前半しか見ることができなかったので、今日は、コラボ作品だけとりあげます。ううう、予定などキャンセルして見ればよかった(/_;) 見逃しは11日から一週間だけなんですよね。

いったいどんなコラボになるのか想像できなかったんです。昨年の内村さんとのコラボはなんとなく想像がついてたんです。陸と氷の動きのコラボだろうと。実際そうで、たいへん満足しました。

今回はよくわかりませんでした。不思議な組み合わせにみえて。真央さんが歌うのかなあ、とかわけのわからないことを考えてました。

いやいや、そうではありませんでした。あとで歌ったみたいですが。

 

で、なぜ真央さんでなければならなかったのか納得。

もっとも、曲がカルミナ・ブラーナと聞いたときは、はあ!?でした。まさか、の選曲に思えたのです。

が、こうきましたか驚き

記憶が正しければ最初に登場したのは真央さん。舞台上の真央さんは明らかに女神か女王。王冠と黒のマント(というより上着?)をつけた迫力のドレス姿。たしかおつき二人を従えてでてきたはず。スモークもたいてましたよね。あやしい記憶によると、ですが。

それからライトが消えて羽生君が氷上に登場。Primo Veraですべる姿の美しいこと。なんともいえない透明感にあふれた無邪気な存在といったところ。見ていて口元がゆるんできているところに、大型スクリーンがうつるとそこには金色のバラ。

 

 

その後、真央さんの再登場で曲がかわると、例のカルミナ・ブラーナのメロディーが流れてきます。例のO Fortunaですね。

で、その存在によって無邪気にすべっていた羽生君に変化がでてきます。あー、運命の女神に翻弄されるんだ。世の中の荒波をうけてもがくのね。

このときの色の対比、静と動の対比にぞくぞくしませんでした?

そう、今回のコラボは、静と動の対比といっていいものだったのじゃないかなあ。氷を自由にかけめぐるみずみずしい存在(Primo Roseの存在というか)は、動の存在ともいいかえることができる。

一方、運命の女神は、舞台に立って少し身体を動かすだけで、その動を支配してしまう静の存在でしょ。

そこに対比は成り立つはず。

 

それから重さと軽さの対比。舞台上の真央さんは長く、重そうな衣装を身につけています。威厳たっぷりでゴージャスですが、伸縮性はあまりなさそう。一方、氷上の羽生君はひらひらと軽そうな衣装。いかにも動きやすそうです。きれいですけど、女神の衣装とくらべて威厳はありません。暗い色と白っぽい色の対比もありますよね。

 

いろんな対比をつけてあります。

だけど、いかに豪華な衣装を着ようが、女神は舞台で大きな動きをみせないわけじゃないですか。一方、支配されている側は氷上をかけまわるわけです。氷上にどうしても目がいきやすい。いや、目はいってもいいのだけど、舞台上の存在をわすれてしまうなんて状況すらうまれかねません。

だって、それでは、この演目自体がなりたちません。

 

支配する女神と支配される人間という基本の構図がそもそも、成り立たないわけでしょ?

 

だから、たとえ目はいかなくても、無言の圧力をかけられるよう存在感のある人を起用する必要があったわけです。羽根をしょって大階段を降りてきていたトップスターで、宝塚殿堂入り100人の一人、そして退団後も舞台で主役をはってきた真央さんはまさに適役でした。

打ち合わせをして演目を決めたのか、カルミナ・ブラーナを使った演目にするという大枠を決めてから、コラボのパートナーを選んだのか、どちらだったのかはわかりませんけど。

でも、黒の女神に人間が支配される、では終わらなかったのがまた憎いところです。

 

 

もがいていた羽生君が舞台にむかって走り出すと、そこには光り輝く舞台の中に白のドレスに衣装替えした光の女神がいて、二人で光の中でポーズして終わります。

つまり、運命そのものに立ち向かった人間は、いったんふりまわされても、また自分をとりもどして、闇でしかなかった運命を光り輝く運命に変えていくっていうこと、ですよね?

 

おおおお音譜 実によいものをみせてもらいました。あと2回、生でみることができるわけですよね。明日、あさっては万難を排して最初から最後までみなければ。