櫻葉区分ですが、相櫻です(>_<)
今後、BL的表現あり。これは素人自己満足のために書く妄想小説です!!実際のものとは一切関係がありません汗。

大丈夫な方のみ、前へお進みくださいm(_ _)m
 

 
 
 
 
初めましての方はこちらへ。
 
これ、実は秋編なんです。。

1年間のことをやってるだけなんですが、4年かかるってどうなんやろ苦笑。

 
 
 
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耳元に時計の針の音が聞こえた。
 
「……ん……」
 
目を開けると、部屋はすっかり暗くなってた。
うつ伏せ状態からゆっくりと体を起こすと、掛け布団が肩からパラリと離れる。
 
「あれ……今何時……?」
 
この部屋に帰って来た時、まだ部屋は夕陽のオレンジ色に染まってたはずなのに。

それが、今は大きな掃き出し窓の外に、他の家の明かりがちらほら見えてる状態だから、一瞬頭がバグる。

手探りで枕元のスマホを探して画面を見ると、もう夜の8時過ぎ。

「そりゃあ真っ暗なはずだよね……」

秋が遅くなったって言っても、こうやって着実に日が暮れる時間は早くなってんだなぁ……
 


その時。
 
 
ぐきゅうう
 
「!」
 
やべっ。
目が暗闇に慣れてくるのと同時に、腹の虫が大きく鳴って、慌てて手で押さえた。
そういえば、今日は昼御飯の後何も食べないままここに来たんだっけ。
 
「……腹減った……」
 
改めて声に出せば、たちまち空腹を感じで、堪らなく辛くなってくる。
 
弓道は他のスポーツと比べて、そんなに激しく動き回るもんじゃない。練習で走り込みとかするわけでもないけど、オレはまだまだ育ち盛りの高校男子。
いくら大人しめなスポーツだからってつっても、ホントは部活が終わったらすぐに家に帰って、ご飯を腹一杯食べたくなるんだよね。
 
いつもなら、カズくんの家にお邪魔するか、カズくんがオレの家におばちゃんとおじちゃんが仕事の片手間に作ってくれた晩御飯を届けに来てくれて、空腹はすぐに満たされるんだけど。
 
 
でも、ここ最近……金曜日だけは勝手が違う。

そして今日はその金曜日。
 
 
「……」
 
そっとベッドから抜け出して、床に散らばった下着とズボンを拾う。
出来るだけ音を立てないように、そーっとベッドサイドの明かりをつけたら。
 
「ん……っ」
「!」
 
ほんのりした明かりでも、眩しかったみたい。
今さっき抜け出したベッドから…_艶めかしいって、こういうことを言うんだろうなって思っちゃうほど、色っぽい声が漏れて、思わず振り返る。
 
「相葉くん……?」

「すいません。起こしちゃったですか……?」


声をかけると、クシャクシャになった掛け布団から顔を出した櫻井先輩は、眠そうに目を擦った。

気だるげな雰囲気なのに、その仕草は子供みたいで年上ながら可愛くて、ドキッとする。

 
「ん……いいけど、どうしたの……?」
「……すいません。腹減っちゃって……」
「あぁ……今何時?」
「えと……8時……です」
「そっか。思ったより寝ちゃったね……起きよっかな……うーん……」
「………っ」
 
まるで猫のようにしなやかに伸びをした先輩の、長い手足がシーツから飛び出して、喉が鳴る。
艶々して、白光りしているように見えるそれが、寝る直前までの濃密な時間を思い起こさせるみたい。

