2015/16年シーズンでできた流れは、一気に新しいジャンプ二種類の登場を呼びこみました。

 

まずは2016年4月22日にフリップが登場しました。

 

昌磨くんがサルコウとルッツを練習してるのはインタビューで言ってましたので、知ってました。どちらかそのうちいれてくるよね、と思ってたのが、まさかのフリップ。試合で挑んだ人自体がほとんどいないジャンプです。これは本当にびっくりでした。

 

それも練習してわずかな期間で曲の中で決めるようになってしまいました。世界選手権でよくなくて、楽しいことをしようとして練習で試したら跳べてしまった、なんていってましたね。ただもう驚くしかなかったです。3大陸対抗団体戦、コーセー・チームチャレンジ・カップは4月22日、世界選手権から1ヶ月もたっていません。

 

Perform'Liveの推定によると、フリーのときのジャンプは幅258cm、高さ53cmということです。

 

 

動画でフリップを跳んでいるのは1:06ごろと3:57ごろです。

 

上の動画でも小さな昌磨くんが、ジャンプの練習しなくては、といってますが、ホント、ジャンプが跳べなかった選手でした。たしか2009年(2010年かもしれません)に、小学生のときに全日本のエキシビションに出演していて、一度ですっかりおぼえてしまったのですが、それからが長かった...なんといってもネックはジャンプ。

 

2011/12シーズンで全日本に選手として出場したときは9位、翌年は11位、2013/14年はショート6位と最終グループに残りながら、7位と順位を落としてしまいました。最終グループの中で、一人、4回転はおろかトリプルアクセルも跳べませんでした。

 

ジュニアの世界でも苦戦続きでした。ファイナルに残ったこともなかったです。ジュニアの世界選手権も表彰台にのぼっていません。ここでもジャンプが問題でした。今でも小柄ですが、昔はもっと小さくて、ピッコロってあだ名がついていたそうです。あとせめて5cm伸びてトリプルアクセルと4回転跳ぼうよ~、と見るたびにいってたのを思い出します。

 

それが2014-15シーズン、4回転トウループ、トリプルアクセルが一気に跳べるようになり、ジュニアグランプリ、世界選手権を制覇して、全日本は2位。シニアでの活躍はご存じの通りです。トリプルアクセルが跳べないで苦戦している昌磨くんに、「トウループ上手いんだから4回転練習してみなよ」といってくれた無良君に感謝です。4回転が跳べるようになると、トリプルアクセルが跳べるようになり、そして世界初の4回転フリップにつながっていきました。

 

先日は、やや回転不足でランディングも乱れたとはいえ、4回転ループをショートで決めています。

 

これだけ短期間にたくさんの4回転が跳べるようになったのは、おそらく、1~2cm伸びて(残念ながら5cmにはいたってないけど、もういいのです)、必要な筋力がついたのと、長い時間をかけてあきらめずにジャンプに挑み続けたからでしょうね。人間、すぐにあきらめたりしないで、努力を続けることが大切なんだ、と改めて思います。