総合結果
1位 ヴィンセント・ジョウ 258.11
2位 ドミトリー・アリエフ 247.31
3位 アレクサンドル・サマリン 245.53
4位 アレクサンドル・ペトロフ 243.47
5位 ジュンファン・チャ 242.45
6位 ダニエル・サモヒン 232.63
1~5位の得点は、歴代ジュニアの1~5位に相当するそうです。なんだ、それ。
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ヴィンセント・ジョウ(ゾウ?)が4Lz、4S+3T、4Sと3つの4回転を決め、ジュニア歴代最高の179.24をたたきだして、見事優勝。もっともホントにジャンプなどエレメントはすごかった、全体は、う~ん、というものでした。あきらかにSSが上位6名の中で最も劣ります。INもイマイチ。つなぎはジャンプのために犠牲になったようにみえました。あと所作も改善の余地ありですねえ。でも4Lzが決まるとやはり強いです。なんだかジャンプで順位が決まってしまってますが、このあたりルール改定でどうなるんでしょうか。来季はシニアですかねえ。ボーヤンより下ぐらいのポジションかなあ。
FSの2位は、SPで乗り遅れたサモヒンでした。前半はすばらしい出来。後半4Tの転倒からリズムをくずしたのでしょう。細かい点のとりこぼしがみえました。しかし、SSは7.97と、アリエフについで高い評価を得てます。滑りは非常によかったです。やはりシニアにもまれただけのことはあるのでしょう。しかし、出遅れたとはいえ、昨年2位のナドゥーの224.76をうわまわっているんですけどねえ。今年のレベルはいったいなに...
アリエフは冒頭の4Tで手をつく、3Fで回転不足になると、ジャンプミスがありました。ロシア選手権もたしかジャンプで苦しんでいたような記憶が...しかし、高いSSと細やかな表現力、TR(つなぎ)、INは圧倒的でして、PCSはトップの79.58。非常に洗練されたプログラムです。
サマリンは細かい点は着氷が乱れるミスがでましたが、それでも4T+35と4T単独を回りきって、GEOの1点以下のマイナスですませました。
ペトロフはこれまで国際試合で4T跳んでなかったと思うんです。ロシア選手権はどうだったかしら。ちょっとおぼえてないのですみません。ともあれ実績はほとんどない中、へらっと跳んできました。GOEがマイナスがでたとはいえ、成功は成功です。3LzもGOEマイナスがつきましたが、全体としては悪くないできでした。
ジュンファンはたいへん濃いつなぎのプログラムをやってきました。アリエフの7.79につぐ7.29というもの。その影響か、単に後半になってつかれたか、後半4Sで回転不足と転倒があり、-4.00の減点がつき、その次の3A+1Lo+3Sも回転不足判定がついて-086になったのが残念でした。この2つのミスがなければペトロフ、サマリンをぬくことができましたから。途中、こいでしまったところとかもあり、SSも伸び悩みました。INの7.61も伸び悩んだかんじがあります。しかし、FSの曲調はSPよりもしっくりきているでしょう。どうみても身長、幅ともに増えたのでたいへんだったはずです。上位グループ最年少の15歳だということを考えると、大健闘でした。
さて、日本人も書いておきます。2枠は確保できたようです。友野君が9ポイント、高志郎君が14ポイントで23ポイント。出場組が2枠になる条件は合計が28ポイント以下、3枠だと13ポイント以下ですから、2枠だと思います。
友野君はFS7位で、総合は9位と大健闘をみせました。4Sが回転不足で転倒があり、GOEが-4.00、3A+3Tは-1.43、3A単独も-1と、高得点ジャンプは成功していませんが、3回転はGOEはつかないまでも安定していました。これが7位にすべりこめた理由でしょう。曲もSPよりこのプロのほうがあってると思います。エンタテイナーの素質がよくわかります。SPはよくない選択で、滑りやもろもろの粗さが目立ち、強い音の表現もできていませんでしたが、リズム感そのものは悪くないんでしょう。音楽とともにツイズルやるところとか。腕の使い方もSPほど気になりません。来期は重い曲やクラシックは回避して、ぜひ軽やかなプロで勢いよく、勝負してください。いろいろ課題はありますが、一度に解消はできませんから。スケーティングの向上は必須です。
高志郎君は、SPの12位から順位を落としてFS13位、最終結果は14位でした。SPから気になっていたのですが、もしかして成長痛があるんじゃないかしら。3A回避だけでなくてスピンのポジションがどうも気になるのです。たぶん膝のあたりからの印象です。前はあんなのではなかったような。そもそもトリプルでミスする選手でないはずなのでどこかバランスをくずしているように見えます。練習でも追い込めなかったのかもしれません。手が大きいので、おそらくまだまだ伸びるんじゃないでしょうか。練習たいへんなのがまだつづくかも...音楽はよくきいていて、メロディにうまく気持ちをのせて表現できるタイプです。体を大きく使おうという意識もあるのはいいかと。今後はどうやればもっと効果がだせるかですよね。腕の使い方には工夫ができるし(バレエのボールドブラみたいなのをパターンとして覚えるのがはやいと思います。あれは丸く腕を使う上に、型がきまっていますから、はめ込むことはできるはず)、なんといってもスケーティングそのもので音楽が表現できるようになるのが一番です。男子は3Aと4回転を数種類とべないと勝負できない時代になってしまってますので、ジャンプだけでもたいへんですが、まだ時間はあります。ジャンプがなかなか習得できなくても、他をみがいて、ジャンプが跳べるようになったとたんにトップに躍りでた例が日本にあるじゃないですか。
追加:インタビューによると腰痛とか。
動画の目安になる時間です
友野一希 第2G第2滑走(8番目) 1:08:06
ダニエル・サモーヒン 第2G第4滑走(10番目)1:23:30
島田高志郎 第3G第2滑走(14番目)2:18:35
ヴィンセント・ゾウ 第4G第1滑走(19番目)3:04:51
アレクサンドル・ペトロフ第4G第3滑走(21番目)3:21:15
アレクサンドル・サマリン第4G第4滑走(22番目)3:28:58
チャ・ジュンファン 第4G第5滑走(23番目) 3:36:59
ドミトリー・アリエフ 第4G第6滑走(24番目)3:44:47
他にお目当ての選手だけみたいときは、下を参考にしてだいたいの時間にあわせてみてください。

