ある高さから落下したり、滑り落ちたり或いは転がり落ちたりした鉄球は、元の高さまで戻る事は出来ない。これが一般常識。それはトランポリンの様な物を用いても然り。

 

 鉄球がある高さに居るとき、その鉄球は、その高さに応じた「位置のエネルギー」を持っている。その球が、ある方法で落下して、そして別の方法で飛び上る為の「運動のエネルギー」へは、元々持っていた「位置のエネルギー」から諸々の摩擦など諸々のロス分を引いた分しか寄与されない。

 

 だから、その一般常識に反して、ある高さから滑り転がり落ちた鉄球が、元居た高さよりも高くまで飛び上がるのを目にした時、おゃ、何故っと驚いて、楽しい気持ちを一瞬でも味わえる事ができるかもしれない。そう思って創ってみた。

 

 要は、上述した「諸々の摩擦など諸々のロス分」に相当する以上のエネルギーを、滑り転がり、そして飛び上がろうとしている鉄球に与えてあげればよい。どの様にしてそれを実現するか。

 

 私が用いた方法は以下の通りで、外観構造的には、まず、飛び上がって来た鉄球を受取って、滑り落ち口へ導く円板(すり鉢状)を設けた。次に、滑り落ち口の下に、U字型の滑走路を設けた。滑走路の末端(上部の飛出し口)には、飛び出した鉄球が円板の中心に向かって飛んで行くような角度を設けた。円板と滑走路の結合体を机上に置く為の台を設けた。

 制御に関しては、まず、走り来る鉄球が或る位置に来た事をを捉える。これは、光をその位置に向けて照射しておき、鉄球がその位置に来た時に発する鉄球からの反射光を受けて、鉄球の到来を検出する。所謂フォトセンサーで検出する。

 次に、その位置に来た鉄球にエネルギーを与える。その方法は、電磁巻線により発生する磁力による。断面1㎠程度、一辺3㎝程度のコ型鉄心に、エナメル線を100回程度巻き、コ型鉄芯の解放部分を、滑走路の鉄球が走る直近傍に配置する。そして、大容量コンデンサーに充電(50V程度)しておいた電荷を、TRIAC(半導体スイッチ回路)を用いてその巻線に放出、電流として流す。その為の電子回路図は、ご要望があれば開示。

 そして、鉄球の到来検出、コンデンサの充電および放出(放電)、これらの制御はマイクロコンピュータ(PIC16F88)で行っている。極シンプルな回路とプログラムだが、ご要望があれば開示。

 上述の台にフォトセンサーとコイルを組み込み、他は、すべて机の中に収納している。

 

 トランポリンを用いた物も、基本的には同じ。フォトセンサーと巻線は、円板の直ぐ下に取り付けてある。

 

かくして作成した物の動画を下記に示すので、気が向いたらご覧あれ。

 

https://youtu.be/-gUKZ72ekWo

https://youtu.be/IHfDDm5Sqnw