結果
画像

 

SP詳細

SPプロトコル

FS詳細

FSプロトコル

 

最終順位の順番でSP,FSをならべます。

 

1 Shoma UNO JPN 99.99 (54.42 45.57)

4F 4T2T /3A

 

 

 

ランビしか魅力的にやるのは無理そうな曲に思えたのですが、面白いプログラムになりました。これをもってきた振付師(ランビですが)の意図をうまくくみとって作り上げたなというかんじ。最初の10秒で目がすいよせられてしまうこの緩急。右手重視はあいかわらずですが、前より気になりません。ただし、滑り出したら右ばかりになるんですよね。もうしみついてしまってるんでしょう。4Fは、昌磨君はテイクオフで離氷の前にくるっとまわるんですよね。だから正確にいうならプラスつくジャンプじゃないと思うんですけど、プラスつけるのがあたりまえになってますよね。この得点傾向は許容するしかないのでしょう。転倒する気配がまるでないのはたしか。AよりFのほうが氷の上をしたまわってもまあいいや、などと思ってしまう自分がいます。4T2T。3Tつけられなかったのですが、冷静にコンボにしたというかんじ。

 

あー、上半身の使い方がうまくなっています。ちょっとうねるみたいにつかったり、斜めにうごかしてみたり。ニュアンスの連続です。この独特のちょっとけだるいかんじと、でも、すべてが否定じゃなくて、力をぬききった中のここちよさがあるというか。なんていったらいいんでしょ。わびさびとでもいうのかしら(笑)いや、あれは引き算の世界か。昌磨君のは不思議な足し算の世界でしょう。正統といいがたい昌磨君の技術をお手本に練習するのは危険ですが、無責任にみる分は面白いです。はじめてみたときはたいくつなプロじゃないかと思ってましたが。まさにJust devine!(この表現は上の以外のサイトEuro Sportsでいっていたもの)技術的にはいろいろあります。なにせ正統な技術の持ち主ではありません。滑り方も、ジャンプもすべて癖がある。だけど、その癖をつきつめていって、揺るぎないオンリーワンになったというところでしょう。非常に面白いパフォーマンスです。ツイズル(変形といっていいと思いますが)でぐるぐるとまわったかと思うと、ふっと力をぬく。この絶妙さ。音楽とともにすべりがあります。ジャンプだけの鬼練習ではこの味はとうていだせません。記憶が正しければ、解説でmarriage of sport and art と言ってますが、そういっておかしくないパフォーマンスです。コンボが3Tつけられてたら100超えたでしょう。全日本ではこえそうですが、あれは公式ではないので、WCあたりにおあずけというところですか。いや、今シーズンなら4CCがあるかな。

 

1 Shoma UNO JPN 204.47 (111.59 92.88 0.00)

 

4Lo 4S 4F 3A1Eu3F /4T3T 4T 3A2A

 

 

新しい表現を切り開く、という意味で静かな冒険をやってのけたといっていいSPが自分的にはかなりおもしろかったものでFSはややトーンダウンしてみてしまいました。この路線の昌磨君は想像がつくせいかな。あとどうしてもジャンプ多いからSPほど充実の表現がつまったかんじがないというのがあるんでしょう。ちょこちょこ小さいミスもありますし。4Tと3Aは堪えたかんじです。SPでもFSでもきっちり世界をつくれるスケーターというのはごくごくまれです。といっても決して悪くはないんですよね。静謐の世界が広がるかんじで。

 

 

 

SP 2 Sota YAMAMOTO JPN 94.86 (54.67 40.19)

4T3T 4S /3A

 

 


このプログラムは大好きなのですが、今日はあえてSKがあがりきらないのはなぜだ、という点を書いてみましょう。SKは8.32なのですが、最初のでだしとかみると、スケート技術はもっと評価されていいよね!と思ってしまいます。そう、滑りの基礎技術そのものはもっと高く評価されていいはずです。なんというか、クリーンな基礎もってるかんじがします。問題はジャンプを成功させるためにつなぎをいれられないでシンプルにすべってしまうことでしょうね。うん、これは次の課題ですよね。滑りそのものの基礎があるかんじなので。4S以外はいいジャンプでした。スピンはすばらしいです。GOE2?冗談でしょ、といいたい(笑)ほんと、こんなスピナーになるなんてジュニアのときには想像しませんでした。で、ジャンプが終わったステップシーケンスがいいのよね。レベルはとりきれてませんけど、やっとスケートが堪能できるぞ、というかんじです。うん、ジャンプはかなり安定してきましたから、つなぎをいれられるようになること、それが今後の4年間の課題のはず。

 

FS 3 Sota YAMAMOTO JPN 5 179.49 100.87 78.62

 

 


4S 4T3T 4T 3A1Eu3S /3Aq 3F2A 3Lz!

