archive (@skatingarchive) March 27, 2025
SP 107.09#YumaKagiyama #WorldFigure pic.twitter.com/qeVmBx5KBN
2F, 4S(ステップアウト), 4T2T, 3A1Eu3S, 4T(q,f), 3A, 3F1T
びっくりしました。ここまで崩れた鍵山君ってみたことあったかなあ?冒頭の4Fはまだまだ完成度が低いはずで、2Fになってしまったのはしかたないかもしれません。問題は実に安定している4Sにミスがでて、4Tが転倒してしまったこと。最後のジャンプ3F1Tは3F3Tの予定だったはず。また、3本目のコンボも4T2Tでなく4T3Tだったはずです。つまり明らかなジャンプミスが3つ、予定よりレベルを落として飛んだジャンプが2つとジャンプで点を大きく落としました。相当緊張していたということなのでしょう。
滑りと表現は、いつもより悪かったとは思いません。自分好みドンピシャということがないせいか、夢中になってみることはないとはいえ、ジャッジがWCのSPで9点台をつけたいと思うところまであげてきたのでしょう。昨シーズンからついているカロリーナ・コストナーの指導がいいということにちがいない、という考えがキスアンドクライでカロリーナの姿を見ると頭をよぎります。
だけどジャンプミスがあるとPCSも下がる、というのが現在のフィギュアの点数の付き方です。鍵山君はジャンプ減点がなかったNHK杯ではSPでCO 9.18,PR 9.29,SK 9.25ですが、4Sで転倒があったGPFではCO 8.82、PR 8.64、SK 8.93となっています。
今回も、9点台でそろえたSP(CO 9.36、PR 9.36、SK 9.46)に対して、ジャンプミスがたくさんでたFSはCO 8.82、PR8.57、SK8.93となりました。他の選手とくらべたら高いですけどね。
それでもSPで、107.09と3位のシャイドロフより12.32点高かったため、総合では3位と表彰台に加わりました。そして鍵山君、駿君の成績のおかげで日本は3枠を獲得しました。