ボーヤン・ジンがクリケットチームの練習に参加しているのですが、どうやら短期だけでなくて長期的なものになるのではないか、という記事が流れています。中国の記事が翻訳されていたのでリブログしてみました。翻訳ありがとうございます。

ボーヤンは、非常に明確な踏切、回転不足のない細い回転軸、ジャンプの降りで(成功すれば)こわいなあと思ったことがあまりないというとても優れた4回転ジャンパーです。4Lzなんて史上最高レベルじゃないの、って思うんですけど、そのわりにはGOEがついてないような気がするので調べてみました。

2017年の4LzのGOEだけならべてみます。コンビネーションジャンプは含まず、単独だけです。すべてFSです。
フィンランディア杯  2.17
中国杯        -0.51
スケアメでは故障のため回避
4大陸         2.71
オリンピック     1.71
世界選手権      -4.00

フィンランディア杯、4大陸、世界選手権はともかくとして、オリンピックはこんなに低いの???と思った覚えが。他の選手とくらべるとわかるかもしれません。

ネイサン・チェン(すべてFS)
スケートアメリカ  1.14
グランプリファイナル -2.86
オリンピック    1.57
世界選手権     2.14

ネイサンのSSは過大評価で4回転ジャンプ込みの点数になっているんじゃないか、と正直思っているのですが、ジャンプは4Lzに関してはそうかな、というGOEです。ジャンプそのものの質はボーヤンのほうがきれいにみえる、という評価をジャッジもしているんですね。回転軸はバレエを連想させるものなのですが、なんでもミーシン方式でやっているのだそうで、空中姿勢は非常に美しいです。エッジ系の降りは正直、まだこわくて、いつかケガするかもとか、スケート靴が次々にこわれるのもしかたあるまい、と思えるのですが、トウ系の降りは悪くないかもしれません。ただし、ジャンプ前後に難しいステップをいれることができそうというかんじではないですので、GOEをあげるのはむずかしいかも。

この二人は回転不足のない4Lzとぶ選手です。コリヤダも決まればそうだと思うんですが、昨シーズン、まともにきめたのをみたことがない...確率が低すぎるのが問題ですよね。あとはどうだろう。アリエフのオリンピックでのコンビネーション(4Lz+3T)はあれは、なんだったんでしょうね。レビューがはいればほぼまちがいなく回転不足判定がでたはずなのに、レビューがはいらずプラス評価になったという(^^;) ヴィンスのジャンプはタノをつけるものですが、ジャンプ前後の問題をのぞいても、どうも回転不足にみえること多くて。羽生君がロシア杯でやったかっとびルッツは1.14がついてますが、なにせ試合で試みたのは1度だけですから、質がどうのとはいえない状態でしょう。

ともあれ、GOE上も、ボーヤンの4Lzは評価されている、と考えてよいのでしょう。評価されていないような気がしたのは勘違いだったようです。こんな印象をもったのは、オリンピックの点がからいと思ったのが大きいのかも。が、まだ満点はとれていないという事実があります。来シーズンからさらにGOEはきびしくなるのです。それに、上達はしたとはいえ、まだまだスケーティング、表現などは伸ばす必要があるでしょう。

ついでに書いておくと、シニアデビューのときをみなおしてみると、下をむいていて、表現になっていないもくもくした滑りだったとはいえ、エッジを使おうという意識はあったし、そもそもリズム感は悪くない、という印象を受けました。スケーティングを一からやりなおさなければならない、というかんじではないし、やや怪しいリズム感をおぎなうための練習をしないといけない、というかんじでもなかったような。一年目も、顔をあげて、アピールすればもうちょっと点数がでたんじゃないかしら。二年目以降でPCSが伸びてきているのはそういうことなんでしょう。

でも、あと一押しがたらないかな。たぶん、基礎のスケーティングの部分が問題なんでしょう。ジャンプ前後の問題はありますが、あれは基礎ができてからこそできるもの。

たとえばSPの単独ジャンプの前のステップ。この要件は昨シーズンは文言だけ厳しくなって、採点には全然影響しなかったです。ボーヤンもかなりあやしいです。まあ、許容範囲といえば許容範囲かなあ...でも、ネイサンとか、昌磨君とかはかなり問題があるにもかかわらずマイナスされず、GOEついてましたからね...結果、ちゃんと要件を果たしている選手が損という、不可解な判定になってました。来シーズンはなにがなんでもこの点をなんとかしてほしいです。ステップがなければGOE-3以上が妥当じゃないかしら。昌磨君に関していうと、コンビネーションでいれられるし、無良君も先日のショーで苦戦していたようなイーグルからの3Aとか決められるのですから、基本的には能力はあるはず。たぶん、ジャンプの種類の問題なんでしょう。4Fあたりの前にステップいれたら回転数がかなりあやしくなるんじゃないかな。昨シーズンは、あの4Fは4Loもどきでしたが...昌磨君はジャンプの質をオリンピックの後にいってましたので、来シーズンはどうにかしてくると思いますが。

ボーヤンに話をもどすと、まだまだ漕ぎも多いかなあ。

このあたり、クリケだときっとトレイシーがしごきまくってくれるでしょうから、すぐには無理でも北京までにはスケーティングは上達すると思います。

さらにはジャンプ前後がかわってくるでしょうね。もっと時間はかかるでしょうけど。2年前にSPを初お披露目したときに濃くなったトランジションにはねかえされて跳べなかったかんじで、以来、少し控えめにしてますからね...子供のころからイーグルの後、ジャンプを跳ぶ練習をやらされてきたような人と一緒にしてはいかんでしょう。でも、トレイシーがとくとくと話してましたが、クリケは、むずかしいとわかっていても、ジャンプ前後につめこめる方法を練習のときからやらせているそうですので、個人差はあれ、かなり改善されるんじゃないでしょうか。

 

うん、4LzのGOE満点はないとしても、3点以上ってのをぜひみたいです♪ボーヤンのPCSがあがるのも楽しみです。ブログ主はボーヤンの愛きょうにやられているところがありますので、金はともかくとして、北京でメダリストになるのをみたいという気持ちがあるんですよ(笑)

クリケにもともといる人たちにとってもいい刺激材料になるのはまちがいないですしね。なんといっても研究材料になる質のいい4Lzが間近でみられるんです。(基本的に)ハビがいなくなるので、ちょっと心許ないような気がしていたんですけど、ボーヤンがくるならクリケ男子はチームとして十分に機能するでしょう。もっとも来シーズン以降、ジュンファンはくるよね、と予想してますし、ゴゴレフ君がジュニアの台風の目になるのほぼ確信していますが。

ボーヤンが本当にクリケに移籍するとしたら、本人にとっても、クリケにとっても、とてもいいことかも。中国にとっても、といってもいいですけどね。オリンピックの開催国となれば、やはりメダルはねらいたいでしょうから。