なぜ弁護士はハッピーでないのか | 「成功する国際結婚の秘訣」ブログ

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今、図書館で借りた"Drive"というダニエル・ピンクの著書を読んでいます。

モチベーションがテーマのこちらの本。英語だしけっこう分量があるので、なかなか進まないのですが、その中のある章に、「なぜ弁護士という職業グループは全体としてmiserableなのか?」という問いかけがありました。

(miserable = みじめである、ハッピーでない)

この現象を説明するいくつかの説のひとつとして、「悲観的な弁護士のほうがよい仕事をする」というものがあります。一般的には悲観的であるよりは楽観的であるほうがハッピーな人生を送れるのでしょうが、この職業の特徴として、悲観的なタイプのほうが弁護士として効果的にクライアントを助けることができるのだとか。

また、別の説明としては、多くのことを求められる職業な割には、自分で意思決定ができる部分が非常に小さいということが挙げられていました。("Lawyers often face intense demands but have relatively little "decision latitude".)

この傾向はまだロースクールにいっている学生のときから始まっており、いずれ実際に弁護士として仕事を始めたときに一番この現象に加担しているのが"billable hour"つまり時間によって課金するシステムなのだそうです。

アメリカの場合、大きな法律事務所では6分ごとに課金を要求されるのも珍しくないとのこと。その結果、「クライアントにいかにサービスをするか、どのようにクライアントの役に立つか」ではなく「何時間、そのケースのために課金できる時間を蓄積したか」に重きがおかれるため、モチベーションや個人のイニチアシブも損なわれてしまう・・・という分析がされていました。

ダニエル・ピンクはこの「モチベーション3.0」とも言える本の中で、「クリエイティブな仕事になればなるほど、どれだけの時間を使えばどのくらいのものができるという関係は予測できなくなるもの」としています。

すでに革新的な法律事務所では、かかった時間でなく、達成した結果によって一定の料金を請求するようなシステムをとりいれているそうです。

この部分を読んで、今サポートとして関わっている離婚のケースでも、「弁護士が働いた時間 X 時給レート」でなく、こちらの望むような成果であればXXドル、そうでなければXXドル・・・・というように弁護士料が払えるなら、もっとクライアントの気持ちも楽になるのかもしれないと感じました。また、確かにその弁護士は、いつも時間に追われていて、あまりハッピーそうではないなぁ、とも・・・