後半になってばてたのか、3Aまわりきりませんでしたし、3Lzはエッジがフラットになっていましたが、前半のジャンプはよかったです。ただし、かなり長いクロスでなにもせずに滑走した後のジャンプなので、SKはあがりきらないです。表現の面でも、同じ7点台でもSPにまだおよばないというか...あう曲だと思うんですけどね。ジャンプが安定してきたからこそ、ぜいたくをいいたくなってきました。次の課題は曲表現と、つなぎをいれることでしょう。どちらもむずかしいのだけど、せめてSPのレベルで曲表現を意識しているのがみえるといいな。いきなり8点台に、とはいいません。それは今後4年間でじわじわあげていくといいことなのだから。

とはいえ、大きなミスはなく、SP2位、FS3位で総合2位とGPFで2位です。大復活をはっきりと示す形になりました。約束されていたポテンシャルをシニアでみせることができるまで、なんて長い時間だったのでしょう。おめでとう。全日本はさらにいい演技をみせてください。

 

ジャンプをまとめる以上のことができる選手だというのはわかっていますから!

 

 

SP  5 Ilia MALININ USA 6 80.10 40.86 39.24

 

4T3Tso 4Sq /3Asohd

 

 

なんだったのでしょうね。怪我の説もあります。4Lzはずしてるし。この選手のジャンプのよいところは、身体をコンパクトにまとめてとにかくすばやく回転できるところです。が、コンパクトにまとめられてないかんじ。このカメラよりテレビ放送のほうがそのまとめきれないみだれがよくわかりました。怪我のせいという説と、5回転を練習していて、4回転でおさえるのがよくわかってないから、という説がありますが、いずれにしてもいろいろな意味でよくないジャンプでしたし、滑りもそうですね、これなら7点台でしょう。ジュニアレベルでも決していいとはいえますまい。スピンもいまいちかな。

 

FS 2 Ilia MALININ USA  191.84 (114.88 76.96)

 

4A 4F 4T 4S /4T1Eu3Sq 3F3T 3F3A
 

マッシミリアーノさんが、こんなTwitterをあげています。

 

 

この辛辣な言葉はその通りだと思います。決してすばらしいジャンプとは思えない。わくわくするところがないというか... Spから修正したのか、コンパクトに身体をまとめるというのはよくできていました。だけど、それだけといっていいような気がする。4Aは前から書いているとおり、トゥルソワなどの4回転や3Aと同じで、氷の下を大きくうわまわって回転をかせぐもの。今回も90°以上は稼いでいるのはまちがいありません。つま先が氷の上でくるっとまわっているのがみえますもん。こんなものにGOEでプラスつけるんだ。4Aを認定してプラスつけるなら、4Fや4Sもそりゃプラスでしょ。滑りは昌磨君(正統派とはほど遠いですが...)、草太君をみたあとだといかにもジュニアのすべりにみえます。特別わるくはないけど、いいともいえますまい。なのにSPよりいつもFSがいいっていうのはなんなのだろう。佳生君よりも劣るという採点は当然でしょう。単なるスピードだけじゃなくて、エッジつかう意識あるすべりですから。グラッスル君とくらべると微妙。駿君よりPCS上っていうのはどうなんだ、というかんじがします。あと表現も、ジュニアならこれでいいんでしょう。ネイサンとくらべるとどうなのかなあ、とふと考えてしまいました。ジャンプそのものはマリニンのほうがマシかなあ?少なくとも3Aはそうですよね。ただし滑り、表現はネイサンのほうが上でしょう。実際についた点より-1ぐらいが妥当な点の選手だと思いますけど、8点台半ば以上の価値はあったのじゃないかしら。FSで表現やっているのは終盤のコレオ以降だけといっていい選手でした。だけど、コレオは(つまずきをジャッジが無視するという暴挙をやらなければ)すばらしいリズム感でけっこう面白いものをやっていました。マリニンはそのプラス要素がないんですよね。うん...そう、フィギュアはジャンプをとべばいいというものじゃないです。さすがにジャッジもネイサンのときと同じような無謀な点はつけませんでしたか。

 

SP 6 Shun SATO JPN 1 76.62 40.42 37.20 -1.00

4Lz転倒 4T堪2T /3A

 

駿君の4Lzって決まればきれいですが、成功率は決して高くないです。そしてSPは決まらない演技でした。最後の回転のところでくずれてしまいましたか。回転は足りてたと思うんですけど。コンボ、よく2Tつけました。着氷の段階であぶなかったので。滑りとか表現とかよくなってきてると思います。少なくとも意識がある。なにせあこがれは羽生君。ジャンプさえとべればいいなどとは絶対に思ってないでしょう。だけどまだ点にむすびついてないかんじです。解説してくれたのでわかりましたが、キャメルのポジショニングがみとめられなかったのですね。転倒、スピンにVがついたことなどから、でおくれてSPは6位。
 

FS 4 Shun SATO JPN 1 173.54 100.51 73.03

4Lz 4T3T 3A1Eu3S 4T /3A 3F2T 3Lo

 

