翻訳本が6月に発売になる予定の"Attached"の本のなかに、こんな箇所があります。
「我々が幸せになれるかどうかは、愛情を注ぐ対象の質によって左右される」
これは17世紀のオランダの哲学者スピノザの言葉だそうです。
本の中では、自分の幸せがかかっているからこそ、愛情を注げるパートナー選びには慎重になるべき…という趣旨で引用されていました。
「パートナーがいないと幸せではない」とか「あなたなしには生きていけない」という考え方は、自分の幸せを相手に依存しているとも解釈され、好ましくないとされています。
実際に私も、これから結婚するパートナーを見つけたいという人には、「まず自分ひとりでも幸せになってください」とお伝えしています。
ひとりでもハッピーだけど、それを分かち合う人がいたらもっとよい、というスタンスでいたほうが、出会う人すべてを「結婚相手としてふさわしいかどうか」という眼鏡でみなくてもよいですし、結果的に良い出会いがあるような気がするからです。
でも一方で、結婚したパートナーの言動によって私たちの気分が左右されるのも事実。
結婚した相手の言動ほとんどすべてを受け入れたり、相手のちょっとした行動を、自分への愛情を感じるきっかけにできる人は幸せだと思います。
お付き合いしている段階で相手を多角的に観察することをお薦めしているのもまさにこの理由です。
ストレス下でどんなふうになるか、とか、デートで行ったレストランで店員が注文を間違えたりしたときにどんな対応をするか、といったことから、相手の本質とも言える部分を垣間見ることができるでしょう。
その意味では、いつも同じパターンでデートしたり、同じ場所ばかりに行くのはやめて、ふたりで様々なシチュエーションを体験できるように工夫をしたほうが、ふたりの将来像をより具体的にイメージできるのではないでしょうか。