RD詳細結果    
RDプロトコル    


想像はついていましたが、やはり金、銀の二組の実力がとびぬけていました。どちらも北京イヤーで引退するのじゃないかと思っていたところです。二人とも30台のカップルですので。続けてくれてうれしいです。

ちょっとずつ書き足していきます。タイトルとアップ時間をかえていきます。一度に完成したものをあげろといわれそう、と思いつつここのところずっと変則がつづいてます(^_^;)ちょっと仕事がこんでまして、仕事の逃避に書いているのでお許し下さい。完成したやつは途中までの組にもかかわらず、「完全版」とつけます。以下、動画をはっている組はかくつもりです。

 

11/22 完全版をアップしました。

 

勉強はどうなったんだ、というかんじですが...今週の波をのりきってしまったら、ちゃんとスケジュールを考えよう。

RD

1 Laurence FOURNIER BEAUDRY / Nikolaj SOERENSENCAN  85.66 (49.47 36.19)

 



ここ、北京では9位、WCでも9位でした。もともと男性の母国デンマーク代表でやっていた組です。そのころから指導はモントリオールで受けていましたが。忘れもしません。平昌イヤーに、女性カナダ国籍のこの組は、オリンピックの権利を自分たちで勝ち取ったにもかかわらず、デンマーク代表で出場不可と判断されてしまいました。署名運動があって、書名したからおぼえています。だけど出場はかなわず....そこで女性の母国カナダ代表になったんですね。デンマークがリリースしてくれたという幸運もありました。カナダは移民の国ですから、こういうケースになれているのか、カナダ代表となって出場した北京、WCではみごとにベスト10にはいったわけです。

今年は、選手がのびる時期って、実は思ってたよりもずっと長いし、あとにくるんだなとつくづく実感する年です。シングルですら、他の女子の4回転にくらべはるかにまともで正統といっていいリーザの4Tが練習中のものとはいえ流れました。ペアではなんと、Deanna STELLATO-DUDEK / Maxime DESCHAMPS(39歳と31歳のカップル)がファイナルをきめました。これまでWCにも出場していない組がファイナルですよ。いくらロシアがいないからとはいえ。ほんとびっくりです。アイスダンスではこの組かなあ。もともとうまいところではあります。15/16シーズンWCで13位、16/17が13位、カナダに移籍した18/19が10位、20/21が8位でしたから。だけどひときわ洗練されてきたというか、自分たちの強み、アピール点をいかせるようになってきたというか。

非常にめりはりのあるプログラムです。前半はちょっとあやしいところまじってるかな。ミッドラインのレベルはとりこぼしていますし、ツイズルとかはレベルとってますが二人の調和が完璧とも思えません。右回転で解説もくずれそうでしたが、といってるでしょ?左はきっちりとあわせてました。もっともアイスダンスのステップレベルって鬼のようにきびしい判定するので、みてるだけだと十分なんですけど。私が好きなのはステーショナリーリフト。とても安定していてよいと思います!しっかりすわっていて女性の回転も姿勢もきれいです。そしてアナウンサーが音がしないスケーティングといってますが、そうでしょうね。動画だけだと判断できないですが、カバー面積はかなりありそうです。このしっとり感。よくないですか。あー、現地でみたいなあ。二階座席あたりからみた画像がどこかで流れないかしら。

 

後半は楽しかったです。おなじみのメロディになってノリノリでみてしまいました。音はめの気持ちのいいこと。これよ、これ、ダンスでみたいものをみせてくれる演技でした。

アナウンサーと解説の言葉にいちいちうなづくもので、ごきげんでみることができたのでした。それにしてもNHK杯ってほんと、昔からカップル競技をきっちり流してくれてます。樋口先生の解説が長かったかな。だけど、アイスダンスはアナウンサーも解説もなかなかよく快適にみることができました。賢二先生の解説は年々よくなってるような気がするのですが、どうですか?最初はむくれてきいてた記憶があるんですけど、今回はうなづくところがとても多くて。こんなこというなんて、なにさまだ、ってかんじですよね(爆)

 

ついでに書いてしまおう。ペアの成美ちゃんはとても楽しかったので来年もぜひ。いえいえ、もっと長く。もちろん、どんどんいいペアを育てていってくださいね。NHKに出場するぐらいになって、成美ちゃんも解説どころじゃなくなるまではぜひ。あの無双ぶりはすごいです。シングル解説は実はJSpoのジャッジ資格をもっている方たちのマニアックといえる解説が好きなのですが、本田さんで何の不満もありません。不満があるのは女子だけです。有香さんがやってたころがなつかしい。あのレベルの解説をききたいです。


