北京オリンピックにドーピング問題は大きな影を落としました。陽性であったとされる選手が未成年だったこと、その対応を巡って様々な議論がされています。

 

もともとエテリ組はドーピングの疑いを持たれていたところでした。

 

ポリーナ・エドモンズの告発などが典型的な例。

 

 


だけどこれはおそらく多くの他国の選手がもっている疑惑かもしれません。あるいはドーピング関係者などスポーツ医学に携わる人たちも。

ただ、ワリエワの演技が

「彼女は薬に手を染めて“天才少女”と言われているだけ」(SBSの解説を務めた元韓国代表のイ・ホジョン)

 

 



というのはあまりにヒステリックで一方的な発言でしょう。だって、あの体幹や柔軟性、なにより音楽性にあふれた演技は薬でなど作れません。

さらに12月に陽性反応がでたというトルメタジンについては、アメリカの心臓専門医などから検出成分にドーピング効果なしと次々指摘と指摘がでています。

テキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターの心臓専門医兼運動科学者であるベンジャミン・レバイン氏は、「私の意見では、トリメタジジンが彼女のパフォーマンスを改善する可能性はゼロだ」と断言。

ニューヨーク大学ランゴーン心血管疾患予防センターの予防心臓専門医ショーン・ヘフロン博士は、「トリメタジジンの理論上の利点として、アスリートはより高い強度で、より長い期間トレーニングができるようになるかもしれない」と一定の効果を示した上で「ただ、ほとんどの人にとっては何のメリットもない。エリートアスリートの場合でも、トレーニング能力やパフォーマンスが上がるとしても1%くらいだろう...トリメタジジンは狭心症の治療に通常使用される心臓薬であり、脂肪酸代謝を阻害して体の代謝をブドウ糖にシフトさせる。筋肉はエネルギー源としてブドウ糖を使用しており、運動をしている場合、有益な変化になる可能性がある。だが、L―カルニチンは脂肪酸代謝を助けるサプリメントだ。脂肪酸代謝を阻害するトリメタジジンと併用するのは逆の効果で互いに打ち消すことになってしまう」

フロリダ大学の生理学者で運動効果を専門とするスコット・パワーズ氏は、「トリメタジジンを服用している心臓病の患者は歩行能力の改善が見られるが、他の研究では違いは見られない。正直なところ、なぜそれがスポーツなどの運動で何らかの助けになるのか私には理解できない」

 


これをみると、ドーピングだったとしたらいったいなんのためだったのだ、というかんじはします。薬をまちがえたとでも?

 

結局、真相が究明されることなどないのか、という気がしないでもない。いずれにせよ、エテリ組がドーピングすれすれの行為をしている疑いは依然としてあります。ただ、それを15のアスリートがすべて負うというのは不可思議な話に思えます。逆に保護対象とすべき存在でしょうから。

 

また、チームドクターとなっているのが、2007年から2010年までアンチ・ドーピング規則違反への違反によりロシアボート連盟から資格停止処分をうけていたフィリップ・シュベツキーです。おそらくこの二人を中心に調査は進むと思われますが、事態がかわることはあるのでしょうか。

いずれにせよ、遠征先のスイスのホテルのゴミ箱から血液が付着した注射針がみつかって、2008年夏季北京五輪の不正輸血が判明するなど、ロシアのスポーツ選手管理のずさんさは前から眼をつけられてきています。そして今もその事態はかわっていない、ということなんでしょう。

 

 

また騒動になりそうなのが世界選手権に出場するという報道がでていることです。

 

 

 

うううん... ロシア帰国後にすぐ練習を開始したときは、スケートでしか傷をなおせないのだろう、と思ってました。体調そのものには大きな問題はなさそうにみえました。でももし出場したら、オリンピック個人戦のようなことになるのじゃないでしょうか。世界ドーピング防止機構(WADA)が結論をだすまでに半年から1年かかるといわれています。異物混入であればそれではっきりするはずですし、スポーツドクターなどが黒幕であれば、その実態ももう少しはっきりするかもしれません。でないような気もしますけど...すくなくとも、オリンピックほどのバッシングは受けないですむはずですが...


リーザの話によると、休むというのも視野にいれているようです。さて、どういう結論をくだすのやら。

 

ちなみにリーザは、エテリの恐怖指導に批判的な立場をとってます。