私が中学生の時です。友人たちと海水浴に来ていました。
夢中で遊んでいると、足のつかない深さに慌てました。仲間に助けを求めますが、ふざけた冗談だと笑っています。潮に流されはじめた私は、岸辺がどんどん遠くなるのがわかりました。
大人にロープを投げてもらい助かりました。このまま死ぬと思ったのを覚えています。私は海の恐ろしさを知りました。
海神は私にいいました。
「次は帰さないから」、と。
家族と夏登山を楽しんでいました。
休憩しようと腰をおろした私は、うっかり足が滑り谷の底へ落ちてしまいました。
小学生の私は、方向が分からなくなりました。大きな声で両親たちを呼びましたが、誰の声も聞こえませんでした。
その日の夜、暗闇の山中は怖くて一晩中眠れませんでした。
動かずにじっとしていると、ようやく明るくなり私を捜す声がしました。私は助け出されたのです。
大泣きする両親に私は涙が止まりませんでした。
山の神は私にいいました。
「次は帰さないから」、と・・・。