2 Madison CHOCK / Evan BATES 85.00 (48.13 36.87)

 

 

すばらしいツイズルからスタートします。音はめすごいです。で、ミッドラインになってから、いきなり失速します。MiStW1+MiStM3。同じミッドラインをMiStW3+MiStM3で切り抜けたフルソレとはまずここで差がつきました。PSt(パターンダンスタイプステップシーケンス)でもフルソレが4だったのに対して、チョクベイは3とか。そう、ちょっとずつとりこぼしているんです。このとりこぼしがつみかさなったことが1位と2位の差をつけました。

ちなみに、PStっていうのは、パターンダンスのかわりにできたやつです。

Communication No.2468  
p.3


停止ではじまって、ずっとホールドのまま、男女とも、ロッカー、カウンター、直登、フォワード・アウトサイド・モホークという難しいターンを2つずつこなさないといけないというもの。難しいターンは、男女とも全く同じ選択になってはいけません。同時に行うと無効になります。

そう、今年はRDの規定はこのPStのおかげで大きくかわりました。キーポイント(YとかNがついてたやつ)もなくなりましたし。怠けてちゃんとCommunicationを読んでいなかったもので、プロトコルみて???となってやっと該当するCommunicationを読みました(^_^;)

前とどうちがうかというと、ひらたくいうと、前は男女別で判断していたんです。

PStW3+PStM3

みたいなかんじでかいてありました。それが今季からは

PSt4

みたいに男女そろってで点数がくまれるようになったんです。

まだエンジンがかかっていない、というべきか、一見あっているようにみえても、実はこのプロ、あまりチョクベイにあってないというべきなのか...微妙なところです。インパクトは弱いかもしれません。

ここ、インパクトの強いところじゃないですか?まず、30cmの身長差があるでしょ。ペアならわかるけど、アイスダンスで、です。なのにチョックがとにかく強烈で、終わった後、頭に浮かぶ映像はチョックが圧倒的に多い(笑)他の女性陣より動きも多いのかもしれません。位置かえたりはけっこう女性がやっている印象がある組です。統計とって調べたわけじゃないので、単なる印象をいっているだけで実はちがうのかもしれませんが。そのせいか、ベイツはなんといいますか、一歩引いて、ひたすら女性に使えて奉仕している、というように思い込んでいるような気がします。勝手に自分がいっているだけですけどね。

あと今年のプロ、みてるときはおおお、という反応しているんですけど、終わったら案外記憶からぬけてるんですよね。昨シーズンのプロとか、3年前のEgyptian Snake Danceとかあたりにくらべると、強烈さというのでは弱いのかもしれないなという気もします。技術的なとりこぼしもあるし、プロの弱さみたいなものもあるんでしょう。弱いプロ、といっても愚作ではまったくなくて、これぞチョクベイといえるほどのインパクトではない、というものですけど。こういう小さな満足度の低下みたいなのがボディブローのようにきいてくるのかもしれません。とはいえ、ファイナルにはレベルがあがって、今回とちがうものになっているかもしれないし。12月にはどうなっているのかを楽しみにしたいなと思いました。



3 Caroline GREEN / Michael PARSONS 77.00 (43.56 33.44)

 

 



2年前だったかな、全米でみたときから、ここはくる、と思っているんですけど、どうですか?ここ、なんだかいつも新鮮にみてしまって。たとえばこのプロだと、トウステップでリズム刻んだり、滑走するときもわざとリズムをきざみながら滑走したりする動きが明確だったり。ほおお、みたいなかんじでみてます。あと、ぱっとみてわかるとおり、男女の身長差が少ないんです。女性162cm、男性170cm。そう。アイスダンスにしては男性が小柄です。そのあたりのバランスのせいで新鮮にみえるっていうのもあるのかなあ。そう、二人のバランスが他の組とちがってます。今は、チョクベイみたいな身長差のあるところをみた直後にこの組を見てるから、余計そう思うのかもしれませんけど。小柄なせいか、男性の動きがマッチョではないといいますか。イナバウアーのなかなかきれいな形とってみたりしてます。そう、ちょっと中性的なかんじがしないでもない。とくにホールドをくんでないときは。だけど、カーブリフトみても、危ういところとかありませんよね?またホールドでも不安は感じない。このあたりは、おそらくは、マイケル・パーソンズにアイスダンサーとしての長年のキャリアがあるせいでしょう。2010年から妹のレイチェルとアイスダンスカップルを組んでいましたから。全米ノービスにはじまって、JGPでもファイナルで銀、金をとってますし、JWCでも優勝しています。NHK杯にもきていて、銅メダルとったこともあります。底力のある人です。レイチェル・パーソンズも160で、キャロライン・グリーンとはあまりかわりませんので、体格の問題など生じないのでしょう。他の組とちがう印象ができて、それがこの組の個性になっているのじゃないかしら。