今度は4Lz決めました。着氷は満点とはいえませんでしたが、なかなかいいジャンプ。長い滑走のあとでとぶのは今後改善されるかなあ。まだ確率そのものが低いので、今は長いクロスのあとでとぶしかないですが...ステップシーケンスのレベル2がひびいてか、それとも一番滑走だったので点をだすのをしぶったのか、駿君のスケーティングはマリニンより下なんですけど、そうかあ???ジャッジをみてみると、すごくわれているのです。
J6 6.50
J5が7.50
J1,J2,J3,J4、J9が7.75
J8が8.50

これはいったいというわれかたです。一番上と下で2点もちがうなんて。そりゃ、この二人はノーカウントになりますが。まあ、No.8は日本人ジャッジなので身びいきか、といえないことはないし、No.6はイタリアだから決してすべりがよいといえないグラッスルのために点を低くつけたのか?という気がしないでもないです。個人的には、グラッスル、マリニンよりちょっと上だと思うんですけど。8は行かないと思いますが。ただ、得点がわれるときって、点があがる前触れのときがときどきあって、これまでの点数にこだわってつけるジャッジと今後のポテンシャルを感じたジャッジとの差なのか、と思えることがあります。そのパターンだといいんですけどね!

とりあえず、このFSみたいに安定をまずめざしてほしいです。滑りや表現は徐々にアップしてきているようにみえます。ピークがくれば、JGPFで優勝したみたいになるはず。

しかし、テレ朝の純情スケーターっていうあのあおり、なんなんです。やめてほしい。そりゃ、すれないかんじの選手ですけど。

 

SP 3 Kao MIURA JPN 4 87.07 47.88 40.19 -1.00
4S3T転倒 3A /4T

 

あはは、so fast, so powerful, so quickっていうテッドさんの紹介、笑ってしまいました。いえ、その通りです。とくにこのSPはそうです。がんがん攻めるかんじです。あとでintense、といってましたが、その言葉もぴったりですね!

うううう。まさかセカンドが転倒になるとは...4Sはきれいで、3Tも空中はよかったのですが、降り損ねて手がついてしまったのはともかく、そこからずるっと転倒してしまいました。だけど3Aはきれいにきめ、4Tもちょっとこわかったですが、おりました。確かに爆速ですべるんですが、ただ速いだけじゃないと思うな!ちゃんと音楽きいてますよ。アクセントつけようとしているところが何カ所かはっきりとあります。それでもこの時点では3位につけていました。

 

FS 6 Kao MIURA JPN 4 158.67 81.15 78.52 -1.00

 

 

3Lo 4T3T 4S 3A1Eu3S /2T 3A 4T転倒

最初の3Loはわざとでしょうか???佳生君の4Loは4Sにちかくて、ループみた、ってかんじのものじゃないのですが、3Loは悪くないかなあ。体重のもってきかたの問題らしいんですが、私にはそれはわからず、シュッツ、ってかんじがあれば自分的に文句のないループといういいかげんなみかたをしています。いや、ループは4Loがぬけたのか、3Loをもともととぼうとしたのかはいいです。ぬけなら点を失ったわけだけど、すくなくとも悪くないできでしたから。問題は今日は後半の4Tです。予定では、最後のジャンプは3F2Aでしたが、4T単独がぬけてしまったので、4Tコンボねらってたのじゃないかな。4T3Tはすでにとびましたから、4T2Tにするつもりだったのか、4Teu2A(とべるのなら)をねらおうとしていたのか、ちょっとわからないですけど。

そう、ジャンプミスで点数をのばすことができませんでしたが、よかったのは、ボーカル部分で野獣の嘆きがかいまみえるようになったことです。表現の工夫したんですねえ。ふふふ、王子になろうとがんばってました。手の使い方をやわらかくしようとしてます。今回は残念な結果でしたが、考えて、濃密な練習をやってきたのだろうというのがあちこちで伺えます。

 

 

ええ、期待してます。全日本ですばらしい演技をみて表彰台にあがって、WC決めるのを見届ける気満々ですから!

 

SP 4 Daniel GRASSL ITA 2 80.40 42.15 39.25 -1.00

 

このプログラムの売りはジェイソン・ブラウン振付ですよね。しかし、空中、すべて不安定でこわいです。4回転だけじゃなくて3回転からしてそうだものね。たいしてスピンは好きなの。面白い形とってますでしょ。アップライトばかりいってしまいますが、ほかもあら、みたいな形でまわっているところあります。エッジはたまにびしっときまるのですが、余裕がないですね。なんていうか、基礎ができきってないかんじ。

 

FS 5 Daniel GRASSL ITA 3 164.57 87.85 76.72 0.00

 

 

4Lz! 4Fq手 4Loq 3A /3Lz!3T 3Lz2!A2A 3F3T<

さすが地元。ううううん、いつものこととはいえ、ジャンプはマークの山です。ほんと、この選手にないのはいろんな意味での基礎よねえ...表現もやろうとしている意図はわかるのだけど、下地がなさすぎてできてないというかんじだし...プログラム自体はイミシンで、好きなんですけど。いかにもリショーの作品です。