気がつくとお花畑にいて、川向うに見知らぬ女性が二人立っています。40代くらいかと思われる彼女たちは白装束で、早くこちらへ来いと私の腕を掴み、無理やり引きずり込もうとします。川幅は大きな一歩で跨げそうな小さな川でした。
「嫌だ、嫌だ」と言って、手を振り払おうとしたのを覚えています。
一時は体調を崩し死を覚悟しました。あの時、川向うへ渡っていたら私はここにいませんでしたね、と話すYさん。
胃を全摘し、小腸を1.5メートル摘出した大手術。輸血をしたことがきっかけで肝炎になってしまいました。数年前、医者に命はないと宣告されたのです。
それは偶然、サマンサに会えたことがきっかけになりました。Yさんが私に「まだ生きたいのです」と告げたのです。