結果
1. 宇野昌磨 - 298.04 (98.81, 94.54, 193.35)
2. 鍵山優真 - 292.10 (105.51, 92.65, 198.16)
3. 山本草太 - 287.00 (107.04, 85.38, 192.42)
4. 三浦佳生 - 280.08 (100.29, 85.88, 186.17)
5. 佐藤駿 - 273.04 (98.32, 84.92, 183.24)
6. 友野一希 - 271.52 (99.49, 85.15, 184.64)
7. 壷井達也 - 252.34 (87.74, 78.75, 166.49)
8. 吉岡希 - 249.38 (87.51, 76.60, 164.11)
9. 三宅星南 - 226.12 (72.61, 76.35, 148.96)
10. 本田ルーカス剛史 - 217.62 (72.47, 71.57, 144.04)
11. 島田高志郎 - 215.97 (64.68, 75.72, -1.00, 139.40)
12. 片伊勢武アミン - 212.26 (68.91, 72.94, 141.85)
13. 佐々木晴也 - 208.87 (69.15, 68.84, 137.99)
14. 中村俊介 - 207.70 (59.71, 69.83, -2.00, 127.54)
15.櫛田一樹 - 204.27 (59.01, 70.67, -1.00, 128.68)
面白かったですよね。最終グループのみ個別に感想をかきますが、他のスケーターも、印象にのこっている人だけちょっとあげてみましょうか。
いいほうでは、
本田ルーカス剛史君。BS放送の中では、めだちまくってませんでした?演技がリピート放送されてしまったし。来シーズンからペアに本格参入ですよね。期待します。しないでか!
三宅星南君。自分としてはSPのほうが好きですが、FSもジャンプミスはあったとはいえ作品イメージをもってすべっているのがはっきりわかり楽しめる演技でした
吉岡希君。スケアメのときはむつっとふくれてみたのですけど、今回、FSがんばりました。
逆に期待していただけに残念だったのは
高志郎君。今年は嘆きまくりです。SP、FSとも例によってジャンプ、ですよねえ。去年の全日本が例外だったのかしら。曲のニュアンスをとらえるセンスがばつぐんで、それを形にする表現力もあるのに、ジャンプですべて台無しになってしまう。いっそ、アイスダンスに転向したらいいのだろうかと真剣に考え込んでしまいました。
中村俊介君。JWC、大丈夫なんでしょうか。安定しません。力をだしきれば表彰台にあがることできると思うんですけど.,..
では、最終グループにうつります。個別にかく前にPCSをくらべてみます。
CO
宇野9.46>鍵山9.32>三浦8.61>友野8.57=佐藤8.57>山本8.36
PR
宇野9.54>鍵山9.14>山本8.71>三浦8.64>友野8.61>佐藤8.43
SK
宇野9.39>鍵山9.36>山本8.57>三浦8.54>佐藤8.50>友野8.39
なるほど。納得するものもあれば、同時に自分の疑いが増幅されるものがあるような気もします。
以下、滑走順で書きます。最初の数字は最終成績です。
6 友 野 一 希 184.64 (99.49 85.15)
4T2T, 4T(手), 4S, 3Lo, 3A1Eu3S, 3F2A, 3A
GPSよりずっとよかったですよね!
だけど、結局のところ、プロの弱さが響いたような気がします。
アナウンサーが言っていたように、観客受けするエンタテイナーとしての殻を破ってアーティストになるためのプロなんでしょう。それはそれでいいでしょう。だけど同時に、試合用のプロなのに点数がでにくい仕組みになってしまっているのじゃないかしら。
今回、単独4Tで手がついたとはいえ、全体的にはGPSをはるかに上回るできでした。美しいけど退屈にみえていたのが、今日は退屈さをかんじず、メロディの美しさがしみじみ伝わる物になっていたと思います。ちょっとしたニュアンスのちがいを友野君がよく表現した、ということでしょう。
だけど、友野君の表現面の多彩さをみせにくいのじゃないかしら。細々した心の動きとかを感じさせる物にはなっていても、一直線で凹凸が少なく、単調に進んでしまってるのじゃないかしら。
昌磨君のプロも淡々とすすむやつです。だけど、曲の組み合わせやら、動きやらが変わってるじゃないですか。たとえば、ステップシーケンスの途中で曲がかわるという、類似例が思い当たらない仕組みがあったりします。なんだこれ、という反応をしてしまう目新しいプロです。いかにも高尚な芸術におもえてくるというか。ストーリーはあるのかもしれないけど、そんなのどうでもよろしい、この新しさ、曲組みだけで面白いじゃない、なんて反応をしちゃいます。
一方、友野君のプロは、ドラマをしらなくても、あらすじは全然わかってなくても、ストーリーがあるプロなんだろうな、というのは想像がつきます。となると、話を脳内でこしらえたくなりませんか?
