【お勧めの本】「探求」する学びをつくる:社会とつながるプロジェクト型学習 (藤原さとさん著) | 「成功する国際結婚の秘訣」ブログ

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我が家の次男と三男は、ドキュメンタリー映画”Most likely to succeed”の舞台となった High Tech Highというチャータースクールに通っています。

 

そもそもチャータースクールとは?という疑問については、お友達のえりなさんが書いているこちらの記事が参考になります。この記事の中にも、Charterを譲渡する主体が国か、州か、郡か、市か…といった違いについて触れられていますが、High Tech Highはカリフォルニア州の管轄にあります。

 

今日は、カリフォルニア州の教育省の代表者がHigh Tech Highの子どもたちが通うキャンパスの保護者の何人かと年に1度のミーティングをする日でした。中学校のディレクターに声をかけられて参加してみたところ、このキャンパスの小・中・高の保護者が6名ほど出席していました。

 

州の教育省の人から冒頭に「High Tech HighはStatewide benefit charter schoolです」という説明があり、後ほど調べてみたとこ

ろ、こちらのサイト
 

"Statewide benefit charter is....a status granted to an organization that can prove its schools will provide a “distinct value” to the entire state."

 

という一文がありました。

 

つまり、その学校がある地域にとどまらず、州全体に利益をもたらすことを明確に示すことができる、ということです。また、このステータスを得たチャータースクールは、他の都市でも学校を開くことができるそうです。

 

High Tech Highには教育大学院もあり、いくつもの研修が行われています。毎年、国内外から大勢の教育関係者が視察や研修のために訪れていることからも、教育に関わる多くの人をインスパイアしていると言えるでしょう。

 

チャータースクールは、公的資金を使いながら、従来のカリキュラムに縛られない自由な教育ができる場所で、教育のR&Dという位置づけにもなっています。カリフォルニア州では一時期チャータースクールが乱立し、その中にはいい加減な運営が行われていたり、設立当初の理念はよかったけれども成果がともなわないなどの理由で、その15%ほどは閉鎖になっているという数字も目にしました。

 

今日あったミーティングも、チャータースクールに対するチェックをきちんと行う、という活動の一貫のようでした。コロナ禍で学校に行けない中でのチャレンジや、これは成功だと思われること、生徒たちのエンゲージメントはどうか、など、様々な問いかけがあり、保護者からも活発な意見が出ていました。

 

日本では冒頭にご紹介したドキュメンタリー映画が少しずつ認知度をあげていますが、去年の12月には、「こたえのない学校」の理事で、過去数年で実際にHigh Tech Highを何度も視察され、研修にも参加された藤原さとさんが「『探求』する学びをつくる」という本を出版されました。

 

プロジェクト型学習についてはもちろんのこと、High Tech Highが大事にしているEquity(公正性)にも焦点をあてて、とても丁寧に書かれている本です。そろそろ品薄状態も解消される頃かと思いますので、「探求」や「プロジェクト学習」などに興味がある方は、ぜひチェックしてみてください!