町田君はバリュアブルジャンプ賞を鈴木潤君に贈っています。
「彼も競技人生最後の全日本だったのですけど、この大舞台でなんともすごい、初の3A3Tを成功させると。自分にとって最上級の技を最後の全日本で決められる。これはほんと、すばらしいです」
ううう、残念なことにこの演技の動画がありません。
かわりにSPはっておきます。3A単独でとんでます。でもこのジャンプみたあとに、FSで、まだか3A3Tのこれまでにない難度のコンボきめるとは...別れの曲というのがもうなんともいえません。たしかにジャンプは万全ではありませんが、この音にふさわしい柔らかい表現をお楽しみください。スピンもすてきですよ。そう、解説でもいってますけど3A転倒ですががんばりました。
ちがう動画張ってしまっていました。すみません。ちょっと前までアメーバのブログを書く画面でyoutubeをはりつける機能がうまくうごいてくれなかったのですが、いつのまにかちゃんと動くようになってます♪直しているときにやっと気がつきました。よかったよかった。これまでYouTubeから共有のためのコードとってはりつけていたのです。
あとチャレンジャーカップをみてなかったので、この際、みることにします。なんだかどんどんそれていくような気がするけど。
鈴木潤君も見るのが楽しみな選手の一人でした。でも決してジャンプが強い選手でなく、もうちょっとPCSでてもいい気がする。いや、でもジャンプミスがるからこうなるのか、というふうにちょっと複雑な気持ちで見ていた選手です。
北海道大学工学部から2018年には北海道大学大学院工学院へ進み、論文が米国でも発表された優秀な学生として文武両道をやってのけた一人なんでしょう。就職先はソニーでしたっけ。ジャッジの誘いがあったようですが、自分にも他の選手にもきびしすぎる点つけそう、とか言ってたのには笑いました。
羽生君とは同郷で同い年。やはり山田真美先生にならっていたのがはじまりだったようです。ただ子供のころにケガしてしまったり、ホームリンクが閉鎖して、札幌に中学3年生の時に移住したものの今度はアイスホッケーとのかねあいでなかなか練習できるリンクを確保できなかったと、苦労を重ねた選手です。また、高校受験、大学受験ともにスケートを離れています。
決して環境にめぐまれた選手ではありませんでした。
そのせいか、国際大会にいったのはどうやら、
2011年 JGPブラショフ杯 11位
2018年 チャレンジカップ 4位
だけのようです。
以上の出典は
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E6%BD%A4_(%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E9%81%B8%E6%89%8B)#cite_note-1
だけど実は着々と進化し続けた選手だったのです。
下に全日本のジャンプだけならべてみました。実はスピン、ステップ、PCSも進化がみられるのですが、町田君が送った賞がバリュアブルジャンプ賞ですので。
たいへん見にくいのですが、ご容赦を。
2010 https://www.jsfresults.com/National/2010-2011/fs/national/index.htm
総合23位
SP 20位 3T+2T 0.70 3S -0.14 2A 0.30
FS Lz(ノーカウント)3S+2T+2Lo 0.04 2A 0.00 3Lo< 3T+2T 0.00 3T 0.28 3S 0.28
ここから受験の問題があってブランクがあきます。全日本に復帰したのは2014年
2014 https://www.jsfresults.com/National/2014-2015/fs_j/national/index.htm
総合14位
SP 17位 3T+3T-0.84 3Lz 0.14 2A 0.20
FS 11位 2A+3T 0.70 3Lz -1.40 3Lo 0.56 2F 0.00 3S+2T+2Lo 0.42 3S 0.56 3T+2T 0.14 2A 0.50
これで分かると思いますが、高校、そして復帰を通じてアクセルは3Aとべてないのです。以下、FSはアクセルとコンボだけ記載します。さすがにうっとうしいかと思うので。
3Aが登場したのは2015シーズンからです。
2015 https://www.jsfresults.com/National/2015-2016/fs_j/nationalsenior/index.ht
総合13位
SP 15位
3A -1.14 3T+2T 0.00 3Lo -1.50
FS 12位
3A+2T 0.0 3A<< -1.50 3S+2T 0.70 2A+1Lo+2S 0.43 2A 0.43
2016 https://www.jsfresults.com/National/2016-2017/fs_j/nationalsenior/
総合14位
SP 8位
3A -2.14 3F+3T -0.70 3Lz -0.60
FS 18位
3A -3.00 3Lo+REP -1.80 3T+2T 0.40 2A+1Lo+3S 0.10 2A 0.36
2017 https://www.jsfresults.com/National/2017-2018/fs_j/nationalsenior/index.htm
総合10位
SP 12位
3A 1.71 3F+3T 0.00 2Lz* (無効)
FS 8位
3A+2T 2.00 3A 1.43 2A+3T -1.00 2A+1Lo+3S 0.60
2018 https://www.jsfresults.com/National/2018-2019/fs_j/nationalsenior/index.htm
総合15位
SP 13位
3A 1.37 3F 0.15 3Lz+3T< -1.35
FS 15位
3A 0.91 3A+2T 0.69 2A+1Eu+3S 0.61
2019 https://www.jsfresults.com/National/2019-2020/fs_j/nationalsenior/index.htm
総合15位
SP 17位
3A -4.00 3F 0.08 3T+3T -0.84
FS 16位
3A<< -1.65 3A+3T 1.26 2A+1Eu+3S 1.04 2F+2T 0.00
漠然となんだかジャンプ進化してるよね、なんてぼーっとみていたのですが、並べてみたら一目瞭然です。そう、潤君、ものすごく進化を続けた選手だったのです。
3Aが跳べず2Aで勝負してきた選手が3Aをとびだしたのは大学になって復帰した2年目の2015年。2017年には単独で成功、3A+2Tなんてコンボまでとぶようになりました。そして最後の年にきたのが3A3Tで、これまでとれなかったGOE1点台にのせています。なんとまあ。この進化。
全日本って、やはりレベルの高い選手が集う大会であり、かりに順位があがらなかったとしても、個々の選手は実は地道に底上げしていっているのだ、というのを証明するようなジャンプ成績ではありませんか。
なんとなく、というかんじで進化をとらえていたのですが、このようにあらためて調べる気持ちにさせてくれたバリュアブルジャンプ賞の贈呈に感謝です。