そんなことしない、といわれてしまうと困るんですけど(笑)、いいたいことはなんとなくわかる、と思ってもらってると仮定して話を続けると、
物語があるらしい、でも知らない、となると、知らないなりに目の前で展開される動きにあわせて自分の脳内で物語を組み立てて面白がることをよくやってます。それで何らかの感情をひきおこしてくれたら、それは演技者に表現力があるからだろうというつながりになるわけですが、
このプロ、音楽的に何のヒントもないままひたすら淡々とすすんでいくせいか、これができないんです。で、みているうちになんとなく退屈してきて、いつのまにか終わっている...GPSでは2回ともそうでした。
今回、友野君がかなり掘り下げて動いていたんでしょう。ぽこっ、ぽこっと単発的な反応はしたのです。だから退屈はしませんでした。だけど、つながらなくて、しみじみいいなと思ったとか、感動したとかいうことにはならない。前よりよくなったとは思っても、比較対象なしによいと思う、ってことにはならないのです。
つまり、自分的にはPRがぐんとあがるというのが想像できない。ジャッジも同じような判断なんですかねえ...
ちなみに友野君のFSのPR、スケカナでも中国杯でも8.14でした。だからあがってはいるのです。でも、昨年のFS「こうもり」ではWCで9.00でてるんです。昨シーズンを他にあげると、フランス杯8.54、NHK杯8.50、全日本8.57。全日本をのぞき、昨年よりだいぶん低いでしょ。仮にWC出場となっても、昨シーズンの9.00を超えるのは難しいのじゃないかな。
もう少し重い曲か、この曲を中心に使うとしても、途中で別の曲を使うなど何らかの変化をつけるなら、単調にならず、全然違うと思うんですけどね。
なんだか観客に対しても、ジャッジに対しても、売り込みが下手なプロというか...
今回の最終グループのFS,個性的なプロが多いじゃないですか。昌磨君のは我が道をいく斬新なもの。鍵山君はこれまでローリーが彼に作った中で一番しっくりくる叙情に訴えるもの。佳生君はこれぞ佳生君というプロです。熱い塊をぶつけられるみたい。駿君のプロは、ジャンプをとぶためか、当初みたときより簡略化されているような気はしますが、むずかしいプロですねえ。シゼロンはアイスダンスの振り付けをするつもりでつくったんじゃなかろうか(笑)この4つは今回の友野君FSより目をひくものじゃないかな。草太君のは、特別いいプロとは思いません。同じエクソジェネシスならもっとよいプロがあったでしょう。2013-14シーズンのジェレミー・アボットのプロとか。あれは本人とコーチの佐藤有香さんの振り付けでした。振り付けとしては特に良プロでなくても、よく聴く曲で見ている人ものりやすい上に、草太君が思い入れたっぷりにすべって見る人を引きつける演技となっていました。つまり、最終グループみた人は良プロとして楽しんだのじゃないでしょうか。だから友野君プロとくらべても、インパクト的に草太君のプロのほうに軍配があがるのじゃないかと。
だからFSで勝負となったときに、友野君は最初からハンデを負ってたことになるのじゃないでしょうか。
ちょうどオリンピックの間で実験ができる年ですから、思い切ったイメチェンをねらったのでしょうけど、FSについていうと、もう少しなんとかならなかったのですかね...SPはなかなか面白い上に、イメチェンにもなっています。FSは狙いだけははっきりしているけど、戦略不足というか...
SKにも影響したのじゃないかな。もともと、この6人の中では地力が弱いとみられるはずです。際だった個性があって、評価を確立してしまっているのが昌磨君と鍵山君。何らかの形ですべりの基礎をつんでいる草太君、佳生君(この二人は最初のコーチが基礎をだいぶんやらせたんでしょう)に、今季からとはいえまごうことなきスケート巧者に難しいプロをわたされてしまい相当練習したのがまちがいない駿君。この顔ぶれの中、これ、といってスケーティングの印象がのこる振り付けもないので、SKがあがらなくてもしょうがないかなあ。
より複雑なステップシーケンス、コレオにしてたら、SKがもう少しあがって、全体的な印象もよかったかも。今の友野君ならなんとかこなせるのじゃないかな。だけどミーシャの振り付けでそんな複雑で面白いステップシーケンスのついた振りってありましたっけ。振り付け難度って振付師の滑りの能力の限界でも決まるのじゃないかしら...ミーシャはエンタテイナーではありましたが、すべり巧者だったという記憶はありません。となると無理な注文をしていることになるのかも。自分は滑りこなせないけど、難しいのをつけてみたよ、というコメントもどこかでみたことがあるような気がするけど、そういうのは少数例かもしれません。
遅くなったので続きはまた明日
(続く)