グランプリファイナルの女子は、構成点の差がでましたね。メドベのショートは歴代最高点がでたとはいえ、79.21、2位オズモンド75.54、3位知子ちゃん74.64、4位のポゴリラヤが73.29だったので4位まではまだまだ逆転可能な範囲でした。
が、フリーでは結局差が広がりました。では、なぜ差がついたのか?下をみてください。
http://www.isuresults.com/results/season1617/gpf1617/SEG004.HTM
TSSは総合得点、TESがいわゆる技術点、PCSが演技構成点です。TSS=TES+PCSです。
SS以下はPCSの内訳です。
1位のメドベと2位の知子ちゃんをくらべてみましょう。
引用先:http://www.isuresults.com/results/season1617/gpf1617/gpf1617_protocol.pdf?
TESではそれほど差がありません。わずか0.99です。
今回、メドベが最初の3F+3Tのジャンプでミスがあり、コンビネーションにできず、ここでGOEが-1となりました。TSSは74.23。うち、基礎点は 62.76。それに対して知子ちゃんは3Fがアンダーローテーションとなり本来5.30がつくはずの3.70になり、-0.3失いました。
これだと、もし知子ちゃんが3Fに成功していたら?ということになりますよね。基礎点はあと1.6あがります。GOEが0だったとしたら、さらに0.3あがり、1.9。
実際通り、メドベがミスをした、という前提にはなりますが、TSSは逆転します。
でも、それでも逆転はできません。メドベの148.5に対して、合計点は144.9です。
これでわかるとおり、構成点がフリーの点差の主要原因です。
では不正ジャッジかというと...そうではないでしょう。ジャッジ9人がつけた点のうち、一番下と上をのぞいた点数の平均の得点です。ジャッジ9人ともが不正というのはまず考えられないです。
ちなみに今シーズンのメドベの構成点をあげてみます。
スケートカナダ SS 8.68 TR 8.43 PE 8.96 CO 8.71 IN 9.00 合計71.55
フランス杯 SS 8.86 TR 8.86 PE 9.00 CO 9.11 IN 9.14 合計74.22
低いほうのスケートカナダの点数だとしても、構成点は他の5人をうわまわってしまいます。合計点はTSSの74.23をたして、145.78ですから、やはり1位です。知子ちゃんの3Fが成功していたとしても、です。
実際、メドベのプログラムはジャンプやスピンなどのエレメントをのぞいても、高度な技術がもりもりです。一蹴りでたくさん進み、片足滑走が多く、ツイズルなどバラエティも多く、腕を含む上体は動き続け、しかも音楽にぴったりあい、音楽と共に物語りはどんどん進み、表現もどんどんかわっていきます。ストーリー性の強いバレエをみてるみたいです。はじめてみたときは、プログラムのストーリーは知らなかったのですが、推測した物語はインタビューで知ったものとほぼ一致したのにはおどろきました。かなり明確にストーリーを表現していることになります。
タラソワの見解の通り、少なくとも現時点では、「彼女のプロが最強だということに疑問はない。誰とも比べられないほど。大きな差がある」のです。パントマイムやサイレンなどの効果音など、いやだという意見も多いはずですが、最強なのはまちがいない。ちなみに、タラソワは知子ちゃんのこともたいそうほめています。くわしくは上のリンクをごらんください。
フリーでメドベを抜くには、構成点をすべて9点台にもっていくか、技術点で大きく上回った上で、構成点をいくつか9点以上にもっていく必要があります。メドベのGOEを考えると、技術点だけで抜くのは相当難しいでしょう。しかし現時点で誰がそれをできるのか...
もちろん、怪我やら成長期の荒波がメドベを襲ったらまた話は変わってきます。でも、それをあてにするのもどうかと。


