予感はありました。

 

昨シーズンのコメントは引退をにおわせるようなものがありました。

 

先日は所属プロを変更しました。

 

いや、そもそも、昨シーズンのプログラムはあの競技プロといえるものじゃありませんでしたよね。SP、FSともに曲も振り付けも非常にアーティスティックでした。特にランビが振り付けたSPはいいと思います!冒頭からどきりとするではありませんか。そこに無音の時間があって、そのあと、え?月の光なんて、こんなクラシック続くの?という曲がつづいていきます。WCのをのせてしまいましょう。

 

 

 

見れば見るほど、独特の選手だなと。技術的にも、表現的にも、です。

 

そもそも山田組だったというのが大きいのかなあ。

 

あそこの選手は山下真瑚ちゃんあたりになるまでそろいもそろってLzが苦手なことでわかるように、技術指導がどうも怪しいような気がします。みどりさん、真央ちゃん、昌磨君などなど有力選手を輩出したところでもあるのですけど、山田組はルッツのエッジ以外にも、プレロテ、ぐり降りがあるんですよね。真央ちゃん、昌磨君を考えると納得されるのでは。

 

それから昌磨君の場合、トウの付き方が気になります。あれだけブレードべったりっていうのは、ケガしそうにみえませんか。それから昌磨君のループはループにみえない... もっとも山田組は必ずしもループが苦手ではありますまい。セカンドループ跳べる人をループがおかしいとは言えないような。真央ちゃんのループは回転不足もありましたが、ループの特徴ともいえる、シュッ、パッという感触がありました。この感触がないとループとはいえまいと思い込んでおります。

 

2013年の全日本でフリーの最終Gに残ったものの、ただ一人、4回転はもちろん3Aも飛べませんでしたからね。ジャンプが苦手で順位をあげられない、どうしたらとべるか、ばかり考えて練習した結果、プレロ、グリオリ、トウとはいえないトウが身に染みてしまったのでしょう。

 

昌磨君は、滑りも癖があります。よくけがをしないなあと思うエッジの使い方にみえます。いや、そもそも、ケガの影響なのかもしれません。あるいはよくない癖を子どもの時につけてしまったのかなあ。

 

スケーティング巧者のランビが直そうとはしなかったというのには興味深いものがあります。ラトデニ君など、ランビの弟子以外のなにものでもないような表現、滑りしてますでしょ。あれでジャンプが飛べれば、なんておもってしまいます。高志郎君にしても、ともにそうだろうと思わせるものありますし。

 

最も表現は影響を受けたのでしょう。

 

単純なところでいうと、

 

本人も口にしていた極端なまでの右手重視はランビがコーチになってから、少しマシになったと思うんですよね。左を使うように振り付けたり、指導もしたのじゃないかな。ほかにも前にはなかったニュアンスがくわわったのじゃないかと

 

だけどフィギュアの土台であるスケーティングはなおそうとしなかった、というのは、直せば滑れなくなるのを見抜いていたからじゃなかろうか、なんて思わないでも...

 

とはいえ、

 

技術上には問題が見えても、滑りを楽しみにしていた選手だったのはまちがいありません。いろんな意味で無二じゃないかと。エッジは不思議でしかないときがありますが、あの独特の重心のもつ動きには惹かれずにいられません。あれ、なんでしょう。あの感触は他では見られないものです。体格が大いに関係するのかなあ?いや、鍵山君やら中田君やらも小柄ですが、まったくちがいます。

 

 

表現もいつも面白がってみてしまいます。中田 璃士君のようにあこがれていると口にだし、似た表現をしている選手はいるとはいえ、オリジナルのもつ力はやはり大きいです。説得力がちがいます。

 

昌磨君が高橋大輔君が好きというのはよくわかります、でも、さらにエッジーというか、とがったところがあるというか。

 

ランビエールが「私に多くのインスピレーションを与えてくれた。君のそばで学んだ全てに深く感謝している」と言っているのは納得なのです。

 

正統派とはまったくいえませんが、唯一無二の感触/個性をたのしませてくれる選手の一人でした。おそらく今後も、機会があれば滑りを見るのでしょう。

 

思えば2009年の全日本のエキシビションで初めて見た時から注目していました。うわ、もう14年半も前のことですか。小さい妙に雰囲気のある子がでてきて滑ったのでびっくりしたのを鮮明におぼえてます。

 

14日のインタビューのあとまた書くかもしれませんが、今日はこのあたりにして、最後にそのエキシビションの演技をのせておきます。滑りを見えなくしてしまうコメントがうっとうしいときはShift+cで見てくださいまし。