コメント欄で情報いただきまして、新ルールをみてみました。
2323
https://www.isu.org/inside-isu/isu-communications/communications/24331-2323-sp-sov-changes-for-season-2020-21/file


2324

https://www.isu.org/inside-isu/isu-communications/communications/24332-2324-sp-levels-of-difficulty-and-guidelines-for-marking-goe-final/file

発行日が5月11日となっていますので、たぶん和文はでていないです。コミュニケーションの和訳、実に変なところにおいてあって、見つけにくいです。なかなかさがせなくてあきらめていたときにみつかったという...でるのなら、たぶん

https://www.fsk-results.com/s/mHXR5eerwqCajAq?path=%2F01%20ISUコミュニケーション
ですが、長いこと更新されていません。

で、新しく発行されたものをみますと、

2323は、基礎点の変更です。

今回の2324の柱は、

1. 2020/21シーズンのシングル/ペアのレベルの更新版
2. ペア/シングルのGOEガイドライン(プラス要素)
3. SPとFSのエラーがでた場合のGOEの確定方法
4. GOEとプログラム・コンポーネンツの変更と説明

仕事がちょっとこんでまして、パラパラと飛ばし読みしています。誤解したり見落としたりしてそう...

それでも、情報をいただいたおかげで、このコミュニケーション、画期的な点が二つあることがわかりました。なかったら、プレロの件はみのがしたかも。


1. プレロテーション

p.10にこのような規定があります。

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Poor/cheated take-off: For example a toe-assisted jump is taken off from the full blade, Toe Loop is executed like a Toe 
Axel or there is excessive rotation on the ice at the take-off. The reduction in GOE is -1 to -3. 
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参考訳をつけますと、

拙な/ごまかした踏切: たとえば、トゥ系ジャンプの離氷時にフルブレードで踏み切り、トウループを当アクセルのように実行すること。または、離氷時に氷の上で過剰な回転をすること。減点はGOE-1から-3.

画期的じゃないですか!プレロやらフルブレードの指摘はかなりされていましたし、このブログですら、ハビの批判があった後から、あんまりじゃないか、と書いていました。それが明記されています。

といっても、少なくともプレロに関してはあまり期待しないほうがいいかと思われます。というのが、ジャンプの起点の問題があるんです。これ、人によって意見がまったくちがうはずです。特にロシア系のジャンプは肩からまわしますので、必然的に氷の上でまわってしまう量が多いです。逆にカナダは厳格な人が多いのじゃないかな。カナダの選手のジャンプに失敗が多いのは、難しいことをちゃんとやろうとしているから、という面がありますので。つまり、離氷の位置の感覚が、カナダとロシアでは多いにちがうはずです。ロシアは180度のプレロでないと主張しそう、、、

それに対して、フルブレードのほうがおそらくわかりやすいはずです。プレロがはげしい選手はほぼフルブレードやっていますので。ぱっとうかぶだけでも、エテリ組ほぼ全選手、サマリン、アリエフなどロシア勢、アリサ・リウ、ヴィンスなどアメリカ勢、日本勢はでめだつのは昌磨君。ネイサンもプレロはやってます。でも、彼の場合、正当なトウをつくのです。そしてプレロも半回転以上にはみえませんので、おそらくこの減点はないです。

一つ不満をあげるなら、ディレイドに対してGOEプラス評価が決められなかったことです!これはぜったいにおかしい。ディレイドはプレロとほぼ対極にあるものでして、とびあがってから回転はじめますので、たとえ180度未満のプレロのジャンプで不正とみなされないものをとんでも、そちらのほうがディレイドより価値は低いと思います。今度はこれを責めて、ISUに改正を考慮させましょう(笑)


2. ジャンプの基礎点の変更

これについてはまとめてあったツイがあったので、それをそのまま引用しましょう。ブログ主、手をぬいて去年とまだくらべてないのですよ、、、すみません。万一ちがっていたら訂正します。
 

 


おおお、やっとやっと、4Lz大偏重が訂正され、4Loが4Lzと同じ価値があると認められるようになりました!

4Lzって、難しいジャンプではあるのです。高さも回転力もいります。

でも、はっきりいって、いろんな意味ですばらしい4Lzなんて、思うに、ディレイドとんでる羽生君とボーヤンぐらいです。ボーヤンは姿勢の問題があるから、GOE 5でないかもしれませんけど。そして二人とも、あいにく、成功率はネイサンより低いです。

正しくトゥ系のトウをつき、エッジも正確なネイサンのジャンプを4Lzとみとめることに何の異議もありません。幅は決してあるとはいえず(これだけでも+3以上はありえません)、高いという意見は?だし(女子の3Lzでもあれぐらいとんでる選手はいると思います)、回転はギリだし、半分以上(正直、8割以上のような気がする)がボタンと落ちて流れないのでまったく好みではありません。さらには直前でエッジをかえるせいか、4Fと4Lzの感触がほぼ同じです。軌道に違いはあまりないし、高さもかわってみえないし。ありえない。ネイサンにとってジャンプは点とるためのもので表現手段にはぜったいならないなと思います。でも、GOE2か3つくんじゃないでしょうか。

