詳細結果    
1. Gabriella Papadakis/Guillaume Cizeron FRA - 92.73 (53.16, 39.57)
2. Madison Hubbell/Zachary Donohue USA - 89.72 (50.95, 38.77)
3. Madison Chock/Evan Bates USA - 87.51 (49.40, 38.11)
4. Charlene Guignard/Marco Fabbri ITA - 84.22 (47.24, 36.98)
5. Piper Gilles/Paul Poirier CAN - 80.79 (44.70, 36.09)
6. Olivia Smart/Adrian Diaz ESP - 79.40 (44.51, 34.89)
7. Lilah Fear/Lewis Gibson GBR - 78.89 (44.47, 34.42)
8. Laurence Fournier Beaudry/Nikolaj Sorensen CAN - 78.29 (43.83, 34.46)
9. Kaitlin Hawayek/Jean-Luc Baker USA - 76.56 (42.76, 33.80)
10. Allison Reed/Saulius Ambrulevicius LTU - 74.06 (41.05, 33.01)
11. Natalie Taschlerova/Filip Taschler CZE - 72.55 (41.01, 31.54)
12. Juulia Turkkila/Matthias Versluis FIN - 71.88 (40.40, 31.48)
13. Marjorie Lajoie/Zachary Lagha CAN - 70.39 (37.53, 32.86)
14. Tina Garabedian/Simon Proulx Senecal ARM - 68.50 (38.21, 30.29)
15. Kana Muramoto/Daisuke Takahashi JPN - 67.77 (35.82, 31.95)
16. Oleksandra Nazarova/Maxim Nikitin UKR - 67.70 (36.99, 30.71)
17. Maria Kazakova/Georgy Reviya GEO - 66.76 (37.02, 29.74)
18. Sasha Fear/George Waddell GBR - 66.69 (38.44, 28.25)
19. Holly Harris/Jason Chan AUS - 64.91 (36.85, 28.06)
20. Solene Mazingue/Marko Jevgeni Gaidajenko EST - 63.97 (36.86, 27.11)
(とりあえずFDに進んだ組だけ掲載)

プロトコル    


1. Gabriella Papadakis/Guillaume Cizeron FRA - 92.73 (53.16, 39.57)

 

 

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群をぬいていたのはまちがいありません。圧倒的によかったです。オリンピックの    90.83    を上回るPBがつきました。だけど、ホントにPBの演技だったのか?という疑問だけは残ります。たぶん、ですけど、ガブリエラのほうがピークアウトしていたのじゃないでしょうか。足下は問題があるとは思えませんが、上半身みてください。この振り付けとても難しいもので、上半身をとにかくつかってリズムとるじゃないですか。それがオリンピックではぴたっととまるときにとまって、すごかったのですが、今回はちょっと甘い。リズムをとったあとにも動いてしまってるのじゃないかな。そこでぶれが生じてきているように思います。ギヨームとの距離がちょっとかわってきたりとかもしてるし。スケートのように足下がほぼ常に動く中、上半身でさっきまで激しくリズムとってたのを(方向かえるとか)必要に応じてぴたっと止めるのは、とんでもなく難しいはずですけど、オリンピックはそれができていて今回はちょっと甘い。体力的な問題でしょうねえ。まだみてないですが、これだとFDでも距離が縮まるとかそんなところあったのじゃないかな。

一方、ギヨームは...秋にみたのは何だったんでしょう。あのときは、ガブリエラの滑りがめざましく伸びたことがあって、ギヨームってこんなものだっけ!?なんて思ったものですが、もしかしてどこか怪我していたのでしょうか。それで治ってからの演技がオリンピックやこの大会とでも?いや、大いにありえる話です。ピークアウトしていてもおかしくないのだけど、オリンピックとあまりかわらないようにもみえます。すばらしい軸じゃないですか?すばらしいリズム感をほとんど無駄なくそのまま体現できる体ですねえ...うまい、うますぎる。かなり細かく激しくリズムをとるふりつけをなんとも楽々とやってのけます。たとえばとまるところでぴたっととまって次の動きにきりかえる...もともと肩関節はいったいどうなっているのだ、自由自在に脱臼させてもとにもどせるのか!?なんてばかなことを考えてしまう体なんですけど、揺るぎもしない軸を中心にしてそれこそ自在にうごかせるんだなあと。

