それは、電車を降りエスカレーターに乗ったときでした。
激しいめまいにおそわれ、目の前の標識の文字がやたらに大きく見えました。
フラフラしている自分がいました。
ここで座り込んでしまっては、大変なことになる、と思った私は、ぐるぐると目の前が回っている中、声を出しながら必死で歩きました。きっとまっすぐに歩いていなかったと思います。初めての経験でした。
体のどこか悪いのか、外出が難しくなるのか、いろんなことが心配になりました。
歩き続けるうちに、視界が徐々にはっきりとしてきました。
先程までのことが嘘のようでした。
彼女は「時間のひずみ」があるところを通過したようです。
どうりで、気分の悪さもなく、身体はいたって元気です。
夢のようだったと語る彼女は、時間のひずみから上手く脱出できたのでした・・・。