SP結果
1. イリア・マリニン (USA) 110.41
2. 鍵山優真 (JPN) 107.09
3. ミハイル・シャイドロフ (KAZ) 94.77
4. ケヴィン・エイモズ (FRA) 93.63
5. 佐藤駿 (JPN) 91.26
6. ニカ・エガゼ (GEO) 90.39
7. ニコライ・メモラ (ITA) 87.89
8. アンドリュー・トルガシェフ (USA) 87.27
SP詳細結果
SPプロトコル
ミスが多かったです。そういう競技だといってしまえばそれまでですが、Deductionで-1となってなくても、レベルを落としたり、コンボのセカンドジャンプが3回転から2回転にぬけたりなどなどいろいろな問題から逃れられたスケーターは一人もいませんでした。100点越えをはたした1,2位でさえ。
1 Ilia MALININ USA 38 110.(41 64.21 46.20)
Ilia Malinin at Worlds 2025
— figure skating archive (@skatingarchive) March 27, 2025
SP 110.41#IliaMalinin #WorldFigure pic.twitter.com/l1QjsY7KT1
4F 3A /4Lz3T
ジャンプはあいかわらず安定しているし、美しいです。今夏は特に4Fがとてもよいできでした。エッジを含むふみきりも、前後もよいできですが、とくにすごいのは空中かな。なんでこんなにきれいによどみなく回れるのか。
今やスケーティングや表現もかなりのレベルといってまちがいありますまい。2:31あたりのアクロバティックな動きも目をひきますけど、なにげないところで見てしまう部分が増えました。PRは9点台でて何の異論もありません。COもジャンプミスがでないかぎり、9点台にのるかなあ。シェイリーンが意図している氷/空間の使い方や音楽との関係などなどがほぼほぼできているのじゃないか、と思えるところがあります。ステップシーケンスはかなりよいとはいえ、スケーティングはもう少し伸びしろがあるのでは。
このSPで一番の問題点はスピンでしょう。レベル3にとどまったFSSpをはじめとして、なんだかあぶなっかしくありません?マイナスになるようなものではないですけど。
2 Yuma KAGIYAMA JPN 39 107.09 (60.03 47.06)
Yuma Kagiyama at Worlds 2025
— figure skating archive (@skatingarchive) March 27, 2025
SP 107.09#YumaKagiyama #WorldFigure pic.twitter.com/qeVmBx5KBN
4T+3T 4S 3A
鍵山くんも安定しています。ここにきて自己ベストがでました。
4Sあれだけ空中でいがんだのに、するっとおりてくるっていったい(笑)他のジャンプは問題なく、スピンもきっちりまわりました。
そうですね、PCSが参加選手中一番高いのもそうなるんでしょう。ブログ主の好みはともかくとして、鍵山くんのスケーティングが評価されるのはわかります。なんというか、氷とケンカしないすべりですよね?膝などでうまくコントロールして、一蹴りですーっとのびていって安定してます。COやPRで評価がでるのもわかります。
とはいえ、北京オリンピックシーズンに急にPCSがあがったじゃないですか。そのときに、ここまでだすか?なんて勘ぐってしまったのです。
非常に残念なのですが、ISUはPCSなどプロトコルの操作をやってるんじゃないかと疑ってしまうことあります。たとえばネイサン・チェン。転倒こそしなかったものの、ステップシーケンスで明らかにつまずいて、本人が苦笑しているのに、レベル4のみならず、ジャッジ全員が5をつけました。見た角度の問題なの???