レイチェル・パーソンズもお兄さんとくんでいたし、おそらくJGPSにでていたはずですが、全然おぼえていません。だけどジュニアチャンピオンと組んでも遜色のない技術をもっているように思います。女性が脚をひっぱっているのをみた覚えはないです。ツイズルはいつもうまいですよ。いつあがってきてもおかしくない基礎技術があるのじゃないでしょうか。PStやミッドラインでレベルとりこぼしているという課題はありますけど。

ちなみにスケカナでは4位でした。GPSで表彰台にのるかのらないか、というのが現状なんでしょう。だけど、どこかでブレイクしてくるにちがいないと思ってます。エキシビションが気に入っているというのもあるんですが(笑)ごらんになりました?


4 Allison REED / Saulius AMBRULEVICIUS 75.23 (43.21 33.02 -1.00)

 

 

いつまでたってもリード姉弟の妹だあ、とみてしまいます。顔もどこか似てますし。カップル競技のパートナーさがしってやはりたいへんなようで、アリソンはジョージア、イスラエル代表を経て、今のリトアニアになってます。今のサウリウス・アンブルレヴィチウスとくんだのは2017-2018年シーズンからです。男性の名前、全然おぼえられませんので、いつもアリソンのところ、とよんでしまう。世界選手権には出場を続けてます。ただ、予選突破できなかったことが多かったはず。今のカップルになってからが一番強いです。特にアリソンが表情がくっきりしているせいか、リード姉弟の妹というので特別視しているのか、なんだかみてしまうところです。そして、じわじわと成績もあげてきてるんです。WCだけでみても、20位→17位→15位→10位ですから。そう、ロシア勢がいなかったとはいえ、ベスト10なんです。そういう意味でも注目すべきところです。さらに順位を今シーズンはあげてくるのか、それとも、他の組がうわまわってくるのか。オリンピックには出場してないです。なぜだっけ....ちなみにここも、モントリオール組です。前からそうだっけ????おぼえてません...
 



5 Kana MURAMOTO / Daisuke TAKAHASHI 75.10 (43.13 31.97 )

 

 

踊れるというのがこの組の最大の魅力じゃないかしら。いや、もっと踊れるところってあると思うんです。だけど、冒頭からこれだけアピールして観客をのせてしまえるのは立派かなと。日本開催というのをさしひいいても。おそらくどこの国にいっても出だしは注目を集めるはず。アナウンサーがいうとおり、完全に会場をつかんでしまいます。宮本さんはもともと高橋大輔君が好きですし(笑)そう、高橋大輔君っていうのがシングル時代からそういうスケーターだったなと。今季から導入されたレオグラフィック・リズム・シークエンス(ChRS)では4が3人、3が5人、2が1人。そうでしょう。おそらく全日本あたりではもっとアピールが強くなり、目をはなせないものになるはずです。

だけど、問題があるのは、「すべる」前であまり移動しないうちのアピールが一番印象的だということです。つまり、すべりはじめてさらにたたみかけるように、観客の心を鷲づかみにできてないということじゃないでしょうか。

とはいえ、ツイズルはよいです。レベルもしっかりとってますし。結成当初とくらべてうまくなったなあと。問題はパターンダンス、ミッドラインステップシーケンスあたりからです。PSt2、MiStW2+MiStM3、うん、そうでしょうね。冒頭で膨らんだ期待がさらに高まっていかず、ブレーキがかかってしまいます。ここの組の課題は、すべりとリフト、だと思うんです。


高橋君はシングルとしては滑りがうまい選手ですが、アイスダンスの滑りって、格がちがいます。スケート靴だけの問題ではないです。シングルの選手でアイスダンスとくらべても遜色ないような気がするのはパトリック・チャンと羽生君ぐらいじゃないかしら。異論あるだろうけど、個人的な意見としては高橋君はそこまでではない。現役時代、パトリックのスケーティングのほうが常に上に評価されていたのは自分的にはすごく納得のいく話です。踊る、という要素をはずしてしまっても、たとえば6分間練習でも、パトリックのスケーティングってみとれてしまいましたから。

