心霊写真(その1) №744遺影に写る故人は、黒っぽい洋服で目を伏せたかのような顔にみえました。どうしてこんな暗い写真を選んだのでしょう。娘を亡くした遺族の気持ちを思うと胸が痛み、手短に焼香をすませたNさん。あれから一年が経ちました。再び仏前で手をあわせたNさんは、驚きました。故人は白い襟のある水色の洋服で、うっすら笑みさえ浮かべていました。しかし遺族は、「写真は取りかえていません」、と話すのでした。