ものすごく間があいてしまいました。
あきれられそうな気がしないでもないですが
書いちゃいます
II. バレエはやっていないけど、所作が美しく、表現力があるスケーターがいるというのはどういうことなのか
について書いてみたいと思います。
バレエをやっている=所作が美しい可能性が高い
という図式はあるとしても、
バレエをやっている=所作が美しい
と必ずしもなるわけではない、というのをこれまでに書いてきたつもりです。
バレエは身体の使い方を追求して、音楽にのって身体の動きで感情やら情緒やらをあらわす技術/芸術の一つで、
経験者や愛好者がかなりいるため、幅広く理解されやすく
フィギュアスケートはバレエからきた動きも多いため、
バレエをやらされるフィギュアスケーターは多いようにみえます。
実際、習っていると得なことは多いでしょう。
とくに、バレエでもつかいそうなクラシックやらゆったりした曲で振り付けをもらった場合、迷うところが少ないのじゃないでしょうか。ちょっとした目線のつけかたとか、身体と肘の位置関係とか。なにせバレエの動きには、いろんな人が研究を重ねてたどりついた型がバックにあるわけです。
さらには、氷上で、フィギュアスケートにとりいれる場合は、どういうバランス、どういうタイミングでやればいいのか、ある程度研究もできています。10の効果をだそうとしたら、0から考えなくてもよくて、5とか6とかまではこうやったらよいというのが、検討がついたりするのじゃないでしょうか。
だから、とくになにも考えなくても、バレエのレッスンで教え込まれている型にあてはめてやったら、少なくともダメとはいわれないのではないかと。場合によっては、いいね、という反応を振付家や先生からもらえるかもしれません。
だけど、曲にもよりますよね?
たとえばオリンピックの新競技ブレイキンで使うようなヒップホップなど。あれだとならバレエの型じゃないほうがいいのはまちがいありますまい。
問題はブレイキンを全面的に氷上でやるのは無謀にしか思えないことですね(笑)
無謀とよぶのはご理解いただけるかと。あのはやい身体の隅々を地面に接触させるアクロバティックな動きが氷上でくりひろげられることは...たぶん、ないですよね?危険をとおりこしてナンセンスな気もする...氷ってすべって移動するものなのに、地面みたいに一カ所だけ接触させてスピーディーにうごくと様子がうかばないです。自分の貧困な想像力では。
とはいえ、一部をとりいれることはできるはず。ただ、心引かれるものをみるまで、それまでにけっこう時間がかかるのじゃないの?なんて思ってしまう。
既存のものをベースにして動きをつくるのにエネルギーが1いるとしたら、
ないところから、新たな動きをつくりだすエネルギーって、その数倍、もしかしたら10いるのじゃないかと。
とはいえ、
すべてがブレイキンのようなものではなく、一部の動きをわりあい手軽に取り入れるダンスもあるはずです。だから、そういったダンスがうまいスケーターが振り付けにとりいれる場合は表現として効果的だろうし、おそらく所作もよい、という評価がでるはずです。所作がよくなるのはバレエだけではありますまい。
ブレイキンを「所作」とはいわないかもしれませんけど、出場者の動き、面白くて、しかもすばらしくきれいじゃなかったですか?たとえば金メダリストのAMI(湯浅亜実さん)。ヒップホップの影響を受けてるのか?という気はしないでもなかったです。でも、バレエの影響はたぶんほとんどないように見えました。
ダンスで所作が美しい=バレエをやっている、じゃないという単純な図式はないなあとつくづく思ったのものでした。
同じことがフィギュアスケートにもいえるのじゃないかと。
フィギュアスケートとしての基礎がきっちりあって、音楽を表現しようという意思があり、観察眼があって練習をつんでいるのであれば、美しい所作をもつ表現力のあるスケーターになるのじゃないかと。
もちろん、バレエの基礎があれば、その分、得することはあるでしょう。
だけどバレエ経験がなくても、クラシックバレエ的な振り付けですばらしいフィギュア作品はこれまでにもいろいろありましたよね?スケートとして感動的であったり、スケーターのもつエネルギーなど、そのほかの要素に心打たれたり...
そういうことじゃないかとおもうんですよね。割合としては必ずしも高くないかもしれませんが。
