国別対抗戦が多いんですよねえ...シングルは?みたいな点はWC、国別ででましたが、アイスダンスはSBで当然よね、みたいな演技がかなりありました。
コメント欄で、今やシングルとカップル競技の乖離はかなりのものかも、なんてやりとりしていまして、あたらめて自分が、一つ一つの技術に対する理解度はとぼしく、テレビ放送もなかなかしてくれない(よってまともに解説をうけられないから自分の能力の範囲内でしかみられない)アイスダンスを楽しみにみている理由を考えてしまいました。結局、
1.ジャンプ偏重になる傾向が高いシングルにくらべて、滑りを楽しめる。
2.音楽表現がしっかり考えられている。シングルはジャンプをはじめとするエレメンツを決める事が一番大事、と考えているのかな、という演技が多いのに対して、アイスダンスは滑りで音楽表現をしなければ価値がない、と考えているのだろうな、という演技ばかりです。
3.独創性がある。リフトとかみると、よくもここまでいろいろ考えられるな、という感想をもってしまいます。シングルは同じ技をつかいまわししているなとか、基本の形はできているけど、工夫はしてないよね、と思えるものがけっこうあるので...
ということのようです。どちらにせよ、今、アイスダンスはおそろしくレベルが高く、さらにはコレオのパターンが増えたこともあって表現幅が広がり、みないと損という状況に思えます。
1位 ガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロン 国別対抗戦
この組の数少ない欠点って、リフトでした。ギヨームは背はありますが、力がありそうなかんじがしませんものね。ガブリエラがリフトの時に動かない、っていうのが基本でした。ところが、なんでしょう。この冒頭のステーショナリーリフト。これだけ動きのあるリフトをやったのはパパシゼ史上はじめてじゃないかしら。そして、どこよりも美しい...なんとこの国別ではジャッジ全員が5をつけました。
アイスダンスのGOEは
https://www.isu.org/figure-skating/rules/id-handbooks-faq/17529-grade-of-execution-of-required-elements/file
でいいと認識していますが、+5というと8つをこえる要素をみたしていて、マイナス面はないということで...あと、このプロ、神々か、動く美の彫像かのようにみえたパパシゼが、地上に降りてらしたのです。これまでにない温かさ、やさしさ。つまりどんどん進化していっているわけですよね。それにしては神々しすぎるけど...スケートってこれだ、というのをみせてくれる組です。北京までに迫ることができる組ってあらわれるんでしょうか???
2位 ケイトリン・ウィーバー/アンドリュー・ポジェ 国別対抗戦
このプロ、もう、涙ぐまずにみられません。デニス・テンへのトリビュートだというだけで胸がいっぱいになる、というのはもちろんあります。同時に重力というのが消えたようなやわらかさ、エレガントさ。軽さ。もともと静かにすべる組とはいえ、長身カップルです。それがこの天上のようなエアリーさをみせてくれるなんて。
これだけエアリーにすべった代償はあるのかもしれません。ワンフットが認定されていませんし...
でも点数などなんだというの、という気分になるパフォーマンス。振付はカメレンゴです。お出迎えしてますよね。コーチにももどったのかな?というのがRDの振付が氏ピルバンドなんです。たしか、カメレンゴとシピルバンドはチームで教えているはず。
3位 ヴィクトリア・シニカツ/ニキータ・カツァラポフ 国別対抗戦
2018-19年シーズンを通して大きく前進した組がこのシニカツでした。RDでは、欧州選手権であれれ、というミスがツイズルででて、停滞したときがあったのですが、FDはほぼ一直線二のビタのじゃないかしら。シーズン最初のほうは、今年もやはりカツラ氏の独走と自爆か、とにやにやしたものです。それがシニツィナのケガのせいか、ラストのところでえらくカツラ氏が一人で動いて、それなりにまとまったので、あれ?と思ったら、ファイナルではすっかりカップルの演技をしていたという。で、最後にはこれです。なんなのでしょう。ここまでシーズン中に伸びて、カップルらしくなったアイスダンサーってほかにいたかなあ。しかもフルパワーで最後までもつなんて。来シーズンはもっとよくなるのを期待したいところ。そのうち、余裕があれば(散々、笑いのネタにしていた)過去のNHK杯をみんなみて、検証して楽しもう、またにやついちゃうもん、などと思っているブログ主はやはりどこか邪悪なんでしょうか(^_^;)
4位 マディソン・ハベル/ザカリー・ドナヒュー 世界選手権
昨年、WCで銀メダルをとったこの組、今年はかなり強いだろうと予想されていました。そしてシーズン前半は順調そのものでした。USクラシックで118.31だった得点はファイナルには124,82となり、もうこれは留まるところを知らないだろうと。もちろんその間、1位が指定席となってました。ところが、四大陸ではまさかの失敗があり、4位に。そしてむかえたWC。僅差でRDでは4位だったのです。もしかして表彰台からこぼれおちるのか?なんて思っていたら...もう大戦闘モード、もてる力はすべてだしてくれたのではないかと。2位になったシニカツとの差はほとんどありますまい。ジャッジの好みと、順番の差がでただけのような。この推測が正しいとしたら、来季はどうくるか、実に楽しみです。パワフル、というどこにもない大きなプラス要素をもっているのですから。
マディソンが左手薬指に指輪をはめてますね。WCに出場できなかったフィアンセは来シーズンはともにWCにでたいところじゃないかな。ちなみに、マディソンとディアスの身長はほぼ同じです。
5位 マディソン・チョック/エヴァン・ベーツ メンタートルン杯
チョクベイ、お帰りなさい!だったこの演技。実力者なのに、マディソンの足首のケガの影響がでて、オリンピックシーズンはうまくいきませんでした。そして、マディソンの手術とコーチ変更。ケガがなおったせいだけなのかしら?スケーティングが前よりもいいような気がするのは気のせいですか?また、この組の個性を十分に生かすプロがきました。エルヴィス・プレスリー&マイケル・ブーブレ 「フィーバー」 ~ 「バーニング・ラヴ」という曲からして、これぞチョクベイ。しかも、振付もすてき。代表作にしていいようなものじゃないですか。メンタートルン、全米、四大陸、世界選手権でみられたとはいえ、まだみたりませんよ!1シーズンだけかなあ。いっそ継続してほしいけど、アイスダンスで継続プロってありましたっけ?
それにしてもメンタートールン杯って観客がいませんね...