2位を選んでからだいぶんあいだがあいてしまいました。まだこれやってたのか、というかんじですが最後までやってしまいましょう。
どのプログラムなのかは想像はとっくについていたはず。問題はどれにするか。
選んだのは今年、2020年の四大陸の演技です。音響以外は完璧じゃないですか。何をだしおしみしているのだ、というような点数でしたが、それでも世界最高記録となった演技でした。個人的にはこれでPCSやGOEに満点ださないでなににだすのだ、といったところでした。
たぶん、このプログラムについては、いつであっても、最新のノーミスのものをえらんでしまうでしょう。
バラ1は、4シーズンやっているプログラムです。このプロ、2014中国杯でみたときから好きでした。羽生君のもつ特徴である振り幅をみごとに一曲でだしたような気がしましたし、また、ものすごく美しいプロではないですか。
2014-15シーズンはあともう少し、という演技でしたが、あとのシーズンはこれ以上のものを見られるのだろうか?というのが毎回みられました。ノーミス思い出すだけでも、2015 GPF、2016 WC、2017 オータムクラシック、2018 平昌オリンピック、そして2020 四大陸。見るたびにこれより上のバラ1なんて見ることできるのだろうか?と真剣に思いませんでしたか。ブログ主はまさにそれでして、これ以上のものはなにちがいないと何度もリピ。
ところがそれがくつがえされることが少なくとも4回おこってます。
また、このプログラム、よくこの曲をえらんでくれた、というもので、同じ曲を編集したというのに実に表情ゆたかでないですか。なにもしないでただたつところからはじまって、ゆっくり首をまわして、すーっとすべっていく。立っているところで緊張しているなあと思うことが多いです。でも緊張ってよい意味ではたらくことがあるんだ、というのがよくわかるのもこのプログラムの特徴。2020年4CC版もそうなっています。もうたまらないのがこれだけひとけりですべるか?というところをみせたあと、独特、といっていい腕のラインがきれいに音をひろっていきます。いえ、腕や足下だけでなく全身で音をかなでていくのがわかる演技。なんともいえないすべりをする選手であり、スピンの間中、手をひらひらさせて音と同調していくのは前からみてました。今シーズン、首の使い方、上半身の表情のだしかたの進化がすさまじかったのですが、この演技でもすごくわかります。そう、その点でも現時点ではこれが自分にとってはベスト演技です。おそらくまた次にやるときにもかわるのでしょう。ライブ感があるというのか、すべてに時分の花があって、それがかわっていくのみているようだというのがいいのか。
その一方で、
羽生君のもつライブ感がでまくっているのをくらべるのも実にたのしい。
なんだかみんなみたくなったので、上にあげたバラ1をみんなはってしまいましょう。
あらためてみてみると、すべておなじものがない。ここまでちがいますか。たしかにケガがあったりして、何度も構成かえたし、振付もかえてますけど、でも基本コンセプトは同じプログラムのはずですよね。いったいこれは。そう、振付が微妙に変化しているというのもあるけど、それにしても、です。なんて感触がちがうことか。
2015GPF
2015 GPFって勢いがありますねえ...ん。NHK杯の自分超えを果たすという決意があったためか、ある意味、凶暴な力が底にあるというか。うん、フィニッシュの顔つきはNHK杯のときのようにこわすぎる、というものでもないけど、阿修羅さんの演技ですねえ。
2016 WC
その数ヶ月後のほうは、リスフランの問題を公表する前の試合です。またえらくちがう。2020をのぞいてみんなどこかケガがある。一流アスリートが完全に健康なときはほとんどないといわれていますけど、この3A、最高です。入りもすばらしければ、着地後の流れももうなんともいえません。ジャッジは全員3つけてますが、今の11点制なら全員5以外は許されないジャンプですね。
2017 Autumn Classic
2017 Autumn Classicのときのも結局、ケガがあったので用心のためFSは構成おとしているのですが、SPもロステレのときのように4Loには挑まず、4S,3A,4T3Tの構成でした。その分、緩急がすごくでてきていて、バラ1の芸術化がすすんだ、といっていいんでしょう。そういえばこのとき以来、アンジェロさんはマッシミリアーノさんとの対話で、SPの構成は4S、3A、4T+3T最強説をとなえてますね。これと、このあとのロステレコム、オリンピック、2020年4CCみるとたしかに、と思ってしまう。
2018 平昌
オリンピックはまたすごかったですね。あのときはケガは実はなおっていたのか!?なんて勘違いしてはしゃぎまくったものでした。2015あたりが紅蓮の炎を秘めたものだったとしたら、オリンピックって、青い炎が静かに燃えてました。勝つ、と揺るぎない決心をかためていて、そのために何をしたらいいのかを知り抜いた上で頭は実に冷静に、でも(いつものとおり)ハートは熱く、という演技でしょうか。2016WCあたりにくらべると着地ちょっと流れないような気がしないでもないです。やっぱりケガがなおりきらず、痛み止めのんでいた影響があったのでしょう。あの演技でもか、というかんじですが。
WCでこれ以上の演技が見られると信じて疑いませんでした。だけど、中止になりましたし、延期開催の見込みもあまり高くなさそうに思います。競技でこのプロやSeimei Ver.3を見ることってあるんだろうか、なんて思いつつ、このシリーズはここで終了したいと思います。
といいつつ最後に一つスロー解説しているやつを。われながら、どれだけしつこいんだ(^_^;)エレメンツはもちろん、ステップの名称おぼえるのにも役にたちます。冒頭のスリーターンがめちゃくちゃよくわかります。これをみて、コロナ終息後の試合やアイスショー再開にそなえようではないですか。左足踏切がサルコーとか、説明がところどころ、あれ?みたいなところもあるのはご愛敬です。たぶん、トウループとのちがいが頭にあるのでしょう。