さて、すっかり遅くなりました。先日開催されたISU総会のハイライトを書いてみます。

うううむ、6月6日から10日まで開催された第58回ISU会議には250人をこえる参加者がいたんですか。スピードスケート代表もいるからそうなるのかしら。それにしても、けっこうな人数が出席する会議をタイのプーケットでひらいたって、いったいいくらかかったのだろう、なんてばかなことを考えてしまいます。いったいどこにそんなお金があるのでしょ。

ロシア代表とベラルーシ代表は出席が認められなかったということです。でも、ロシア人でもラケルニクは副会長ということで出席して会議をしきっていたようです。もっとも、本人が思いもかけなかったと思われる出来事が今回の総会でまっていたわけですが...

今後に影響があるか、と思われる決定事項を次にあげます。かなり大きな改正が行われています。

ただ、決まったことは前から話題になっていたことで、正式に決まっただけ、というかんじです。

ぐずぐずといっぱい書いたのですが、全然まとまらなかったので、あらましだけをまずあげてみます。また続きを書いて、ぐずぐずいうかもしれません。

 

 

1. シニアの競技会への参加年齢が、17歳にききあげ

これまでは15歳でした。
ところが、次のように引き上げが正式に決まりました。年齢は各年の7月1日時点のものです。

2022-23シーズン     15歳のまま
2023-24シーズン     16歳
2024-25シーズン以降    17歳


不可思議なのは、ジュニアの年齢が伸びたにもかかわらず、ジュニア欧州選手権とか、ジュニア四大陸選手権の創設案は否決されています、あららら?

2.2024-25シーズン行こうの世界選手権に関する変更

 a.ミニマムスコアの追加
   従来:SPとFSごとに決められた最低限のTES(ミニマムスコア)を獲得

      する必要あり
   今後:SP+FSの合計点のミニマムスコアも獲得が必要

 b.世界選手権の予選が復活
 

ミニマムスコアって予選の代わりに導入されたのじゃなかったっけ?という疑問はありますが、とにかく復活するようです。前に予選があったのっていつでしたっけ。だめだ、思い出せない。


3. ジャッジ評価に偏差ポイント導入
    従来:GOE、PCSはジャッジ全員のスコアのうち、最大と最小をのぞいた」

    スコアの平均点を用いてきた
    今後:平均点と各ジャッジのGOE、PCS間の要素ごとの差を計算して、

    「偏差ポイント」を導きだして評価する

?なんのことだ、というかんじです。よくわからない。ボタンの押し間違えってけっこうあるから、その対策に考えたのですか?よくわからない。

4.PCSを五項目から三項目に
    従来:スケーティングスキル(SS)、トランジション(TR)、

     パフォーマンス(PE)、コンポジション(CO)、インタープリテーション

     (IN)の5項目だった
    今後:SS、PE、COの3項目で審査

詳しくはこちらをみてください。
 

 


理屈としては、TRとINはなくなったわけではなく、統合されたということです。

前の5項目はけっこう重複したものがあって、どの項目で評価するかよくわからないところがあったので、技術のSS、構成のCO、パフォーマンスのPEにわけてしまおう、ということです。削減をしたというより、好意的にとるのであれば。

だから、TRはSSで評価され、INはCOで評価される、ということになります。


5. PCSの係数が修正された
 

SP
男子         1.00→1.67
女子         0.80→1.33
ペア        0.80→1.33
アイスダンス    0.80→1.33

FS
男子        2.00→3.33
女子        1.60→2.67
ペア        1.60→2.67
アイスダンス    1.20→2.00

これは、もともと、TESとPCSは均等になるものとして構築されているので、その概念にあうように、PCSの項目を減らしたぶん、係数をあげるということでしょう。


6.ジャンプシーケンスに関する変更

    従来:ジャンプシーケンスの基礎点はジャンプの合計点の80%
    今後: ジャンプシーケンスの基礎点はジャンプの合計点の100%

これは賛成する人が多いのでは。従来のルールで割りをくったのは、なんといっても羽生君でした。4T3Aなんて難しい構成でとんでも、80%しかならないもので、試合ではやめてしまいましたよね?

単純に計算すると4T+3Tで9.5+8.00=17.50のジャンプなんですが、この係数のために、

従来:14.00
だったのが、
今後:17.50
になります。

ちなみに4T+3Tは9.50+4.20=13.70ですから、この0.80の係数がいかにおおきなダメージだったのかはわかると思います。


7.ジャンプシーケンスの定義変更

ジャンプシーケンス(複数のジャンプを表外ジャンプやホップでつないだもの)とは、

従来:連続した2つのジャンプまで
今後:最大3つのジャンプまで

ただし、
a. 2番目/3番目のジャンプはアクセルジャンプでなければならない
 まあ当然です。アクセルをつなげようとするからコンビネーションでなく、シーケンスになるわけなので。

b. FSでコンビネーションジャンプとジャンプシーケンスはあわせて3回まで
c.ジャンプシーケンスはFSで最大1回
d.3連続のコンビネーションジャンプ/シーケンスは、1回まで

という決まりもあります。

これも大きいです。こうなると、4T+3A+3Tとか、4T+3T+2Aとかでてくるかもしれません。回転不足になりそうな気もしますけど...


8. 詳細ルールの改正

poor take offの補足説明が復活するとか、GOEマイナス要件に追加があったり、スピンのレベル要件、GOEがかわったりしてます。



9.ジュニアFSの構成要素変更
これまで、ジュニアはSP、FSともにステップシーケンスのみで、コレオはありませんでした。

 

今後は、

SP:ステップシーケンス

FS:コレオシーケンス

 

となるようです。いいけど、これだと、ジュニアがシニアの大会にでるときに、FSのステップシーケンスで苦労しそうに思えます。どうなることやら。


8のところは実はちゃんと把握していないので適当にごまかしましたが(笑)かなり大きな変更が今回は行われたことになります。オリンピックイヤーは大きな改訂が行われるときですが、今回はとりわけ大きいです。