1分30秒くらいのところで、先日成功した4Lzの動画がでてきます。

 

FaOI神戸公演最終日で、よい4Lzを跳んだ、という目撃証言はたくさんあがってました。GOE 5のジャンプだった、という声も。

でも、見てなかったのです。明日の関西ローカルでやってくれるかなあ、でも最終日だし、なんて思っていたところ...

テレビ放送ですでに流れていたのですね。Twitterに投稿されました。あいかわらずうめこみに失敗しているので、リンクをはっておきます。

https://twitter.com/max_ambesi/status/1139153910160068609

動画の投稿主はマッシミリアーノさん(爆)来季も生きがいがあってよかったですね。引退したあかつきにはぜひ、ぶあつい羽生本をかいてくださいまし。

こんなコメントついてます。マッシミリアーノさんの興奮がわかるというもの。いえ、それだけの価値があるのです。

Really deep outside edge, perfect take-off, great height, wide lenght, textbook body position and very good landing.
This is a real and effortless Lutz, this is an awesome Quadruple Lutz.
Ladies & Gentlemen:#YuzuruHany
#羽生結弦
What's Next?

以下、ご参考に。
本当に深いアウトサイドエッジ、パーフェクトな離氷、すばらしい高さ、幅と高さ、教科書にのせたいような体位、非常に優れた着氷。
これは本物のエフォートレスなルッツだ。これはおそるべき4回転だ。
みなさん、#YuzuruHanyu 
#羽生結弦
今度はなにがくるのか?

body positionは直訳しましたが、自分の好みでは身体の位置、とか、姿勢にしてしまいたいような気もします。でもそれだと微妙に意味がちがってくるかも。


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そうですね、すばらしいルッツです。大満足です。みられてよかった。マッシミリアーノさんの評価どおりでしょう。the 4Lzみました。この動画、投稿してもらえてほんとうにうれしいです。

強いて難癖つけるなら、着氷です。膝で救ったかんじの2017のロステレコムよりよほどかいい着氷ですが...

着氷だけ、perfectとかtextbookとか、awesomeとかつかわないで、very goodにとどめてるでしょ?ええ、もっといい着氷できるはずです。暗くて狭いリンク条件、直前にコラボとフィナーレをすべって体力的にたいへんだった、という悪条件から考えると、非常に立派なものです。でも、なにかの動作をただちにつけられそうなものではないですよね?羽生君ときたら、ジャンプおりたら、すぐにステップやらムーブメントにはいりますよ。

おそらく、来季は当面は4Lzが最初のジャンプになるはずです。体力的には余裕があるでしょうし、氷の条件はアイスショーよりもまずまずいいはずです。もっといいものがくる可能性はきわめて高いです

だからGOE4か?次のよりよいパーフェクトな着氷のために点をとっておくべきか、なんて考えが頭をかすめるのですが、いやいや、そういう採点のしかたはいけません。項目みたしているかどうかで決めるべきですよね。

ということで

Communication No. 2254  https://www.isu.org/inside-isu/isu-communications/communications/21211-2254-s-p-levels-of-difficulty-and-guidelines-for-marking-goe-2019-20/file

をみてみましょう。日本語版はたぶんまだです。p.6にジャンプのGOEガイドラインがあります。

1) very good height and very good length (of all jumps in a combo or sequence)
2) good take-off and landing
3) effortless throughout (including rhythm in Jump combination)
4) steps before the jump, unexpected or creative entry
5) very good body position from take-off to landing
6) element matches the music 

1~3まではGOE4と5の必須要素です。かんたんにいくと、
1)高さと幅
2)離氷と着氷
3)エフォートレス
4)ジャンプ前のステップ、予想外またはクリエイティブな入り
5)離氷から着氷までのボディポジション
6) 音楽との一致

1)、3)、5)は文句なしです。おそらくプログラムにいれたときに6)が達成されないはずがありません。あの離氷までの短さを考えると、おそらく、いつもの通り、ジャンプ前の入りに工夫をこらしてくるでしょう。

問題は2)ですよね。離氷(ランディング)はまったく問題がない。着氷です。ここで意見がわかれそう。8割のジャッジはよい、とみなすと思いますが...

冷静に客観的にいくと、2)の着氷がOKとみなされれば、目撃者の採点通り、GOE5、着氷がOKでないとみなされれば、4)以降のものがパーフェクトであってもGOE3になるのでしょう。

でも、WCで、1)、4)がまるで満たされておらず、着氷が少々あやしいネイサンのジャンプにジャッジは4や5をつけました。1)が満たさないからGOE2か3どまりのはずですが。180度のプレロとみなしていいのじゃないの?と思えるヴィンスにも4がついている。

アメリカの二人に1)~3)の要素をみたさなくても4以上をあたえるのであれば、このレベルのジャンプを試合でやった場合はGOE4か5にしてほしいものです。

ところで、前に、羽生君は4Lzの形をかえたの?なんて書いて、コメント欄でそんなことはない、というご意見をいただきました。

これをみて、自分の勘違いだったことがよくわかりました。跳び方はかわっていません。ただし、高さは2017よりおさえてコントロールしています。

おそらく、ですが、

2017のロステレコムのころは、まだコントロールが不十分だった、なにがなんでも成功させたいと思うあまり、試合では高くとびすぎた

ということだったのかも。

あれは、すばらしい膝で救いました。ああいうのが続くと膝いためそうだけど...

羽生君のルッツは失敗するときは「高さがですぎる」という傾向があります。一時、3Lzがお散歩していたじゃないですか。あのときもそうでした。疲れてきて、コントロールがきかないのか、4Lzを練習しているという証拠なのか、よくわからないけど...と思っていたのです。おそらくは、カウンタージャンプであるルッツは他よりもまわりきるために高さが必要、というのが頭の底にあるのでしょう。それで、高く跳びすぎの状況ができてしまう⇒失敗につながる、という関係じゃないかしら。

楽しみにしていいと思います。おそらく来シーズンは当面は冒頭に4Lzがくるのじゃないかと予想します。

 

それにしてもここのところ、コメント欄で教えていただいたことばかり記事にしてますね、、、