ギヨームにかぎっていうと、少なくともオリンピックよりよかったところがあります。パターンダンスタイプステップです。オリンピックではPStW3+PStM3で11.58でした。ガブリエラがちょっと遅れたのと、ギヨームのエッジがたってみえたところあったので男女ともにレベル3。ところが今回は、3 PStW3+PStM4で12.37。うううむ。このレベルと点数みてしまうと、WCのほうが調子よかったのだろうか?なんて気もしないでも...いや、やはり基礎技術に体力も高いんでしょうねえ...なにせ軸がぶれない。無駄な動きしない。リフトみてくださいな。動かしたりするタイプのものじゃないですが、それでも楽々にみえません?軸がかっちりしていて変に動くところがないので、実にスムーズで美しい。ステップも基本そうですし。男女の体力の差もあるのかもしれないけど、男子のほうがリフトなどで力をつかわないといけないし、。二人の動きの軸をつくっているのは、男子のほうです。二人で押し合い引き合いしながら進んでいくとはいえ、ちょっと注意して見ていただいたらわかると思います。男子のほうが大きいからかなあ。ペアで男子が軸というか、土台になって様々な技をこなすじゃないですか?ツイスト、スロー、リフト、デススパイラル、ペアスピン... みな力の基点は男子ですよね。アイスダンスでも同じことなのでは。リフトがあるし、だいたい、男子のほうがちょっと多く動くことが多いです。マディソン・ハベルという特殊な人もいますけど。相手に回り込むのは基本、男子でしょ?

そうですね、この男女の疲労度とそれからくる効果のちがいで、わかりやすいのは、前半と後半の同じような動作をくらべてみることでしょう。

はじまってすぐのリズムをとりながら腕を動かす動作のところは二人とも腕だけが動いています。上半身がつれていかれることはありません。非常にきれいだし、かっこいい動きです。

ところが最後のほうにまたこのリズムがよみがえって、動きもでだしを連想させるものになりますよね?動画では3:04ぐらいです。ガブリエラは上半身も動いてしまっていませんか?これ、おそらくは体力の問題で、腕につれていかれるのをおさえることができなくなっているのではないでしょうか。で、ガブリエラのみをカメラがとらえていて、ギヨームがうつってないのがとても残念なんですが、二人でうつっているところから想像するに、おそらくギヨームの上半身は腕の影響をうけて動いたりなどしていないはずです。

その後のツイズルみても(ガブリエラがややぶれてるというか、ゆれてのわかりませんか?)、ギヨームの上半身はゆるがず実に足下の動きがスムーズ、そしてリフトにはいりますが、非常に安定していませんか。土台になっているギヨームが実に安定していて、パパシゼ独特の静のリフトというべき美しいリフトがくりひろげられ、最後にまた、あの腕でリズムをとる動きがあります。ここではラストできめようと思ったか、ガブリエラも不安感のないものをやっていますし、ギヨームにいたっては肩のやわらかさを買われたのか、少し多く動いてます。

しかし、なんでしょ、このすごい軸の感覚。それも柔軟性とともにやってくるこのかんじ。女子ではカミラ・ワレリアの軸を基点にした多彩で柔軟な動きに数年前から魅せられています。この軸と柔軟性はドーピングでつくれるものじゃないですから、今回のドーピング騒ぎでも、自分にとっては吸引力はかわりません。一方男子では、軸と柔軟性という点ではギヨーム・シゼロンかもしれません。いえ、羽生君がいますね。アイスダンサーと比べてもまったく見劣りのしないほぼ唯一の男子シングルスケーターでしょう。三人ともすごすぎます。同じ人類とは思えない。

そう、オリンピックではガブリエラがほぼピークにきていましたので、ここまでは思わなかったですが、WCではギヨームのすごさがひたすら、というかんじです。

ペアもそうなんですけど、アイスダンスでは男子の軸がすごいところはやはり強く、さらには若手も順調にのびていっています。長くなりすぎたので、今日はパパシゼでやめにしますが、男子の軸、というのを中心に残りも書いてみたいなと思ってます。男子の軸がきっちりしているところは、リフトもうまいところ多いですし、滑りも安定しているんじゃないかと。

あともう一点。

MiStが今季、いや、昨季からかもしれませんが、異様にきびしくて、それまでWCにはレベルが4でていたんですが、このWCも、オリンピックもでていません。2021年度はコロナのせいかとおもっていたのですが、どうもそうじゃないようです。ううむ。この基準をシングルのステップシーケンスにあてはめるなら、90%以上がレベル1であっても不思議でなさそう。そうか、パパシゼのこのMiStでもレベル3なんですね。オリンピックでもレベル3でおどろきました。

シングルもいっそ、アイスダンスの基準ですべりをきちんとみればいいのに。アイスダンスの9点台とシングルの9点台ってすべりの能力がまるでちがいますよね。シングルの9点台って、アイスダンスでいけば7点とか6点の世界かも。もちろん例外はいますけど。

 

ということでしつこく続く。無事にFD最後までかけるんでしょうか。