……ベッドの上の先輩は、何かと目の毒だ。
一旦離れないと、また……
 
「先輩、先にシャワー浴びます?オレ、その間にご飯の用意しとくんで……」
「うーん……」
「先輩?」
 
何とか平常心を保ちながら、ベッドの方へ視線を戻せば、1度出した手足をシーツの中戻してて団子みたいになった先輩がオレの方を見上げてた。

心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
正直、この上目遣いにオレはめちゃくちゃ弱い。
 
黙ったまま大きな瞳を向けられれば、吸い寄せられるようにベッドに近寄っていってしまう。
 
「どうかしました?」
「起こして?」
「え?」
 
そんなオレを知ってか知らずか……小悪魔みたいに微笑んだ綺麗な人は、オレに向かって両手を伸ばして囁く。
赤い唇が、薄明かりの下で、誘うみたい。
 
「いいでしょ?」
「え……でも……」
「相葉くんのせいだよ?」
「う……それは……」

確かに先輩を疲れさせてるのは、オレだけど……それは……

「………」

あー……
何も考えられなくなる。
何を言えばいいか分からないオレに、先輩はにっこり笑う。

「ね?だから起こして?」
 
小首を傾げられれば、もう降参。
心の中で白旗を上げた。
 
「お願い、相葉くん……」
 

甘えた声を出して布団の中からまた顔を出した先輩の両腕がオレの首に回る。

温かい裸の背中に腕を回してそっと抱き起こす。

途端、ふわりと漂う、甘い香り。
シャンプーとか香水とか、そんな単純なものじゃない、先輩自身の匂い。

眩暈が、する。
 
「ふふっ……ありがと」
 
ちょっとしたことでこんなにオレのことを興奮させちゃうとうの先輩といえば、大事な部分をさりげなくシーツで隠しつつ、何もないようにベッドから起き上がり、オレを見て面白そうに笑った。
 
「ははっ。相葉くん、顔真っ赤。可愛い……」
「……っ」
 
オレの頬に伸びてくる先輩の手。
あっという間に頬が綺麗なそれで包まれて。
 
「ん……」
 
柔らかな唇が、オレのを啄む。
さっきまでのキスとは、比べ物にならないぐらい軽やかなそれは、オレの燃え上がった何かを鎮めるようなものでは全然ないんだけど。
 
唇を離した先輩の顔を見れば、酷くあっさりしたもので、それはよく言えば見慣れた『先輩』。
こんな関係になる前の、後輩に向けた優しい笑顔。
 
「冷蔵庫の中のおかず、適当に温めておくから、相葉くんが先にシャワー行っておいで?バスタオルはいつもみたいに棚にしまってあるから好きに使ってね」
「でも……」
「相葉くんはお客さんなんだから。これぐらいさせて」
「……はい」
「心配しなくても、相葉くんの後すぐ入るぐらいで大丈夫だよ?だってまだ後始末する必要ないんだし?」
 

囁いて、ペロッと自分の唇をこれ見よがしに舐める先輩に、思わずぞくっとして、慌てて立ち上がった。

 

「っ!お、お風呂貰いますっ!」

「フフフッ。いってらっしゃい」

 

ひらひらと手を振る先輩を振り向くことなく、寝室の向かい側のバスルームに飛び込む。

さっき着たばかりの服を脱ぎ捨て、熱いシャワーを頭から勢いよく浴びる。

 

「はぁ……やっべ……」

 

あぁ、やっぱり。

下半身は、見事に恥ずかしい状態になっていた。

 

(キミみたいな素直で真っ直ぐな子には刺激が強すぎるんじゃないかな?)

(キミの手には負えないと思うよ?)

 


「……くそ……」

 

岡田さんの言葉と、厭味ったらしいほど大人の余裕に満ちた笑顔が脳裏に浮かんで、オレは奥歯を噛みしめた。

 

あの時の岡田さんの言葉や表情が……胸が焼け付くほどムカついて仕方がないのに、オレ……結局そのとおりになっちゃってる。


先輩と付き合いだして以降、こんな感じでずっと翻弄されまくって……
ただでさえ恋愛初心者なのに、先輩の放つ甘い毒は本当に刺激が強すぎて、全然慣れない。
 


そして何より、オレが先輩に関して悩んでるのはこれだけじゃなかったりする。



 
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忘れている皆様へ向けて一応お伝えしておくと、ここの相葉ちゃんは高1、翔くんは高2、岡田師範は大学3年です💦