とはいえ、鍵山くんの場合、今のPCSはまずまず妥当といっていいのでしょう。北京シーズンとくらべても伸びているのはまちがいありますまい。わりあいジャッジ間のばらつきも前からない選手なのは、スケーターにとっては理想といえる要素がきっちりとあるということなのか?なんて思いつつみてます。
示し合わせて高得点をつけているのでは、なんて疑いがなくなっているのは、評価のばらつきがかんじられる PRは少なくとも今回は上は9.75が2名いますが、9.50 2名、9.25 3名、9.00 1名、8.75 1名と ばらついています。しめしあわせたらこんな風にはなりますまい。
全体でそつなく表現しています。だけどそれに対するジャッジの反応がこれほど大きく異なるのは面白くないですか?マリニンはオール9点台ですので。GOEの計算では最高点と最低点は除外しますから、8,75が一人いても関係はないといえば関係ないのだけど。個人的には、しっかり表現を練習して本番でもやっているのだな、と評価はするものの、なんていうんでしょ、努力に対する評価というか... 芸術的要素ってそういうのじゃないですよね?のせられてひきこまれるところやら、思わず見とれてしまう/見てしまうところや、気持ちが動くところがあるはず。でもそういうのはかんじないのです。自分がジャッジなら9つけるかなあ?9点台なら、そういう要素があってほしいと思っていますので。とはいえ、こういう評価するのは、たぶん、単なる好みの問題なのでしょう。
マリニンとの差は実質、ジャンプの基礎点のちがいですね。となると、FSでもm安定して4Lzやら4Fを跳んでくるマリニンに対して、鍵山くんがどういう構成を決めることができるか、が焦点になるはず。
3 Mikhail SHAIDOROV KAZ 35 94.77 (54.15 40.62)
Mikhail Shaidorov at Worlds 2025
— figure skating archive (@skatingarchive) March 27, 2025
SP 94.77#MikhailShaidorov #WorldFigure pic.twitter.com/7mHMN0PEKa
4Lz+3T 3A 4T
正直、びっくりしました。スモールメダルですか。
なんといっても冒頭のコンボですね。解説がUnbelievableといったのも納得です。非常にきれいにとびました。3A、片手ついてしまいました。マイナスは免れますまい。4T、きれいですねえ。3Aをのぞいてジャンプが非常によかったです。
滑りは悪くはないけど、とくによくもないというところでしょうか。ステップシーケンスはけっこう面白い要素がはいっているでしょうか。ということは今後、伸びる可能性はあるということかな。あと、ステップシーケンスではそれまで薄味だった表現が一気にきた、というところもありました。
表現はジャンプの場面では薄味にはなりますが、全く放棄してしまっているというほどでもありません。ジャンプの安定感がませば表現をあげてくるというのもありえるのかも。
スピンは最初のFCSpは問題がありました。最初はきれいにポーズをとったかと思ったけど、回転は遅いし形も崩れてきています。レベルも3止まりです。だけど終盤のCSSp、CCoSpは必見、というほどではないとはいえ、悪くないできでした。
4 Kevin AYMOZ FRA 32 93.63 (48.54 45.09)
Kevin Aymoz at Worlds 2025
— figure skating archive (@skatingarchive) March 27, 2025
SP 93.63#KevinAymoz #WorldFigure pic.twitter.com/JXO886LASx
4Tq+3T 3A 3Lz
表現巧者って最初の出だしの腕だけでも何かを表現できるんですねえ。全体的に腕の使い方で訴えてくるプログラムだったでしょうか。スピンのときもおもしろい使い方しているところありました。ケヴィンはいつもそう、といえばそれまでですけど。
そう、PRが評価されるのってわかります。ジャンプミスがあれば、9点台のPCSってまずありえないんですけど、PRで9.25とってます。
その分、SSを落としたのかなあ???最後のステップシーケンスはよいできでして、GOEが4が3人、5が6人と高い評価を受けているのですがSSは8.79です。
ジャンプは冒頭のコンボで、4Tが回転しきれず、ひやっとしました。よく3Tをつけることができたものです。あとは問題なかったですね。
5 Shun SATO JPN 36 91.26 (48.98 42.28 )
あああ、コンボ後半が3回転でなく2回転に https://t.co/Dit9YC4D4b
— りた (@C0Fzwu6hnKglnQV) March 27, 2025
4Lz 4T2T 3A
冒頭にうつった表情をみて、緊張感が伝わってきて思わず硬くなってしまいました^^;
冒頭の4Lz、きっちりきめました。氷も広くつかっています。うん、緊張していてもなかなかいいスタート、と思ったところにコンボ。4Tの空中まではよかったのです。が着氷で前屈みになって手がつき、予定の3Tがつけられず、2Tになってしまいました。あああ...コンボにできたのはよかったですけれど。ここも得点源にしたかっただけに非常にもったいなかったです。3Aはきれいにとびました。
コンボ以外の問題はスピンやステップシーケンスでレベルを落としてしまったこと。もったいなかったですね。表現としてみるならば、レベル2になってしまったステップシーケンスなどなかなか面白いところがあります。感受性は強いのだろう、と推測できるものです。得点には反映されないとはいえPRに9.00つけたジャッジもいます。
やはり相当緊張をしていたようで、次のようなインタビューがありました。
佐藤駿「もうやるしかない」極限の緊張乗り越えSP5位スタート