個人的に北京でみたい女子スケーターって前々からここにかいている通り、紀平ちゃん、新葉ちゃん、知子ちゃんの3人です。この希望はみじんも揺るぎません。でもこの希望通りになるかはかなり暗雲がたちこめている状態です。

紀平ちゃんの回復ぐあいは気になりますし、全日本ではカナダからのコーチの来日は認められません... いや、なんとかなると信じたい。ロシアのメダル独占を阻める存在がいるとしたら紀平ちゃんなのですから。クリケが培ってきたピーク戦略がうまくいくと信じたい。そしてこれまでくいたらなかった表現が格段にあがっているのを全日本で見られると思っておくことにします。なにせクリケにはタイタニックを振りつけたデイヴィッド・ウィルソンがいますし、あそこはジャンプ技術のみならず、スピン、滑りそのものと曲表現を大事にするフィギュアの魅力を追求しているところです。

知子ちゃんは滑り、表現は文句なくすばらしいのに、ジャンプは?がつき続けます。もともと低くて幅のない小さなジャンプでしたが、その分、転倒などのミスがなく、安定していました。なにせ小さくて軽いから、幅や高さがなくても認定されるだけまわる助けにもなったのじゃないかな。これがミス・パーフェクトといわれた理由でしょう。だけど、4年前に疲労骨折をおこしました。そこから肉体改造をやって、小さいだけでなくて、筋肉がしっかりかんじられる身体にしたじゃないですか。それはとてもすばらしいことだったのだけど、その分、回転が少ししにくくなったのかもしれないという気はします。高さか幅がもう少しいないと回転不足をとられやすいというか。今季の苦戦はこのためでしょう。こちらは...正直わかりません。北京代表メンバーにはいるといいのだけど。あの小雀を、あのトスカをみることができないなんて北京の価値が下がってしまうじゃないですか。

で、新葉ちゃんです。

4年前のGPSおぼえてらっしゃいますか?すごかったじゃないですか。

CSのロンバルディア杯で2位、GPS ロステレコムで3位、中国杯で2位、グランプリファイナルにもいきました。だけどGPFですでに疲れがみえてましたよね?結果は6人中6位。中国杯より10点低く、ロステレコムより5点低いという点数。だいじょうぶか、という暗雲がたちこめました。悪いことにその心配があたってしまいました。全日本で4位...平昌の切符をのがしてしまいました。ただただショックでした。

SP、FSともにそろった年でしたよね。オリンピックにふさわしいプロをそろえたというか。とくにFSのスカイフォールはこれぞ、というプロでした。新葉ちゃんならではのプロ。007というアイデアをシェイ=リーンにきかされてびっくりしたそうです。そりゃそうですよね。女子がスーパーヒーロー役だなんて。だけど、ぜったいに変にしないから、というシェイ=リーンの言葉通り、すばらしいプロだったと思います。よいプロだけど、他の選手がすべるところなど想像もできない。

この無念の思いが爆発したのが世界選手権。SPででおくれたときはどうしようかと思いましたが、FSは見事でした。はってみましょうか。

 

 



そう、単なるパワーでないものをみせてくれた作品です。いかにものアクションもありながら、しっかりとスパイの悲哀がかんじられるもの。あらためてみなおしてみても、とてもいい。最初からスカッとするものがあるのですが、とくにアデルのボーカルになった後半からは深みがあり、もうなんとも。

そこから故障があったり、3Aの挑戦が安定しなかったりで今日にいたるわけです。

だいぶん3Aは安定してきたと思います。とくにオールとリア杯のSPはすばらしかったですよね。一部、ものかげになったりしているあまりよくない映像ですけど、はってみます。、
 

 

 



そうよ、これがみたかったの!できるのわかってましたから。でもFSはうまくいかなかったのですよね。冒頭の記事でその理由が述べられてます。

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11月の2試合でも収穫があった。中旬のオーストリア杯は、ショートプログラム(SP)で自己ベストを大きく上回る今季世界3位の79.73点をマーク。1週後のGPシリーズ第5戦、フランス杯はSPで出遅れたもののフリーで自己新の141.04点と巻き返し、合計3位で表彰台に立った。

 オーストリア杯は「チャレンジする試合」という位置づけで、「失敗するなら今だし、挑戦するなら今だと思っていた」。だから、SPでも3回転半を組み込み、出来栄え点(GOE)で2.40点もの加点を引き出して勢いに乗った。
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そうですね、3Aがはいったことでのつかれ、というのが大きかったのかもしれません。長いことフィギュアをみていてわかったのが、ピークがこないといい演技はみられないということ。長いことこれに気が付かなくて、なぜこんな別人のような演技を、なんて思ってたのです。

でもどんなスポーツにしたって好調不調の波があるじゃないですか。たとえば野球。プロ野球で1年を通じて打ち続けるバッターなんてみたことありません。2013年に20連勝した田中将大選手だって、交流戦のときのピッチングはお世辞にもいいとは。なぜあれがうてない、と怒りにもえたのでよくおぼえてます(笑)

ましてやフィギュアのようないかにも体力的にきつそうな競技ならなおさら波はあるでしょう。

これはどんな選手でもあてはまります。故障はもちろん、なんだかわからないけどちょっとタイミングがずれてとべてない、ということもよくみる光景。

北京のころの新葉ちゃんはそのピークのコントロールがうまくいかなかった、ということです。この記事にはつぎのようにでています。

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11月に口にした「力を出すのは今じゃない」との言葉の裏には、4年前の反省がある。平昌五輪代表争いでは、年末の全日本選手権を前に「電池切れ」になったと率直に言う。あのシーズンは序盤から好調を維持し、GPシリーズの成績上位6人が争うファイナルにも出場。しかしそこまでに力を使ってしまい、全日本では4位に終わった。
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そうなんですよね。だから今シーズンの前半はとばしているかんじは全然しませんでした。そう、ピークを全日本にもって来ようとしているのは明らか。

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今季は試合ごとにテーマを掲げ、一足飛びではなくても「一つ一つ成長している」との実感がある。3回転半だけではない。スピンやステップ、演技構成点の「トランジション」(技のつなぎ)など細かな部分の評価で自信を得られた大会もあった。「全日本でSP、フリーを完璧にそろえることが一番の目標。それをやれば五輪がついてくると思う」と決意は固い。
「ライオンキング」に重ね

 今季のフリーは「ライオンキング」。この選曲には「うれしいことがあったり、悲しいことがあったり、いろんなことを乗り越えて最後はハッピーに終わるというのをイメージした。自分が今までやってきたことを重ねながら、滑りたい」との背景がある。全日本では4年越しの思いを懸けて全力で滑り、今度こそ大願を成就させる。

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そう、今度こそ、今度こそを実現してほしいです。北京で新葉ちゃんがSP、FSをそろえて上位陣いりするのを見ることができると信じています!その前に全日本ですよね。今度こそ!