日本がハーグ条約に加盟してから、最初に返還命令の出たケースは日本人同士のカップルでした。
離婚調停中に母親がイギリスに転勤になり、父親の同意を得ずに子どもを連れて行き、約束の期限を過ぎても帰らないことから父親が申請。
ハーグ条約が適用され、イギリスの裁判所が母親に対して日本に子どもを返すように命じたのです。
こちらの記事によると、その後日本の家庭裁判所で調停が行われ、子どもはイギリスの母親のもとで育てられることになったそうです。
この例からもわかるように、ハーグ条約の適用で元いた国(常居国)に還すことになったとしても、それで終わり・・・ではなく、その国で今後の処遇を話し合う、ということなのですよね。
日本ではまだ単独親権ですし、離婚したら多くの場合は母親に親権がいくことを考えると、このケースでも母親が親権を勝ち取り、その母親の居場所がイギリスなので子どももイギリスに行く・・・ということなのでしょう。
これから国際結婚する人だけでなく、日本人同士でも海外に住む可能性のある人にとって大いに関係のあるハーグ条約。
ニュースになるようなケースは今後も取り上げていきたいと思います。