こういうのを見かけたので、保存のためにここにはっておきます。この間の世界選手権のときの男子ジャンプ(羽生、宇野、フェルナンデス)を比較した動画。なかなか面白い比較になってます。
いいたいのは、羽生君のGOEは低すぎる、ということ。
たしかにこの動画を見ていると、そうかも?って気がしてくるんですね。でも、ホントに公平な主張か、この画像がその証拠になるのか?となると、う~ん...
まず、きりとってあるところがかならずしも正確で公平な比較となる部分を選んであるの?という疑問はでてくると思います。10:00ごろからはじまるハビの3Aのスローはその前にやってるステップがぬかれてますし...もう少し長めにみたら、ハビのは3ついてもいい質のものじゃないかしら。自分もそうなんですけど、ジャッジと同じように、3つけた視聴者っていたと思うんですね。
もう一つは、実際のジャッジ席からの見え方と、カメラにうつったものとの見え方がちがうんじゃないかって疑問がでたこと。
音のちがいもあるでしょうね。動画にはスケートの音はそれほどはいってないですが、ジャッジ席はもろにスケートの音が聞こえるはずです。たぶん音で調子をはかるジャッジは多いんじゃないかしら。それがGOE判定に影響するってことはありえる話です。
それから根本的な問題も。あとで選手同士でくらべてどうの、というのは後付けでできることです。ジャッジがGOEを決める時は瞬間的に決めるのであって、選手間の比較で決めているわけではないと思います。たぶん、個々にそなわっているGOE判定機能を駆使したそのジャッジなりの絶対評価では。もちろんこのGOE判定機能は瞬時に判定できるように、ガイドラインに基づいてジャッジが努力して、訓練して身につけたわけです。選手間の比較はたぶんしない、ただし、その人の好みは色濃く反映されているでしょう。
強い選手になればなるほど、GOEは選手間同士の比較というより、その選手の個人比で点がつく可能性はあるのかもしれません。自分がそうだから、というのが最大の根拠なので、例によっていいかげんな説だということは認めます(^^;)
どういうことかというと、たとえば羽生君の3Aって、ジャンプのGOE評価3になる要素は基本満たしているまず失敗のないジャンプです。それでも微妙にでき、ふできはでます。
たとえばNHK杯のときの3Aとグランプリファイナルのショートの3A。NHKは文句のないできで、GOE3(実際にその点がつきました)、それに対してグランプリファイナルは、GOE3がつくだけの要素は満たしているのですが、NHK杯とくらべると、ジャンプ後のフローが若干足りませんでした。そうなるとやっぱりGOE2か、って思ったんですね。でも、3ついても不思議ではない。あとでジャッジスコアみると、1(1人)、2(4人)3(4人)とみごとにわかれていて、笑えました。結局2.43がついてます。しかし、他の選手がグランプリファイナルのレベルのジャンプをとんでたら、GOEはどうなったのでしょう。3ついたような気がします....
GOEが平昌の後、-5~+5にかわる見込み、という記事を読んだことがあるのですが、上の例を考えると、それもいいかもしれません。現在のGOE3の基準はそのままにして、それ以上の要素があれば4とか5とかつけるということでしょうから。そうすると、NHKが4か5、グランプリファイナルは3となるはずです。同じ優れたエレメントでも、1試合につき3まではでることが多い、4、5はそれこそ数が少ないけれどもたいへん優れたもの、ということにすれば、より公平になるのでは。技術に優れた選手が損するシステムというより、得するシステムになると思うんです。
話がそれました。上の比較ビデオは楽しむのにはいいし、今後のジャッジのスキルアップの参考にしてもらうのは大いに結構だと思います。ここはもう少し改善してほしいとか、いう要望をだすのもいいでしょう。でもジャッジ批判の根拠にするにはちょっときびしいんじゃないでしょうか。