このあたりはいいです。でも、おかしな4Lzって実に多い。

プレロでトウをちゃんとつけず、軸がぐちゃぐちゃだったサマリンの4Lz+3Tに満点つけるなんてもってのほかですし、エッジがかなり怪しく、プレロ、フルブレードのシェルバコワの4Lzを評価するのも大きなまちがいです。3Lzの価値もありますまい。実質3Loのまわりすぎだと思うけど。トゥルソワの4Lzもプレロひどいしトゥはつけてないので評価ができるものではないですが、エッジが正確な分、シェルバコワよりはましにみえます。回転はシェルバコワのほうがきれいな気もするけど。

でも、シェルバコワの4Lzがリーザの3Lzより価値があるなんてぜったい嘘だと思います。あれは実質3Loのまわりすぎ、という私の意見通りなら、与えられる点は3Lzより低い4.90じゃないかと。これは極論ですけど、4Lzは二種類の価値があると思います。まともな4Lz(でも4Loより難しいかどうかはかなり疑問)、そして3Lzよりも点数をとるべきでない問題ありの4Lz。

なのに、圧倒的な基礎点があって、しかもGOEも基礎点に基づいてつくっていったい...

一方、4Loは跳ぶ選手も少なく、さらにはタイミングが難しいので抜けも多く、神経を使うジャンプといわれています。マッシミリアーノさんなんて、4Loのほうが難しい、と断言していました。

今回、やっと、やっと改正されました。この基礎点はごまかしようがないですから、ちゃんと適応されるはずです。

マッシミリアーノさん、さすがに反応してます。

 

 

 


「やっと「誰かが」4Loは真性ルッツ(4Lz)やフリップ(4F)よりも簡単というものではなく、偽物のLzまたはFより「難しいということを理解してくれた。
教訓が与えられたわけだが、なんといっても、分かる必要がある。無知のままより遅くても理解するほうがよい!
#YuizuruHanyuときちんとしたジャンプを跳ぶ人にとってはよいことだ」

まさにマッシミリアーノさんのおっしゃるとおり。


4Lo>4Lzの基礎点はさすがに無理でした。さらには4Lzは二つにわけて、プレロの4Lzは3Loの得点にしてほしいという極端なブログ主の見解はとおりません。当たり前だけど。でもマッシミリアーノさんも気持ちはわかるといってくれそうな気がする。

でも、昨シーズンとくらべものにならないまともな改正になるではありませんか!

4Loも4Fも4Lzも基礎点11です!No.2323のp.3を何度もみてしまいました。やっと、やっとです。

 
これみると、ネイサン、4Lzを跳ぶ価値がなくなったんじゃないかという気が。エッジ以外はネイサンの4Fも4Lzも同じようなものにみえますが、ルッツはカウンタージャンプですので、より回転ギリにみえるので、より質は悪いかと。GOEでいくと実質1はちがうような。4FもFらしい流れのあるジャンプというかんじがしませんから、そんなにいいものとは思わないけど。でもどちらかえらべ、といわれたら4Fのほうがいいジャンプじゃないかしら。実質3Loとんでる昌磨君よりはいいのはまちがいないです。昌磨君のジャンプの点、どうなるんだろ...ある意味、一番心配な選手かもしれません。なにせロシアでもアメリカでもない。4Loは悪くないジャンプだと思うけど、成功率に問題あるから...
 
それにしても、4Fってこれぞ、といううっとりするようなの跳んでいるのいませんねえ...いわゆるジャンパータイプ(高く跳ぶタイプ)はルッツのほうが得意な選手が多いからでしょうけど。3Fならたとえばケイトリン・オズモンドなんていいの跳んでるのをみたことありますが、4Fはない。というか、昌磨君が初でネイサンが2人目で、あといましたっけ?誰かおおお、というの跳んでほしい。 4Fの基礎点が変更がなく、4Lo、4Lzと並ぶ基礎点になったのはそういう背景があるのでしょう。理論上は4F<4Lz<4Loのような気がしますが。回転数が増えれば増えるほど、トウのアシストをうけないエッジ系のほうがむずかしいのでは。ジスランが5Tのほうが4Aよりとびやすいかもしれない、なんて発言していたような。

プレロとフルブレードに関する規定はホントに守られるのだろうか?という思いは正直あります。でも、この基礎点、そしてGOEの影響はまぎれもありません。今度こそ、ジャッジが2324 p.6に書いてある規定をきちんと守ってGOEをつけてくれますよう。わざとエラーをみのがしたり、無理矢理エラーつけたり、エラーさがそうとしているのかスロー再生に時間をかけることもありませんよう。変な政治的な背景などスポーツに影響すべきではありません。せっかく新規定になって、ISUで決して強い発言権をもっていない国からも世界チャンピオンがでる時代になったのです。なのに昨年は、また時計を巻き戻して、アメリカとロシア偏重なんてことをおしようとしているようにみえました。ましてやうわさにあがったように、アイビーリーグなら点数をあげているとしたら、学歴コンプレックスもいいところです。工学ならMIT、医学ならジョン・ホプキンスのように、分野によってはアイビーリーグより上とみなされている大学があるのもわかってないのでしょうか。第一、スポーツの価値は国にも、学歴にもあるのではありません。