羽生君は高橋君がいったん引退した後でのびた選手なので、ソチあたりだと、高橋君のスケーティングを支持する人は多いとおもいますが、あのつなぎが山のようにいれられるだけでなくて、基礎の基礎といえるストロークそのものがすばらしい選手です。トレイシー・ウィルソンが、コロナ禍で羽生君がバンクーバーを去った後、あなたのストローキングが恋しいというメッセージ送っていましたけど、その言葉には何の疑問もありますまい。コロナ禍前のクリケでいたほうがストローキングはよかったのかなあ?という気がShared Practiceでしないこともなかったですが、それにしても、あれを上回れるシングルのスケーターなんて現時点でどれぐらいいるんでしょ。ほぼ皆無じゃないでしょうか。ぱっとうかぶので、特に見劣りしないにちがいないと思える現役はコリヤダ、ジェイソン(このまま引退するような気もするけど)、ジュンファンぐらいです。ラトデニ君、リッツォも滑りのいい選手ジュだけどそれより上ですねえ...そしてその滑りはクリケで培われた基礎がどんとすわってます。 

おそらくそのちがいをもたらしているのは、コンパルソリーが培った基礎力です。歌子先生のところで、基礎を感じるすべりしている子って思い当たらないんですよ。濱田先生のところは延々と8の字えがいたりしてそうですけど。哉中ちゃんがアイスダンスにわりあいスムーズに移行できたのも基礎があったからじゃないでしょうか。アイスダンスに転向してから高橋君のスケーティングがよくなってきていますが、基礎がつくのは時間かかりますからねえ...

でもスケーティングのほうは、あと2年続けられたらもしかするとなかなかいいのが見られるような気がしないでもないです。そうしたら、このプロはおそらくかなりいいものになるはず。問題はそれだけの時間をとれるかです。10台か20台の

それより大きな問題は男女の身長差が3cmしかないという体格の問題でしょう。アイスダンスなら10cm以上ほしいところですから。3cmという身長差はかなりきびしいです。これを解消するには、1.戦略 2.技術 の両方が必要でしょう。この試合で10cm差がないのはグリパーですが、パーソンズには長年培ってきた2がありますからねえ...ほぼ揺るがない技術があると思っていい。そこに無理をしすぎない戦略をさりげにいれているのじゃないかと。10cm以上の差があっても、アイスダンスに転向するのは10台半ばまでが望ましいとモントリオールのコーチの一人ローソンがいっているのですが、おそらくその言葉通りです。

1、2年目のプロを、みると、戦略が?でした。身長差3cmでバレエプロはちょっと考えられないのでは。男子は身長が低いとどんなに技術があっても、ダンスノーブルにはなれません。リフトもだけど、サポートが難しいんですよね。あと見た目のバランスの問題ももちろんあります。あの選曲、ロシアではバレエプロからはいるから無難と思って決めたのじゃなかろうか、と疑っています。それにくらべると、今年は踊れる、というこの組の個性を生かしたものになっていますので、戦略的にはちょっとよくなってきているのかな。
技術は伸びてますよね。RDのリフトは悪くなかったと思います。いや、FDのローリングリフト、ステーショナリーリフトも悪くなかったです。RDでは2ポジションをうまく展開しましたし、足元もゆらぎませんでした。比較的シンプルだったのがよかったのじゃないでしょうか。もうちょっとスピードがあると面白いのだけど、というのはぜいたくなコメントよね。だけど、コレ書いている時点でFDも見てしまってますので...RDはなんとかなったけど、長いFDはつらいなあというかんじでしたでしょ?FDの3つのリフトをやりとげたあと、そこで失速しましたよね。もともと、滑りが弱いというのがある上に、体力が続かなかったように見えました。うーん、今後どうするんだろう、と思ったNHK杯でした。伸びてはいますよね。若いカップルなら次のオリンピックまでがんばれば、ベスト10狙えるかも、それが無理でも次の次があるじゃない、と思いそう。だけど、かなだいは29歳と36歳のカップルですから。ミラノまでとしたって、そこまで怪我なしに続くんでしょうか。WCでFDに進めるだけの実力はあると思うんですけど。


6 Evgeniia LOPAREVA / Geoffrey BRISSAUD 72.84 (40.73 32.11 0)

 

手短に。欧州選手権で10位前後にいるところで、おそらくこれからでてくるんだろうというところです。スケーティングが柔らかくてとてもなめらか。特に男子のエッジみてしまいます。ぱっと見た目が女性がなかなか個性的ですが、演技もなかなか個性的かな。


7 Shiyue WANG / Xinyu LIU  70.32 (39.84 30.48) 

 

 

中国からGPSに参加しているのはこの組だけです。このでこぼこぶり、あいかわらずでにやっとして、興味津々にみてしまったんですが、ううううん...中国の選手って、練習環境どうなんでしょう。モントリオールで練習できてるのかなあ。ツイズルまではよかったんですけど。音はめばっちり、アクセントもよくとれてて。もっとすべれてた組じゃなかったでしたっけ。母国でのオリンピックが終わって気が抜けているだけなら、いいんですけど。