それは高校生の時でした。
数日間だけ登校拒否になった、と話すXさん。
「行ってきます」と言って家を出ると、学校へ行かずに隣のアパートで一日を過ごしたといいます。親の経営していたアパートの空室に閉じこもっていたとか。
帰宅の時間になると、黙って家に戻っていました。
悪びれた気持ちもありません。
何日間かそれを繰り返しました。
学校への連絡や親へ何を説明したのか、まるで覚えてはいません。
彼女が隠れていたアパートの一室は2階にありました。
閉じこもって数日したある日。
窓の外に、両サイドに髪を束ね神話に出てくる大国主命のような姿が現れました。
お地蔵様でした。
「また会おうね」、と言って空に昇っていくのを見ました。
つづく