メンタルの病気、ということで、GPSを欠場したガビーが、今度のカナダ選手権でかえってきます。過去、ジュニアのころに1度、シニアで2度優勝をしており、今回はシニアでの3回目に挑むことになります。
ガビーのメンタルヘルスについて触れているのが、こちらの記事
https://www.cbc.ca/sports/olympics/figureskating/gabrielle-daleman-s-mother-on-her-daughter-s-mental-health-battles-1.4977673
全訳する元気がないので、あらましだけ。
筆者のPj Kwongさんは、ガビーは”虎”だと考えています。ガビーのお母様のロンダも寅年生まれのガビーはそうだと思っているとか。でも、それはあくまで氷上のこと。氷を離れるとそうではない、というのがロンダ(発達心理学の修士号をもっいて、大学で教えているという人です)言葉です
"Athletes who are attracted to figure skating are perfectionists, which is about being concerned with the achievement of perfection,"
「フィギュアスケートに見せられるアスリートは完璧主義者で、完璧にやりたいと考えています」
これがどうやら、ガビーが問題を抱えた背景だったようです。もともとガビーにはADHD(注意欠如・多動症)、学習障害があって、学校でいじめにあっていたといいます。氷上の姿をみているとわかりませんでしたけどね。野生の動物みたいで、それこそ虎という表現がぴったり。摂食障害も一時かかえていたかも。それを乗り越えてきたのです。
でも今年はやたらにプレッシャーがかかる年だったかもしれません。ケイトリンがいなくなった今年、カナダ女子に対する期待はガビーにすべて集まりましたから。期待にこたえるためには完璧にしなければならない、というプレッシャーがきつすぎたのかもしれません。記事にあがっているのはかなりつらい症状です。倒れて頭をうったのがまず最初。脳震盪の症状と思われたようです。気鬱、不安、視覚障害。でも脳震盪だけでは説明がつかないものもあったようです。氷の上で泣き崩れたり、疲労感を訴えたり...
まずは健康を取り戻すことが大事、すでに国内チャンピオンになり、WCで銅メダルもとり、平昌の団体戦でメダリストになっています。これ以上、アスリートとして何かを求めるよりも、健康が第一、というのがお母様のスタンスのよう。そりゃ、そうでしょう...
でもね、スケートファンとしては、元気になって氷上に帰ってきてくれるのをみたいのです。
いずれにせよ、だいぶんよくなっているようで、カナダ選手権に帰ってきます。シニア女子はSPが現地18日(日本時間では19日の深夜2時20分)、FSは現地19日(日本時間では20日)です。たぶん、日本時間で朝の5時すぎからはじまる第3グループにはいるでしょう。
Twitterでガビーをフォローしているのですが、なんとか自分を勇気づけようとしているのか、ポジティブな言葉を並べているときがあります。よくなりたい、よくなろうとしているのじゃないかな...
どうしてカナダ男子はあれだけすばらしい選手がつづいたのに女子はいないのだろう、なんて長いこと思ってました。ジョアニー・ロシェット、ケイトリン・オズモンド、そしてガビーがやっとでてきたぐらいでしょうか。考えてみると、筋力のパワーをしっかりだせるタイプばかりです。スピードとフローをみせながら氷上を十分に使っていくカナダのスケートって、パワーがいるかも...女子はどうしてもダイエットに走りがちですが、度がすぎると、このカナダらしいスケートってできない、ということかもしれません。ロシア的な滑りなら、過酷なダイエットを伴いながらもなんとかできるかもしれません。なんというか、重みをあまりかんじさせませんよね。あと、スピードがでているというかんじもない。できるだけジュニアのままの体型、軽い体重ですべろうとしてることが多いです。疲労骨折やら拒食症やらのリスクは高そう...
個人差ありますが、ロシアがロシアバレエの氷上版を理想として、軽くほっそりとというかんじとしたら、カナダのほうがよりスポーツよりで筋力のパワーがあります。ごついともいいますけど。ペア競技でも、カナダの強いペアって、みなさん、なかなか強烈ですもんね。テッサ・バーチューなんてスコットを食うんじゃないかというぐらいパワフルなところあるし、150 cmない小柄なメーガン・デュハメルにしたって、40 cm近い身長差をものともしないパワーを秘めた滑りを見せてくれていました。対象的だったのが旧ソ/ロシアのエカテリーナ・ゴルデーワのすべり。古い人ですが、滑りを思い浮かべられますかね。クラシックバレエの天上をめざす軽さと似た感触がありました。浮いているみたいなかんじで。
筋力のパワーをかんじさせる滑りをやるためにも、健康がなにより大事。パーフェクトにやることなど考えないでいいのです。元気な姿が見られますように。ISUのプロファイルみると、FSのサムソンとデリラしかあがってませんが、SPはUSインターナショナルのままだったら、持ち越しでカルメンのはず。ガビーのカルメン、おととし、試合の前に練習画像が少し流れましたが、大いに衝撃を受けました。あんな野性的な(それこそ虎か大きな山猫みたいな)カルメンを氷上でみたことなかったので。昨年のカナダ選手権あたりはけっこうよかったとはいえ、あの練習画像の衝撃まではいきませんでした。あのレベルのものが、カナダ選手権は無理でも、WCあたりでみられると思いたいものです。
USインターナショナルのときにはすでに体調がよくなかったのでしょう。サムソンとデリラはあいそうなプログラムでしたが、ミスがあいつぎました。でも、ジャンプで面白いこころみやってたんですよね。これまで3T+3Tで女子で唯一となる満点をとったガビーですが、あのときは3Lz+3Tをとぼうとしたのですセカンドは2Tでしかも回転不足でしたけど。さて、カナダ選手権ではどういう構成にするのでしょうか。
