画像

 

FD詳細結果

FDプロトコル

 

VPNをご利用なら、以下でみることができます。

 

 

 

1 Piper GILLES / Paul POIRIER CAN 20 133.17 (75.25 57.92)


 

日本でも見られる動画はっておきます。見ないと損です!

地元の期待を集め、歓声に見送られた最終滑走でした。このプロ、秋にみたときからお気に入りです。普段のパイポーの雰囲気とはちょっとちがうでしょうか。坂本龍一の曲にのって、原作を彷彿とさせる世界をみせてくれます。

スターティングポジションからして変わってます。氷に片膝をつくパイパーの右手をポールが左手で握っている。右手は自分の背中の後にまわしている。音楽のはじまりとともに二人とも顔をあげ、手をにぎりあったままパイパーが左に身体を動かして。見つめ合って旋回がはじまり二人とも立つ、そのときには空いていた片手どおしがにぎりあっている、というもの。そしてつないだ腕をクロスさせて三度、相手と違う側に首を振った後、パイパーが頭をさげてつないでいた腕をほどいて去ろうとする。その後をポールが追いかけて、という意味ありげな動きではじまります。それが妙に耳に残る音楽とともにやるわけです。心がざわつくというか、なんて嵐が丘らしいんだろうというか...

そこからワンフットがはじまります。レベルはW3、M2ととりきれていないのだけど、GOEはかなり高いです。そのあとにSlLi、RoLiと濃密に続きます。また目をあわせそうであわせないという。その後のChStも意味ありげ。

そこへ音楽がかわりまして、それにのってギュルギュルとツイズルがはじまります。かなり近い距離を保ってるのに視線はあまりあわせようとしないという。このあたりになるとキャサリンがもがいているということになるのかしら?

で、ダイアゴナルステップが音楽とあいまって、目をひきます。これもレベルはとりこぼしているのだけど、それがなに、というかんじ。CuLi、入りにも出にも工夫があり、リフトの間の二人の姿勢もきれいです。

次のコレオリフトあたりからかんじがかわっていきます。なにか突き抜けるようなところがあって。パイパーの表情がなんだか明るい。ポジションチェンジもうまくいきました。

 

そこにたたみかけるようにChHy(コレオグラフィックハイドロブレーディング)がくるのですが、この効果のすばらしいこと。向き合って、ポールがハイパーの身体をささえる形で二人同時にハイドロをやるわけですが、これはハイライトでしょうか。魂の奥深くで結びついているにもかかわらず、目をあわせることさえ避けていたように思える二人が、一体となってすべっていく。小説の中でキャサリンの ”I am Heathcliff” (私はヒースクリフ)"というセリフを思い出さずにはいられません。

 

最後のポーズ。動画の写真のところにのっているものです。見つめあっておわりますが、インパクトありまくり。このポーズも分かちがたい一体化をあらわしているといえないこともないでしょう。それはいいとしてもあの表情はいったい?単純なハッピーエンドではないような... そういえば原作も

 

いまさらですが、坂本龍一ってすごい作曲家だと。そして世界十大小説や世界三大悲劇に選ばれる原作のエッセンスの一部をここまでだしてくれた振り付けと演者に敬意を払いたいです。

PBでした。当然のできじゃないかしら。

 



2 Madison CHOCK / Evan BATES USA 18 132.12 (73.76 58.36)   3:08
この組のスケーティング能力は6分間練習では頭一つぬけているかも、なんて思って見てました。膝の使い方がうまくて、進み方がひときわ凄かったのです。最終グループ5組は、強者揃いなんですけどね。

ベイツが下、マディソンが上になった氷で斜めになるという変わったポーズからはじまります。寝起きかと思いや、腕の動かし方がおかしいので日常の風景じゃないのだというのが即わかるというしかけ。かわったこといっぱいやってますねえ。ステーショナリーリフトもなにやら風変わりだし。が、このステーショナリーでレベルを落としてしまったのがFD2位に終わった原因なのかもしれません。ツイズルの腕の使い方もちょっとかわっていて、まわりにくいのじゃなかろうかなんて思ってしまう。ダンススピン、最後のコレオリフトにしてもひと味ちがったものを模索しています。うん、ユニークなプログラムです。

