亡き父から相続で受け継いだ土地は膨大なものでした。
売るに売れない土地は数か所ありました。
辺鄙な場所や、広すぎて買い手がみつかりそうにない土地など、頭を悩ますものばかりでした。
気長に買い手を待っていると、ついに現れたのです。
一番やっかいな土地を購入しても良いという人が。
待ちに待ったチャンスです。
しかし、あんなに嫌がっていた土地をいざ手放すとなると決断できません。
売ることを躊躇ってしまったのです。
彼女は土地を人手に渡すのが惜しくなったのではありません。
人生を楽しむことができなくなるのが惜しいのです。
夢から覚めてしまうと、生きがいがなくなってしまうかもしれません。
人は果てしない夢を追い求め、大きな願いを抱くことで、生きがいを感じているのですから・・・!