川土手をバイクで走行中のこと。突然エンジンが止まってしまいました。
なんでこんな所でエンストするのかと思い、バイクを確認していると、河原から女性が走り寄ってきました。
「助けて~」と叫んでいます。
川岸へ目をやると増水した川が激しくうねり、子供が溺れています。たくさんの大人達がいるのに、いったいどうなっているのだろうと感じたXさん。
高校生の彼は、躊躇なく川へ飛び込むと浅瀬から突然川底は深く、足が届かなくなりました。
必死で子供を捕まえて、岸へ泳ぎ着いたといいます。
人命救助で表彰されると、校長は我が校の誇りだと喜んでくれました。
そんな彼は、当時非行を繰り返す毎日でした。今から25年も前の出来事です。
不良少年だった彼の魂は、どこかで罪滅ぼしをしたいと思っていました。
そんな思いで偶然バイクのエンジンを止めたのも、実は彼自身だったのですから・・・。