3 Charlene GUIGNARD / Marco FABBRI ITA 19 129.00 (71.58 57.42)  3:16

RDとちがい、シャルレーヌのほうはクラシカルなドレスで登場します。とはいえファブリもクラシカルというものではないというのが面白いところ。いろいろな映画のサウンドトラックをくみあわせてあります。作曲者もまったくちがう。

意味ありげな音でのはじまり。ChAJという昨シーズン新設されたコレオグラフィックアシステッドジャンプムーブメントです。連続して3回ジャンプ(1回半以下で3秒以内)を実行するというもの。二人の身長差があまりないというのがこの動きの中でもわかります。で、それを逆に活用するかのように女性の足の下を男性が通ったり。ツイズルはきれいにきまりました。DSpはいつみてもびっくりしてしまいます。男性の肩に手を回した女性を逆さにかかえるという...解説はWorking hardなんていってる(笑)男女の身長差があまりないときの振り付けの工夫がいろいろつまっている組だなあとあらためて思ってしまいます。あらら、スピンの途中でスカートがスケート靴にひっかかってしまいました。ミスはでなかったし、怪我もなくてよかった。

4 Lilah FEAR / Lewis GIBSON GBR 17 126.32 (70.68 55.64)  3:00
ふふふ、エンタテイナーって解説が紹介していました。まさにそういうプログラムをずっとやってくれる楽しい組ですが、とりわけ今年のロッキーは好きにならずにいられましょうか。ここも次のチャンピオンを狙っているはず。その資格は十分にありますし。

実によく練ったエンタテイメントです。NHK杯で優勝したので見られた方は多いのでは。オープニングからいきなりワンフット。ツイズルをしながら縄跳びの動作をいれたりするのには口元がゆるんでしまいます。ふうん、このダイアゴナルでレベル2なんだ... 曲のきりかえとともにダンススピンにはいります。しっとりした滑りをはさんでカーブリフトからまた曲がかわってローリングリフトへ。

がんがん力技をみせてくれたあとのコレオステップがいいんです。個人的にはここが一番のみどころ。ボクシングの振りやら縄跳びがはいるばかりか、ルイスが腕立て伏せまでしてくれます。最後のステーショナリーも、肩車で勝利を飾るのを思わせるもので、ライラのガッツポーズで終わるという。あ~今日も楽しかった!PRはもっとあげてくださってもいいんだけど、なんて思ってしまいました。

それにしてもキスクラのデュプレイユ、あいかわらずお美しいですが、少し丸みをおびてきたかな。
5 Marjorie LAJOIE / Zachary LAGHA CAN 16 125.71 (71.15 54.56) 2:52ぐらい
最終グループの中で一番若い組です。JWCでも優勝しています。ここは次世代のチャンピオンになっておかしくないところ。マイケル・ジャクソンを使ったRDではPBをだしたのでFDも期待できそう、と思ってみました。カナダのピアニストの曲です。女性がバラで男性は葉なのか?なんて想像してますが全然ちがうかも。ストレートラインリフト(SiLi)かっちりきめました。ワンフット、この一蹴りの雄大さ、いいなあ。ツイズル、回転はきっちりしています。だけどここまでできるならあと少し、という思いがわいてくるのはなぜ?(笑)最後の最後で女子がちょっとくずれてみえたせいかしら。全体的に淡々として盛り上がりが少ない難しい曲だと思うんです。でもここ、ベーシックなスケーティングスキルがあるんでしょう。なかなか雄大にダイナミックにすべってくれて飽きさせません。ローリングリフト、男性が片足になり、女性がその足にふれるなんて振り付けもあり、おおいにもりあがります。FDでもPBです。やったあ。

どうでもいいけど、マジョリーが6分間に一人ですべっていたのを見てにこにこしていた私。このスケーティングするシングルのカナダ女子が今はいないのです。そこそこジャンプが安定すれば、WCで表彰台にまちがいなくあがるんですけど。でもアイスダンスにはいますよ!しかもまだ23歳。これから長く楽しめそうです。